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2017年6月14日 ・・・ 読書への思い

ここ最近本を読みたいという思いが高まってきて、
毎日少しでも時間を取ってページを開くようにしています。

どの本も内容をしっかり自分の中に取り入れたいと思うので、
ラインマーカーで線を引き、大切な箇所は何度も読み返すようにしていて、
そんなにたくさんの本は読めません。
この一ヶ月間で読んだ本は12冊です。

ネットの書評を見るのが好きなので、
そこで評価の高い興味をそそりそうなものはジャンルを問わず入手していて、
今手元で順番待ちしている本もバラエティーに富んでいます。


もう十二年も前に、「読書について」というページを書きました。
それを読み返してみて、
その時と今と、読書に対する思いは変わっていないものの、
自分自身の内面が変化しているので、
読む本が変わってきていることを知りました。

そのページでも述べているように、
本を読んで己の内面を磨いていくということと、
食を通して身体の健康を維持するということは、
本質的に同じ構造を持っているものと思います。

けれど読書で目指すべき内面的成長は、
読み手のその時々の状態によって方向が大きく変わっていくものであり、
また本を読むことによって得られるもの、
食に例えるなら消化吸収していく力も、
その人の人生経験によって少しずつ変わっていくはずです。

自分のことで言うならば、
ここ三十年近く東洋というものを価値観の中心に置いてきて、
生命、すべての根底に流れる共通したもの、
そこに着目するような意識を持ち続けてきたので、
本もジャンルとは関係なく様々なものに興味を持ち、
そしてそれらを同じような思いで読めるようになりました。

逆にこれまで触れなかったものの方が、
そこから新たな知識を得ることにより、
今まで内面で培ってきた知恵がより研ぎ澄まされ、
シンプルになっていくように感じます。

東洋的生命の真理は、
深ければ深いほどシンプルです。
そしてそれを求めるために多くの情報や知識は役に立ちます。
それは己の価値観の中心軸が以前よりも定まり、
そういった多くのものに惑わされなくなったということでもあります。


今は心の中でそういったことを感じるので、
たくさんの本を読み、
いろんなものに触れてみたいという欲求が高まったのです。

それともうひとつは、自分自身の天命ということです。
これからの時代は女性性が尊ばれる時代です。
これは絶対に間違いのないことです。

けれどいくら女性性が優位になるといっても、
それで男性性が不要になるわけではありません。
太陰の中に小陽あり、太陽の中に小陰あり、
女性性と男性性、どちらが欠けても生命は生まれません。

自分は男性として生を受け、
知、理に長けた面があり、
これを今の時代に活かしていくことが己の天命と考え、
そのためには多くの知識を己の中に取り入れることが必要だと感じるのです。


どんなものでも絶対というものはありません。
読書もまたしかり、
本ばかり読むことで頭でっかちになってはいけません。
また情報を入れるばかりでアウトプットをしなければ、
肉体のメタボと同様、頭の中でよくない状態になる可能性もあります。

知識は活かしてこそはじめて知恵として昇華します。
ですから今読書する際に意識することは、
どんなジャンルのものでもポイントとなるべきものをしっかりとつかみ、
それを頭の中に入れること、
そしてそれをいつか役立てようと心がけることです。

いい本は何度でも読み返します。
その際にポイントとなるラインマーカーを引いた箇所は念入りにチェックします。

ラインマーカーを引く箇所は自分にとって大切なところです。
たぶん人に自分の本を見せたなら、
「なんでこんなところに線を引いているの?」
と思われるところが多々あるでしょう。
けれど別にいいのです。
他人に見せるために引いているのではないのですから。


いろんなジャンルの本を読むといっても、
特に興味あるテーマは以前から変わっていません。
例えば生命の実相を知りたいという思いから、
生命、性というものは、自分の中では絶対に外せないジャンルです。

先月は生殖医療に関する本を興味深く読みました。

生殖医療の衝撃 (講談社現代新書)生殖医療の衝撃 (講談社現代新書)
石原 理

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これもネットで評価が高かったので求めたものです。
性というのは生命の根源であるがゆえ、
今という時代の大きな変化を如実に反映しています。

性に関するものは生殖医療や遺伝子工学といったアカデミックなものだけではなく、
性風俗に関するルポルタージュにもとても興味を持っています。
どのようなものでも、いろんな角度から眺める方が実相をつかみやすいのです。

また人間の性という、主にミクロの世界で語られるものとは対極にある
宇宙論の世界にもとても興味を引かれます。
ここにもやはり生命のあり方、誕生の秘密を感じます。

数年前に読んだこの本は、
今再び読み返そうとウェイティングリストに入れています。

宇宙は本当にひとつなのか―最新宇宙論入門 (ブルーバックス)宇宙は本当にひとつなのか―最新宇宙論入門 (ブルーバックス)
村山 斉

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ネットにもいい情報はたくさんありますが、
ネットの情報は基本的に一過性のもの、そして短編です。
本として活字になったものとはその根本の部分から異なります。

ネットの情報よりも本の方が、
そこに書かれているものを受け入れる時、
より能動的な姿勢になれるように感じます。
情報のあふれている時代だからこそ、
この能動的姿勢というのはとても大切です。

それとこれはまだ上手く言葉にできないのですが、
知の礎がネットや本から得られるものだとするならば、
短編のネット情報は小石であり、
本の情報はより大きな石や岩に相当するように感じます。

大きなものを支える礎は、
たくさん小石を集めてきても安定しません。
やはりより大きな石や岩が必要です。
そしてそれらをしっかりと固めるもの、
それがすべてのものに通じる生命観なのだと考えます。


学生運動華やかりし数十年前、
『書を捨て町へ出よう』という本が世に出て話題となりました。

今は電車の中や町中を歩く多くの人がスマホにかじりつく時代です。
電車で座って本を広げている人を見ると少しホッとするほど
時代は大きく変わってしまいました。

利便性の伴った文明の大きな流れを変えることは容易ではありません。
そんな中、自分をしっかりと見つめるために、
しばしネットから目を離し、本のページをめくってみようと心がけています。

2017.6.14 Wednesday  
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