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2019年2月11日 ・・・ 十人十顔<2>

今月はじめ俳優の新井浩文が、
派遣マッサージの女性に性的暴行をはたらいたということで逮捕されました。
彼は『犯罪者をやらせたら日本一』と自ら語るほど
悪役俳優として人気があり、
彼の逮捕を受け、きっと多くの人が、
「悪役を演じる人は本当の悪人が多いのかもしれない」
と感じたのではないかと思います。

それが正しい感じ方かどうかは分かりませんが、
この件とは逆に、
悪役俳優ほど心優しい人が多いということもよく耳にします。

演技とは、客観性がなければその役柄を演じることができません。
演者が本当にその役柄そのもののキャラクターであった場合、
演じるのは楽であっても、
そこに深みは生まれてこないのではないかと感じます。

日本で映画文化が全盛だった時代に、
二枚目大スターと呼ばれていた人たちで、
今も変わらず輝きを持った演技をする人はほとんどいません。

それとは逆に、昔は癖のある脇役を演じていた俳優、
山崎努や田中邦衛のように、
年齢を重ねるにつれて味わいを深め、
一流スターとして渋い存在感を発揮する人がいます。



人間は顔という外面からにじみ出て、
そこから感じ取ることのできる人柄よりも、
内面から導き出そうとする思いの方が、
より力強いのではないかと思われます。

演技ということで考えるならば、
観客が最も強烈なインパクトを受けるのは、
外見そのままの演技ではなく、
内面をひた隠し、その内面をつくろうように外見を装った、
そういった演技です。

例えば典型的な善人顔である西田敏行や
寅さん映画で有名なタコ社長、故太宰久雄などが、
仏顔でニヤリと笑いながら猟奇的犯罪を犯す役を演じたら、
尋常ならざる凶気とともに、
並の悪役俳優が演じるよりもはるかに恐ろしい印象を与えるでしょう。



人間は演じることのできる動物であり、
顔、その表情を含めた外見を取り繕うことができ、
それが巧みな人に多くの人は騙されてしまいます。

そしてそういった “演じようとしている人” の、
ほんのわずかな隙間に垣間見える本性を感じ取れる人が、
“人を見る眼がある人” ということになるのでしょう。


普段よく行く銭湯は歓楽街の端っこにあり、
組事務所も近くにいくつかあって、
「入れ墨OK」のところなので、
いつも立派な彫り物を入れたお兄さんたちと入浴しています。

そんな彫り物を入れたお兄さんたちを見ていると、
やはり悪相の人たちが多いように感じます。
その悪相というのは、内側の人間性から出たようなものとともに、
日々粋がっている日常の思い、
そういった表面的感情から湧き出たものの二種類があるように感じます。

そしてやはり内面深くから出たものはそう簡単には変わりません。
いわゆる犯罪者顔というもので、
これはその人の生育環境や長年の生き様によって作られたものです。

それに対して粋がった兄ちゃんの “突っ張り顔” というのは、
その気持ちが解きほぐれさえすれば、
短期間で変わっていくこともあります。
広島では暴走族の突っ張り兄ちゃんが
トイレ掃除で更正した例が数多くあり、
自分もその一端を見せてもらうことができました。


人相占いで名高かった水野南北は、
放蕩の末長年牢屋に入れられ、
そこで悪人の人相には共通点があることを知ります。
そしてその後床屋、銭湯、葬儀屋など様々な職業を経験し、
人相とその人の持つ運命とを
かなりの確率で当てることができるようになりました。

けれどいくら確率が上がっても、
悪相であってもいい運命を辿る人がいて、
またその逆に、いい人相でも不幸な人生を送る人がいる、
そこには何があるのかを探っていき、
その人の摂る食事が
その人の運命を大きく変えるというところに行き着きました。

日々の食事、何をどう食べるかは極めて大切です。
そしてその食習慣は、
長い時間をかけてその人の人相をも変えていきます。




最後に人の顔の好き嫌いについてですが、
これは実に主観的なものであり、
その時々、周りの状況によって大きく変化します。

以前はとても好きだった異性の顔、
好感を持っていた同性の顔が、
突然異なった印象でもって映ることがあります。

ひとつ思うのは、
誰かに対して好感や嫌悪感を持った場合、
それ以降その人と似た印象を持つ人には、
それと同様の感情を抱きやすいということです。

その感情を抱く原因を自分で理解できている場合、
そのバイアス(偏見)を意識して取り除くことができますが、
実際ほとんどの場合そうではありません。

人間の判断力、特に直感力と呼ばれるものは、
表面的な顕在意識の枠を越え、
膨大な知識と経験によって作られた潜在意識によって動かされ、
好き嫌いといった感情もまた同様です。

その自分の好き嫌いの感情を最も身近で簡単に感じられるもの、
それが人間の顔であり、
その人の顔からその人のどういったものを感じ取り、
またどういった感情を抱くのか、
それを観察するのは実に面白いものです。


そしてまずは近くにあって生涯直接見る事のできない自分の顔、
それをしっかりと見つめ、その顔を好きになれるように努力すること、
それが心のバイアスを取り除く身近な方法であると感じます。

その上で鏡の自分に向かっていいメッセージを唱える、
これはとても効果のある自己暗示術、潜在意識活用法です。
  <対鏡法>

自分の顔がいい顔であるためには、
まずは自分自身が「自分の顔はいい顔だ」と信じ込むことです。

そして自分の顔を100%素直に受け入れられるようになったなら、
他人の顔もまた、そのまま受け入れられるようになるでしょう。

いい顔で、いい人生を送りたいですね。 (^_^)/

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2019.2.11 Monday  
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