ヨガナンダ 心の時代のパイオニア
 ヨガナンダ > 日々の思い > 2017.9.6



ヨガナンダ



2017年9月6日 ・・・ お金、ものとの関わり

二年ほど前、ある会で中桐万里子さんという方のお話を聴きました。
長身でスタイルのいい彼女は背筋がシャンと伸び、
速くもなく遅くもない淡々とした話し口調から、
聡明で温厚な彼女の人柄が感じられるようでした。

現在大学の講師を務める中桐さんは、
あの勤勉で名高い二宮尊徳(金次郎)の七代目の子孫にあたり、
二宮尊徳に関する本を何冊か書き、
全国各地で講演もしておられます。

手元には彼女の書いた「現代に生きる二宮翁夜話」という本があり、
時折読みかえして金次郎の深い知恵に触れています。

現代に生きる「二宮翁夜話」現代に生きる「二宮翁夜話」
中桐万里子

致知出版社 2014-07-19
売り上げランキング : 333471

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

この本は、伝えられた金次郎の教えを、
彼女独自の解説によって、短編に分けて分かりやすく説いておられます。

その中桐さんの解説が、
彼女自身の普段の生活や過去の体験を題材にしていて、
プライベートな一面が見え、とても身近で面白いのです。
これってたぶん、ご子孫だから許されるんだろうなって感じます ・・・ 。

あるページにこんなことが書かれています。

むかしから占いではかならずのように言われました。
「あなたは、お金に困らない人生を送ります」と。
幼い頃は、「これは大金持ちと結婚できるということだな!」と思いワクワクしていました。
が、大きくなって違うと気づきました。
わたしは、お金がなくてもまったく「困った」と感じないタチの人種だったのです。
「なきゃないで、やり方がある」と思え、生活の縮小も苦ではないからです。


なるほど、こういう納得の仕方もあるのですね。
新たなるものの見方を発見した気分です。


人生におけるお金との関わりは難しいものです。

素晴らしい解放の手法「セドナメソッド」を開発した
故レスター・レヴェンソン博士は、
最初はお金を取ることなくクライアントと接していましたが、
後にそれを改め、お金を求めるようになりました。

それはクライアントが、
「患者は支払ったお金の金額に応じてよくなっている」
ということに気づいたからであり、
「私たちはそのものに対し、
 無意識のうちに自分が支払った金額に応じた価値をそこに見出す」
ということを感じ取ったからです。

そして組織だってお金を取るようになった二年間で、
無料だった22年間に得た以上の効果を上げたのです。


たしかに、このホームページにも
無料で役立つ情報を数多くご紹介していますが、
残念ながら、それが読んだ人の役に立っているという実感は
なかなか得られません。

また身近な人には直接いろんな方法をアドバイスするのですが、
ただで聞いたものはあまり大切にしてもらえません。

『お金のかからないもの、方法には価値がない』
多くの人はこのような根強い信念を持っておられるようです。


そういう意味では自分は反主流派です。
幼い頃から人にものを教えてもらうのが苦手で、
学校の授業はほとんどまともに聞いたことがなく、
宿題もほとんど絶無と言っていいぐらいやってたことがありません。

その代り何事も自分で研究し、学ぶのが好きで、
パソコンでも英語でも、セドナメソッドといったスピリチュアルな手法でも、
自分で本を読み、ネットで調べ、
それを学ぶ手法自体から自分であれこれ工夫することが好きなのです。

これは安上がりだというメリットがあるのとともに、
自ら能動的に学ぶことによって、様々な知恵が身に付くように感じます。

また自分一人で学ぶのですから、
その手法は簡単なもの、特別な道具や技術のいらないもの、
必然的にそのようなものになってきますし、
他で学んだことをいかに応用するかということにも知恵を絞るようになります。

そしてその結果、
『お金のかからないもの、方法にこそ深い叡智が秘められている』
と体で感じるようになりました。

とは言え、こういったことは自分自身の体で感じ取るものであり、
人に押しつけるつもりはありません。
また人にはみな個性があり、学び方にもスタイルがあり、
理想の学び方は人それぞれです。


地方都市広島でも毎月たくさんの講演会、勉強会、セミナーがあり、
何かの会に出ると、いつも束になった案内パンフをもらいます。

けれどこういのは、お付き合いで参加しなくてはならないもの以外、
自から望み、お金を払って行くことはとほとんどありません。
これは自分独自の考え方に基づいているもので、
誰にとっても行く価値のないものだと言っているわけではありません。

講演会の案内を見ると、
参加費五千円とか一万円といったものも珍しくありません。
これがさらに少人数の勉強会やセミナーだと、
数時間で数万円のものもあります。

高額なものは、本を何冊も出版している有名講師がほとんどですが、
いつも疑問に思うのは、
そこで得られる情報というのは、
その講師が書いた本に載っているもの以上のなのか、ということです。

