ヨガナンダ 心の時代のパイオニア
 ヨガナンダ > 日々の思い > 2012.10.20



ヨガナンダ



2012年10月20日 ・・・ 生命の循環

毎日毎日頭の中でいろんなことを考えています。
それが考えて結論の出ないことであったとしても、
ただ考えているだけで楽しいものであり、
深く心に刻むように自分に問い詰めていくと、
思わぬところからそれに関するヒントや答が与えられます。
それが潜在意識の働きであり想念の力です。

またいつも書いているように、
東洋的思考というものは、
基本的な法則さえ理解していれば、
後は身近な自然や生活体験を道具として、
いくらでもその思考の奥行きを深めていくことができます。

そんな中、最近深いテーマとして追い求めているものが二つあります。
どちらも小難しいものですが、
それをここに書いてみたいと思います。
まだ考えている途中ですので、明確な結論は出ていません。


ひとつは循環についてです。
循環は、共生、フラクタル(自己相似形)と並んで
時空の三大基本法則のひとつです。

形あるものすべては生々流転し、
命あるものはいつか必ず朽ち、
次代へと命のバトンを引き継いでいきます。

大宇宙でも人体でも、
生命はそれ自体が時の流れとともに移ろいゆく
ひとつの循環系であると捉えることができ、
命の誕生とは、その循環系の中から独立した新たな循環系が生まれることであり、
死とは、ひとつの循環系が崩壊し、大きな循環系に飲み込まれることであると
形容することができます。

渦を巻きながら循環する銀河系も生命体、
人生百年弱の天寿を全うする人間もまた生命体です。

お母さんの母胎という生命体から十月十日の時を経て、
母胎の中で独立したひとつの循環系を有する赤ん坊の生命が誕生し、
育まれていきます。

人でも動植物でも、命尽きた後は朽ち果て、土に還りまた海に戻り、
より大きな生命の循環系へと飲み込まれていきます。

このように生命、その誕生と死、
これらをすべて循環系の作用として捉えたならば、
その実相を容易に理解することができます。


ここまでは以前から考えていたことなのですが、
最近その次として、
古く朽ち果てた命から、それを糧として新しいまっさらな命が生まれるという
きわめて当然の事実に意識を傾けています。

燃え尽きた古い命が灰となり土となり、
そこから芽を吹き出す植物は、
古いものを糧としたからといって古い命ではありません。
新しく生まれてくる命はすべてがまっさらで新しいものです。

命が循環して引き継がれるというのは、
命という仕組みや概念であって、
老若のある肉体的生命ではないということです。

これはまったくもって当たり前過ぎることです。
そうでなければ、何十代、何百代とほぼ永遠に続く命の連鎖が途切れてしまいます。

けれど至極当たり前のことほど深い真理を含んでいて、
その仕組みを論理的に説明するのは難しいものです。


1996年、羊の乳腺細胞から完全なクーロンとして作られた羊、ドリーは、
ほ乳類としては世界初のクローン誕生であることから、
世界中で大きな話題となりました。
  <ドリー (羊) - Wikipedia>

けれどそのドリーは、誕生からわずか6年後に早すぎる死を迎えます。
その死に関するある解説によると、
「クローン技術によって新たな生命を誕生させることは可能だが、
 その人為的に受け継がれた命は、見た目はまっさらな命でも、
 そのクローン体である親の生命をそのまま引き継ぎ、
 親の余命分しか生きていくことができないのではないか」
と語られていました。

それが事実であるかどうかは分かりませんが、
生命のあまりにも精妙な仕組みを考えたならば、
そういうことがあっても不思議ではないと思われます。


生命の仕組みは偉大で精妙であり、
人智でそれを意図的に左右することは困難です。
けれどそのあまりにもすごすぎる生命が身近に数え切れないぐらい存在し、
その営みがまったく自然に当たり前のように行われているため、
私たちはその偉大さに気がつきません。

生命の最も基本的なところは深い真理を含んでいるため、
科学的に解析することは難しいのですが、
東洋の真理は、その生命の実相を解き明かす道筋を示してくれます。

前のページに引き続き、東洋の示す変わることのない “まこと” の
生命の真理を書きます。


宇宙の秩序 七つの原則
 @すべてのものは唯一なる無限から分離した。
 Aすべてのものは変化する。
 B対立するすべてのものは、相補的である。
 C同一のものはなに一つない。
 D表があれば、かならず裏がある。
 E表が大きければ、裏も大きい。
 F始めあるものには、終わりがある。

宇宙の十二の変化の法則
 @一なる無限は、永遠に変化する相補的、
  対立的な性質の「陰」と「陽」として現れる。
 A陰陽は、一なる無限である宇宙の永遠の運動の
  なかからたえず現れる。
 B陰は遠心的であり、陽は求心的である。
  陰と陽がたがいに作用してエネルギーと森羅万象を
  作り出す。
 C陰は陽をひきつけ、陽は陰をひきつける。
 D陰は陰をはねつけ、陽は陽をはねつける。
 E種々異なった割合で融合した陰陽は、
  それぞれ異なった現象を作り出す。
  現象の中でひきつけ(牽引)とはねつけ(排斥)の作用は、
  陰陽の力の差に比例する。
 Fすべての現象は無常であり、
  陰陽の力の構成はいつも変化している。
  陰は陽に、陽は陰に転ずる。
 G絶対的陰、あるいは絶対的陽であるものは、なに一つない。
  すべてのものは程度の差こそあれ両性あわせもっている。
 H完全に中立なものはなに一つない。
  どんなものでも陰か陽のどちらかが勝っている。
 I大陰は小陰をひきつけ、大陽は小陽をひきつける。
 J極陰は陽を生み出し、極陽は陰を生み出す。
 Kすべてのものの中心部は陽であり、表面は陰である。


