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2018年2月27日 ・・・ 有言実行

昨日ご紹介した「ヒマラヤ聖者の生活探究」を朗読しているこの女性の声、
とっていいですね。



何がいいんだろうと考えても言葉が見つかりません。
ただ心地いい、心がそう感じます。


音というのは空気の振動です。
それ以上のことは今の物理学で計ることはできませんが、
音のその奥には、
人間の心に直接訴えてくる何があるのだと感じます。

東京医科歯科大学の角田忠信名誉教授の研究によると、
日本語を母語として育った人間は、
虫の音、動物の鳴き声、波、風、雨の音、小川のせせらぎといった自然音を
言語と同じ左脳で捉えるとのことです。
  (ポリネシア人も同じだそうです)

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しかもその音を一瞬のパルス音として聴かせ、
顕在意識ではまったく何の音か判断がつけられなくても、
脳はそれをキチンと聞き分けているのです。

美空ひばりのような偉大な歌手の歌声は、
最初の一声だけで人の心を震わします。

これまで音や音楽と様々な形で触れ合ってきて、
音というのは単なる空気振動ではなく、
人の心で感じ取ることのできる様々な情報が含まれていることを感じます。


人間の耳は、
人間の声を最も敏感に聞き取ることができるようになっています。

四十年以上前に亡くなられた霊的哲人
高橋信次先生の声を初めて聴いたのは、
今から三十年ほど前のことです。

誰かからもらったカセットでその声を聞き、
信念あふれる力強い声の響きと深みに圧倒されてしまいました。

今はYouTubeでその貴重な音声を耳にすることができます。



今も高橋信次先生の教えを信奉する方は多方面におられ、
その影響力は衰えることがありません。

けれど釈迦の生まれ変わりとされる高橋信次先生の話されることは
神仏、霊界に関することで、宗教であり、
これを信じられない、受け入れられないという方がいるのは
致し方ありません。

自分は高橋信次先生の信者ではありませんが、
その伝えられるメッセージには深い真理が含まれていると感じます。

それと何よりその声に、深い真理の響きを感じるのです。
男性的な力強さと叡智、女性的な深い慈愛、
この両極を高い次元で併せ持っておられる声の響きです。

人間の声は全身を震わせながら発せられ、
声を聞くと、その人の身体の状態がよく分かります。

高橋信次先生は腹(肚、はら)を起点として
身体の中心軸全体に力が漲り、
どこ欠けることなくすべてがバランスよく整っています。

話される内容以前にその声をお聞きしただけで、
自分の魂が優しく包まれ、震えてくるのを感じます。


ヨガの世界では、宇宙はオーム(AUM)という
音によって始まったとされていて、
オームは宇宙根源のマントラ(真言)です。

インドでは、このオームという文字を、
神具やポスターなど至る所で目にします。



オームのオーは開く音で陰、ムは閉じる音で陽、
オームとは陰陽であり、時空の基本原理です。

残念ながら、オウム真理教によってそのオーム(オウム)の響きは
汚されてしまいましたが、
これは決して怪しい呪文などではありません。


宇宙は音によって始まり、
音によって概念、意志、意識というものを発達させてきました。

概念、意志、意識、これは精神性で陰であり、
この対極にあるものが陽である行動です。

これまで日本では、
行動しながらも口を閉ざす『不言実行』を美徳としてきました。
これは日本が同質社会の要素が極めて高く、
自らをアピールすることをよしとしない空気があったのと、
みな似通った価値観、行動規範を持っていたので、
わざわざ口に出さなくても思いが通じたということです

けれどこれから、そして今現在もすでに激変の時代を迎え、
価値観を同質化することではなく、
多様性を重んじ、自らの個性を発揮させなくてはならない時代です。

この時代を生き抜き、乗り越えていき、
そしてまったく新しいものを生み出していくためには、
陰陽相和した力、『有言実行』が求められています。

今は誰しもがネットを通して世界中に自分の思いを発信できる時代です。
自分がこのホームページに文章を書く目的は、
有言することにより、実行せざるえない状態に自分を追い込むことです。

また有言したその言葉の力を借り、
実行がよりし易くなるといった面もあります。

言葉と行動、これは合い互いに助け合い、
互いの力を高め合える関係です。


これからは東洋の時代、日本の時代、
これから日本が、世界の真のリーダとしてその役割を果たしていくためには、
言霊(ことだま)の国日本の、
その言霊の力を生かしていかなければなりません。

日本語には、これからの新しい文化を牽引するだけの力を持っています。
だからこそ、日本語を母語として育った人は、
自然を論理の一環として同化させる脳の働きを持つようになるのです。

西洋は『はじめに言葉ありき』、
東洋は『はじめに心ありき』、
この二つを同化されることができるのは、日本、日本語の力だけです。

有言実行、
日本語の言霊の力で、己の行動を実りあるものにしていきましょう。


時には素晴らしいオームの響きに身を浸してみてください。



2018.2.27 Tuesday  
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