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ヨガナンダ



2018年2月26日 ・・・ 成長する喜び

人間誰しも若い頃は好奇心旺盛で、
新しいものを見たり、知ったり、経験したり、
様々なことに意欲を燃やし、
少しずつ自分が成長していくことに大いなる喜びを見いだすものです。

それが少しずつ歳を取るに従って現状維持にのみ意識が向くようになり、
また新たなことにチャレンジする機会も減り、
若い頃のように、一歩ずつ自分が成長していくという
自己発見の喜びを見つけにくくなります。


自分は幸いにして精神年齢が幼いためか、
今でも子どもと同じように新しいものにすごく興味を持ち、
今身近にあるものでも、それをいかにしたらよりよく活かせるのか、
そんなことがいつも頭の中で考えています。

高校時代、初めてギターに触れ、
お気に入りの曲のワンフレーズが弾けた時は、
まさに天にも昇らんばかりの喜びでした。

大学生の頃、家にあったピアノを適当に弾いていたら面白くなり、
自己流の練習で両手で演奏できるようになった時は、
新たな可能性を発見できたことにとても興奮を覚えました。

楽器を弾く人なら誰しもこんな思い出があると思います。
けれど少しずつ演奏技術が向上していっても、
いつしか楽器に触れることに喜びを見いだせなくなり、
手元から離れていくというのが普通のパターンです。

自分も今は環境が変って楽器が手元からなくなってしまいましたが、
若い頃楽器に触れていた喜びは鮮明に頭に残っていて、
今もあの頃と変わらず演奏する喜びを味わえます。

いつしか再び楽器と毎日触れ合える生活がしたい、
今もその思いが強くあり、
手帳に挟み込んでいる夢の一覧表には、
最近経営不振だとニュースになったギブソンのレスポール(エレキ)と
ヤマハのエレキピアノの写真を貼っています。


元々何事にも熱中するタイプで、
以前オーディオに熱を上げていた頃は、
それこそ一日中ステレオのことを考え、
どう改造すれば音がよくなるか真剣に頭をひねり、
家に帰り着くやいなやステレオをバラしたりしていました。

新たなものと出合うことも好きですが、
今あるものを工夫してよりよくすることが大好きで、
趣味性の強い、いわゆるマニアックな性質なのです。


いくつになっても「成長する喜び」を感じていたいと願う自らの性質は、
誇るべき特質だと考えています。

この成長する喜びは向上心と似ていますが、
自分の中では少し定義が異なります。
向上心とは、何か定まった目標とか、
世間が認知するものに向かう前向きな姿勢といったイメージがあり、
これは思考と関連のあるものと感じます。

それに対して成長する喜びはもっと漠然としたもの、
生理的、感情的なもので、
損得関係のない世界です。

自分は倫理的、義務的なものに沿うのが苦手な自由人で、
社会的評価につながることに対する向上心には欠けますが、
自分の持つ可能性をもっと発揮したいという思いは人一倍強く持っています。


ではなぜ自分がそんな成長する喜びを強く持っているのかを考えてみると、
言葉では説明しにくいものの、
二つのことがあるように思います。

ひとつは気持ちが若いということ、
もうひとつは人間の持つ無限の可能性を強く信じているということです。


生命(いのち)というものは何かと考えると、
ひとつは肉体としての有限の生命、
もうひとつは輪廻を繰り返す魂としての永遠の生命です。

有限の肉体生命は誰しも感じ取ることができますが、
永遠の存在である魂の捉え方は人様々です。

自分は幸いにしてこれまでの経験から魂の永遠性を知ることができ、
生命というものを有限であり一過性であるこの肉体に見るよりも、
魂の中に感じ取る方がはるかに大きく、
現在の肉体年齢がいくつであるのかという意識が乏しいのです。

また加齢による老化の問題も、
その人の意識が大いに関係するものと考え、
一般的な人が持つような不安はほとんどありません。

随分昔に読んだ精神世界の名著「ヒマラヤ聖者の生活探究」では、
ヒマラヤに暮らす聖者の様子が詳細に描かれています。
聖者とは輪廻の鎖から解き放たれた、つまり解脱した人のことで、
肉体を持ちながらも、
その肉体が永遠に滅びることのない不老不死を実現した人たちです。

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不老不死の聖者は、老化し、死を迎える人間についてこう語ります。
「人間の持つ潜在意識の奥には、
 肉体は老い衰え、いつか死を迎えるという深い信念を持っていて、
 それを持つがゆえ、その思いの通りに老いて死を迎えるのです」

この言葉を読んだ時、人間の持つ意識は肉体の生死をもコントロールする
偉大な力を持つのだということに驚くと同時に、
またこの力を用いたならば、
人生をもっと豊かに過ごせるだろうという明るい希望を持ちました。


人間の持つ本当の生命である魂は永遠です。
そしてその魂の持つ力、可能性をどこまで信じられるのか、
それが人生のあり方を大きく変えるものだと信じます。

人間はいくつになっても成長し、
その可能性を大きく花開かせることができます。
そしてそれを可能にするのが自らの思いです。

その思いに制約をつけ、
『心の牢獄』に閉じ込めてしまっても何も得することはありません。

サミュエル・ウルマンの有名な言葉です。
『青春とは人生のある時期ではなく、 心の持ち方を言う』
青春は永遠です。


「ヒマラヤ聖者の生活探究」をYouTubeで検索した中の一本です。
この女性の語りは耳と心にとても心地よく、癒やされるのを感じます。
「ヒマラヤ聖者の生活探究」を再読したくなりました。



2018.2.26 Monday  
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