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奇跡のリンゴ


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インド行きは今回で六回目となりましたが、
これまでインドにまつわる奇跡としか思えないような出会いや導きの数々は、
それだけで一冊の本になるほどです。

今回のインド行きも、
これは偶然ではないということを示すサインがいくつもあり、
まったく迷うことなく日本を離れることができたのは幸いでした。

とは言え広いインド、初めてのカルナータカ州、
アジア協会という公益社団法人からの依頼を受けての渡印で、
現地にいる時は思うようにならないことも何度かあり、
「本当にここに来るべきだったのだろうか ・・・ 」
と戸惑ったこともありました。

けれどそんな時でも、
何か目に見えない存在が、
しっかりと励まして手を差し伸べてくれるのです。


学校に滞在していた三ヶ月半の間は、
ローフードを実践すべく、毎朝果物を食べることを日課としていました。

学校がある場所は周りにほとんど民家のない平原で、
果物は日曜日などに学校のスタッフとともに町に行って買い求め、
部屋の冷蔵庫にストックしておかなければなりません。

最初の一ヶ月間はほぼ毎日甘く熟したマンゴーを食べていたのですが、
雨期に入りマンゴーの季節が終わり、
リンゴ、オレンジ、バナナ等を組み合わせ、朝食のメニューとし、
特にリンゴはできるだけ毎日食べるようにしていました。

滞在して二ヶ月ぐらい経った頃でしょうか、
たまたま都合が悪く、日曜日に町に行くことができず、
新しい週が始まってから冷蔵庫の中が少しずつ寂しくなっていきました。

そしてある朝、とうとう最後の一個となったリンゴを食べ、
冷蔵庫の中の果物が完全になくなってしまいました。
手元の果物を食べ尽くしてしまったのはその時が初めてです。

その日の夕方、学校が終わり、
先生や子どもたちが村に帰るスクールバスに同乗しました。
スクールパスは最後学校に戻ってくるので、
時折乗せてもらうのです。



バスの中では子どもたちや先生が楽しく談笑し、
お菓子などを食べとても楽しい雰囲気です。

時には先生や子どもたちからお菓子のお裾分けをしてもらうことがあるのですが、
その日はプライマリースクールの校長先生が、
バッグの中に手を差し入れて、自分に向かって何かを差し出してくれました。

それを見てビックリ、その差し出してもらった手の中にはリンゴが乗っていたのです。
これまでお菓子やパンのようなものをもらったことはありましたが、
果物をいただくのは初めてです。


文字にすればただこれだけのことですが、
そのリンゴを受け取った時は、
曇り空に一気に光が差し込んできたような、
そんな明るい気持ちになれました。
自分にとっては喜びのサインに満ちた奇跡のリンゴです。

魂が望んでやって来たインド、
落ち込むことなく日々明るく過ごし、
もっと元気に己の役割をまっとうしなければならない、
そんな励ましのメッセージを受け取った思いでした。


今回もインドでたくさんのものを感じ取りました。
けれどインドにいる時は、それが何であるのかよく分からなかったのですが、
日本に戻り、以前と同じ生活を送るようになり、
インドで得たものの大きさを強く実感しています。

本当に申し訳ありません。
これは上手く言葉で言い表すことができません。
けれど今は身の周りで見るものすべてが新鮮に映ります。
自分の心、ものを見る目が、
また新たな視点に移行したことを感じます。

今最も強く胸に焼き付いているのは、
やはりあの貧しい暮らしをしながら明るく逞しく生きている子どもたちの姿です。



6年前、インドのホームを訪ねた時に感じた、
『吾(われ)唯(ただ)足るを知る』、
心の豊かさと物質的豊かさとは関わりがなく、
どんなに貧しい暮らしをしていても心豊かに暮らすことができる、
このことが、今回もより深く心に刻まれ、
ひとつの臨界的に到達することができました。

それに気づいたのが、先に書いた
飛行場ですべての貴重品が入ったパックが行方不明になった時です。

今生きている、ただ生きていることそのもの、
これが喜びのベースであり、
ここに最も大切なものすべてが詰っている、
そのことを、インドの子どもたちは強く心に刻み込んでくれました。

今はあの子たちの笑顔が胸の中で鮮やかに息づいていて、
それが心の支えであり、行動の指針となっています。

これからいろんな思いが言葉になり、形になってくるでしょうが、
それまでは少し時間が必要です。


インドにいる時に、
派遣してくださったアジア協会向けにいくつかのレポートを書きました。
それはこのホームページにアップするつもりではなかったのですが、
これを読んでいただければ、
自分が三ヶ月半いた南インド カルナータカ州 ビジャプールという町、
コスモニケタンの学校内外の様子がよく分かります。


コスモニケタンで触れ合い、貧しくても逞しく生き、
喜びにあふれた子どもたちは幸せです。
けれどレポートにもあるように、
インドの貧しい地域では、学校に行くことができず、
幼い頃から労働に従事しなければならない子どもたちがたくさんいます。

そんな子どもたちに学校に通えるようにし、
笑顔を取り戻さなければなりません。

アジア協会では、アジア各国の貧しい子どもたちが幸せに暮らすことができるよう、
各地で学校の建設・運営、井戸の建設等を行っています。
是非ともホームページをご覧いただき、
皆様方の支援の手を差し伸べていただければ幸いです。
  <JAFS | 公益社団法人アジア協会アジア友の会>





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