この時空はエントロピーの法則によって支配され、
すべてのものは乱雑で無秩序な方向へと進んでいきます。
  <再生への道>

そんな中、限りある物質生命を用いて
半永久的な種としての命を引き継いでいけるのは、
上記「宇宙の十ニの変化の法則」Jにある
「極陰は陽を生み出し、極陽は陰を生み出す」
のお陰です。

陰は極まりて陽を生じ、陽は極まりて陰を生じます。
行き着くところまで行って朽ち果てた命は、
命の出発点である新たな命を創り出します。

この世は相対の世界です。
命を含むすべてのものは循環し、
その変化の過程は連続的です。

けれど死して土に還りまた新たな命を生み出していく、
その分子、原子的レベルでの変化は連続的でも、
命の在り方の変化は瞬間的に訪れる急激なものです。

大きく膨らんだ風船が一瞬で破裂するように、
常温で液体である水がある一定の温度を境として
固体の氷や気体の水蒸気に変化するが如くです。

死というひとつの極から対極である生の誕生への変化は、
その部分だけを捉えればエントロピーの法則に逆行する
無秩序から秩序への変化であり、
膨大なエネルギーを要する急変です。

もちろんより大きな生命の循環系で捉えれば、
エントロピーの法則は確実に遂行されてはいるものの、
ミクロ的な生命誕生のドラマの中においては、
それと逆行するものもあるということです。

大きな川の流れは変わらなくても、
その中に小さな淀みができ、
そこではほんのわずかなものでも、
下流から上流へと向かっていく流れがあるのと同じことです。

ですからこの時空間の流れとは、
秩序から無秩序へと向かってゆっくりと流れている大河の中で、
生命という循環、淀みが渦巻きながら生命の営みを繰り返して行く、
そういうものなのだと考えられます。


大木の枝葉のように方々へ思考を伸ばしているものを、
ひとつの文章の流れにするのは難しいですね ・・・ 。

ここで考えていることはたくさんあるのですが、
言いたいことをふたつに絞ります。

ひとつは、大河のように巨大な時空間の時間的流れ、空間的広がりは、
私たちの持つ有限の肉体感覚ではとうてい理解することができません。
理解することはできませんが、
身の回りの自然の在り方から、その全体の姿を推察することは可能です。

マクロの銀河宇宙、地上の動植物の生命、ミクロスケールの原子の構造、
すべてのものは渦を巻くように循環しています。
そしてそれらはすべてフラクタル(自己相似形)という法則に律せられ、
大きさ(スケール)、時空間という概念を超越してそれが成り立っているのですから、
我々の想像を超えたこの時空間全体の時間の流れもまた
渦を巻くように循環していると考えるのが自然だと思われます。

これを細かく説明しているとかなりの文章量を要します。
過去のページにそのことは随時述べていますのでここでは省略しますが、
想念の持つ時空間を越えていると思われる不思議な法則性を
たびたび実感するにつれ、
時間は過去から未来へ向かって一方向へ流れ、
自由に行き来できないものだとする考え方は不合理だと考えざる得ません。

すべてのものは循環している。
そのすべての中に時間もまた含まれる、
そう考えるのが自然です。


その時空間の不思議さ、
あるいは真相と表現するのが適切でしょうか、
それを体で感じ取り、本に書かれたのが、
惑星探索家としても有名な木内鶴彦さんです。

このホームページでも何度も紹介していますが、
木内さんが臨死体験した時に得時空の真相は、
私たちに限りなく大きな示唆を与えてくれるものです。

スピリチュアルというものに興味があり、
少しでも真理を知りたいと思われる方には、
木内さんの書かれたこの本は必読です。

生き方は星空が教えてくれる生き方は星空が教えてくれる
木内 鶴彦

サンマーク出版 2003-04
売り上げランキング : 7585

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

私のこの本は、人に貸しすぎてボロボロになりました。


もうひとつ感じるのは、
死から生に限らず、境界領域を越える時、
あるいはその境界領域では、
一瞬で大きなエネルギーが爆発し、
きわめて大きな力が働き、また生み出されるということです。
そのことは「ハイブリッドの効能」のところにも書きました。

風船が破裂する時、
雪山で雪崩が起こる時、
桜の花のつぼみが膨らみ開花を迎える時、
さなぎから蝶が羽化する時、・・・
境界領域を越える時には一瞬で大きな力を表出させ、
形態変化という大きな壁を乗り越えます。

これはまさに長い人類の歴史を歩んできた今の私たちの姿です。
きわめて大きな次代の変革期に差し掛かり、
今こそ大きなパワー、形態変化が求められています。

これは自然の流れの中で必然的に訪れた時期ですので、
これを先延ばしにすることはできません。

それを無理に先延ばしにすればするほど、
変化の様相はより急激になり、
それは人類にとってけっして幸せなことではありません。

今はこれまでの古い体制、価値観を朽ち果てさせ、
それを糧として新たなものを創出していく時であり、
それが永遠の生命を保つために与えられた唯一の生命のバトンです。

循環ということで、今はこんなことを日々考えています。
まだまとまっておらず、テーマが大きすぎるので、
取り留めのない書き方になりました。

もうひとつの考えていること、それは後日のページに書きましょう。

2012.10.20 Saturday  
ひとつ前へ ホームへ メニューへ 次へ
Link Free
Copyright 2010 Sakai Nobuo All right reserved.