これまで何度か講演会の内容を文字起こししたことがありますが、
二時間の話だと、文字の量は
一冊の本の四分の一かそれ以下といった程度です。

それに本代以上の参加費を払って聴くというのは、
実にもったいないことのように感じます。
  (繰り返します。 あくまでも個人の感じ方です)

本を読んで自分で学ぶことが好きだからそう思うのですが、
多額のお金を払って講演会を聴くのなら、
美味しいものを食べ、本を買い、
それを自分で自分に役立つ方法を考えながら読み込んでいく方が、
本当の意味で知恵になっていいのではと感じます。

ワークショップなど実技を伴うものは、
講師と対話しながらがらでしかできないかもしれませんが、
講師の話を聴くだけなら、
本でも、録音・録画されたものでも十分だと感じます。
実際、YouTubeやTEDで、素晴らしい講演を無料で聴くことができます。

もちろん生で講師の話を聴くというのは迫力があり、
心にズシーッと響くことがよくあります。
また「お金と時間をかけたのだから」という意識を持って聴くことにより、
やはり頭への入り方が違ってきます。

ですが理想を言わせてもらえるならば、
それは聴き手、受取る側の意識の問題です。
どんなものからでも学ぼうという強い意志さえあれば、
たとえそれが本であろうが、ラジオ、テレビであろうが、講演であろうが、
それはまったく関係ないはずです。

これは自分のポリシーとして以前から強く思っていることです。
たとえ道端に落ちているスポーツ新聞の切れ端であったとしても、
そこにもし自分にとって役立つことが書かれているならば、
それを十分に役立て、人生を変えられるような人間になりたい、
そう願っています。


もう一度繰り返しますが、
これは自分の考え方、感じ方であって、
誰しもがこうなるべき、これが理想だと言っているわけではありません。

ただ自分の身の回りには経済人、企業人と呼ばれる方が数多くおられ、
そういった方たちは方々に顔を出し、
高いお金を払って話を聴かれる機会も多いようですが、
そこで毎回感動、感激をされても、
その後そこで得た知恵や知識を使い、
自己改革していこうという意識には乏しいように感じます。

レスター博士の
「私たちはそのものに対し、
 無意識のうちに自分が支払った金額に応じた価値をそこに見出す」
で言うならば、お金の余裕のある人にとって、
講演会の参加費はたいして負担にならず、
「別にそこで聴いたことを活かさなくてもいい」
という意識になっているのではないかと感じます。


さらには、今は身の回りに情報があふれかえっています。
情報が多いのは悪いことではありませんが、
あり過ぎるのは弊害を生みます。

これは食べ物で言えば、過食でメタボになっているのと同じことです。

いつも食べ過ぎで、
食べきれない食物を大量の残飯として廃棄処理し、
お腹の中にはほとんど噛まずに飲み込んだ食べ物でいっぱいになり、
それらは贅肉となり、メタボになっている ・・・ 。

そうなってしまったら、またそうならないためにはどうするのか、
まずは食事の量を減らすこと、
今までは口元まで他人にスプーンで持ってきてもらっていたものを、
自らの手で箸を使って口まで運び、よく噛み、しっかり消化する、
そしそこから得たエネルギーで自分の体を動かしていくということです。


いつもいつも、行くことのない講演会やセミナーの案内をたくさんもらい、
それを捨てるのに心を痛めているのですが、
やはり今は、本当に必要なものだけを残し、
不要なものをいかに削ぎ落とすこと。
そしてそこから得たものをいかに自身の血なり肉とし、
動いていくための力に換えていくのか、
それが求められているように感じます。

お金を支払って話を聴きに行き、
「支払った分の元を取ろう」と真剣に耳を傾けるのはいいことてす。
またそうならねばなりません。


素晴らしい解放の手法である「セドナメソッド」は、
自分にとって一生の宝物です。

ですが、国内で行われている有料のセミナーには、
今のところ参加する気持ちはまったくありません。
けれど多くの人がそこに参加し、
新たな人生を拓かれるのは素晴らしいことだと感じます。

セミナーの参加費はたぶん数万円といったところでしょう。
それだけ払えば真剣になるということとともに、
やはりモノでも知恵でも情報でも、
何らかのものを得たならば、それに対してお礼をするのは当然のことであり、
それが自然の理合いというものです。

無料で与えたものは、自分と相手、
その関係の中で循環し、渦を巻いて高まっていくことはできないのです。


これからはモノそのものよりも、
モノ、知恵、情報、そういったものとの関わり方に
価値が生まれる時代になってきます。

お金との関わり方、
身の回りのすべてのもの、それらとどう付き合っていくのか、
そこから大きな学びを得ていきます。

2017.9.6 Wednesday  
ひとつ前へ ホームへ メニューへ 次へ
Link Free
Copyright 2010 Sakai Nobuo All right reserved.