治験
私は大の薬嫌い、
風邪をひいても薬は飲まず、
ケガをしても、病院でもらった化膿止めの薬は
袋ごとそのままゴミ箱に捨てるぐらいです。

そんな私ですが、今年の春、
たまたま縁あって新薬開発のための治験に参加し、
三ヶ月間、毎日市販前段階の新薬を飲み続けました。
いつも参加している異業種交流会で
治験をする「アークメディカルサポート」という
会社の人たちと懇意になり、
健康診断をすすめてもらいました。

きちんとした健康診断は長い間受けたことがありません。

検診代わりに定期的に献血をして、
そのデータで数字の推移をみるぐらいです。

治験のための健康診断は、かなり細かい検査までしていただけ、
しかも謝礼までいただけるとのことなので、
喜び勇んで受診させていただくことにしました。

きれいなビルのきれいな診療所、各種検査をしていただくと、
血圧が高いとのこと、
上が160近くあります。(☆o☆)

今から二十数年前、初めて健康保険に加入する際に、
健康診断を受けました。

忘れもしない真冬の寒い日でした。

家から寒風に耐えながらスクーターに乗って約20分、
凍える体で計った血圧、最高血圧がなんと180。

このままでは保険料が特別料金になると言われ、
後日再検査しました。

二度目の検査では血圧は正常範囲に収まり、
なんとか事なきを得ましたが、
それ以来血圧にはかなりシビアになり、
検査のたびに数字はしっかりとチェックし、
二十数年間、常に正常範囲に入っていることに
安心をしていたのです。

それがこの度の治験の検査で高血圧と診断され、
かなりショックを受けました。

血圧は毎日一定ということはありません。
日々様々な条件で変動をするものです。

その頃は心身ともに過労気味でかなり体調が悪く、
それが血圧の数字となってでたのかもしれません。

そして幸か不幸かその治験の健康診断、
新たに開発された市販前段階の高血圧症の新薬の
投薬ボランティアを募集するためのものだったのです。

「酒井さん、血圧が少し高いようですね。
 もしよかったら、投薬ボランティアに参加されませんか」

本来ならば絶対にお断りするところなのですが、
薬に対する恐怖心に、新しいものに対する好奇心が勝り、
何かの必然のご縁というものもあるのだと思い、
三ヶ月間、薬を飲むことにしました。

毎朝食後、決められた錠剤を一粒ずつ口にします。

三ヶ月の間、二週間に一回程度、定期健診を受けます。

薬の効果測定は、二重盲検法という厳密な方法で行われます。

投薬ボランティアは与えられる薬の種類によって
三つのグループに分けられます。

薬効成分10mg、薬効成分5mg、薬効成分なし、
自分がどの薬を飲んでいるのか知ることはできません。

定期健診をする医師の方も、薬の種別は知らされていません。

薬効成分のある薬を飲んでいるグループも、
三ヶ月の間、二週間だけ薬効成分のないものが
与えられます。

この方法によって、薬を飲む人間、医師による
思い込みによる効果、誤った判断を排除するということです。

素晴らしい方法ですね。
たしかに思い込みによるプラセボ効果というのは
大きいですので。

お陰さまで三ヶ月間の投薬期間を無事終了することができ、
なんだか前にも増して元気一杯になった気がしました。

「アークメディカルサポート」からはその後もいろいろと
楽しい行事の案内等をいただいております。

対応も丁寧、親切で、アフターフォローも万全です。

人体を使った新薬実験をする会社ですので、
きちんとした会社であることは最低条件ではありますが、
その点ではとても安心できます。

何度も健康診断を受けることができ、
薬についていろいろと考える機会を与えていただき、
自分としてはいい経験になったと考えています。

治験を行わなければならない新薬は次々とあるようです。

先日も新たな高血圧症の薬のための
投薬ボランティア募集ということで案内のお電話をいただき、
明日再び健康診断を受けに行くことになりました。

その時のことは明日ここでご報告いたします。(^^)/

2004.11.26 Friday



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