ヨガナンダ 心の時代のパイオニア
 ヨガナンダ > 日々の思い > 2019.2.12



ヨガナンダ



2019年2月12日 ・・・ 十人十顔<3>

顔のことを考えていて、
またひとつ思いついたことがありました。

顔にはその人の持つ個性が集中して表れますが、
顔と同様、音にもまたその人の個性が如実に表れます。
そしてその顔と音とが一致するのが面白いところです。


日々ネットでいろんな音楽を聴いていると、
時として思わぬ名演奏と出合うことがあります。

昨年行われたユーディ・メニューイン国際コンクール
そのジュニアの部門で一位(二人が受賞)を獲得した
シンガポール出身のクロエ・チュアという11歳の女の子、
この子の演奏がとてつもなく素晴らしく、度肝を抜かれてしまいました。

決勝で、ソロの課題曲の後に弾いたヴィバルディの「四季」の「冬」、
この透明感あふれる調和の取れた響き、・・・もう言葉がありません。



「四季」の「冬」は特に好きな楽曲で、
パソコンの中に「冬フォルダー」を作り、
気に入った演奏をいくつか入れていますが、
彼女のこの演奏を聴き、これまでのものはすべて廃棄してしまいました。

自分はだいたいにおいてこういった幼い子ども、
特に女の子が奏でる音が好きで、
その肉体的、精神的特質から来る限りなく清らかな音の響きに心奪われます。
この清らかな音色は、
どんな巨匠でも成人した後に出すことはできないでしょう。

『上善水の如し』とでも言うのでしょうか。
いい意味で完全に無色透明なその音の響きは、
まるで澄み切った湖上に小さな波紋を広げるように周りに伝わり、
透明であるがゆえバックのオーケストラとのアンサンブルも完璧です。

こういったコンクールでコンチェルトを演奏する場合、
往々にしてソリストであるコンクール参加者に
バックのオーケストラが合わせている、
また合わせているとまではいかなくても、
音楽的キャリアがまったく異なるオーケストラメンバーとの
異質感を覚えることが多いのですが、
彼女のヴァイオリンの音はオーケストラと完全に溶け込んでいて、
そこにも深い感動を受けました。

幼子の多くはこういった透明、純粋な感性を持っているのでしょう。
その特質は内面だけではなく、
顔付きや身体全体に表れ、
11歳の彼女はその年齢に相応しくとてもスッキリとした顔をしています。
いわゆるしょうゆ顔というもの、または弥生顔とも表現できます。


  関係ないけど、第一ヴァイオリンのお姉さんとてもキレイです♪

その特徴は身体も同様で、
子どもらしい小枝のような体型は、
その透明感あふれる音色を支えているかのようです。

さらにもうひとつの特徴はその動作です。
彼女は体型が伸びやかなだけではなく、
動き自体も子どもらしくシンプルでありかつシャープです。

そして演奏中、楽曲の盛り上がりで見せる体の動きは
つま先を上げ、背筋を反らせる伸びの姿勢、
つまり外に向かって広がっていく陰性の動きです。



この陰性の開放感と彼女のヴァイオリンの透明な音色は同質であり同根です。


それに対して同じコンクールの同じジュニア部門で三位となった
13歳のルビン・リウ(中国)の音色は正反対です。


クロエ・チュアの音が陰性で開放的であるのに、
ルビン・リウの音は思い入れのたっぷりこもった陽性で内省的なものです。

それは動作にも表れていて、
クロエ・チュアがつま先を上げ背筋を伸ばし、
音を外へと広げようとするのに対し、
ルビン・リウは逆に膝と背筋を曲げ、
自らの内へ音を引き込もうとするかのようです。

こんな感じ、一気にかがみ込んだので、
顔がぶれてしまっています。



顔付きもクロエ・チュアが陰性、弥生顔であるのに対し、
彼女は目鼻立ちがハッキリし、凹凸のある陽性、縄文顔をしています。



顔付き、体つき、動作、それらはすべて音に反映します。
そしてそれに対する好みも人様々です。

その基準となるものはやはり陰陽です。
陰陽の理合いを知ることは、魔法のメガネをかけているということ。
これからの時代、多くの人はこのことを知るべきです。



2019.2.12 Tuesday  
ひとつ前へ ホームへ メニューへ 次へ
Link Free
Copyright 2010 Sakai Nobuo All right reserved.