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ヨガナンダ



2018年2月7日 ・・・ 循環と軸

この時空にあるものはすべて何かとの関係性を持った相対物であり、
唯一の存在として永遠に形を変えない絶対的なものは
何ひとつありません。

すべてのものは時とともに移ろい、形を変えていきます。
お釈迦様はそれを『諸行無常』と説かれました。


その形を変えていく方向はどこか一方ではなく、
行きつ戻りつ、季節か四季を延々と繰り返すように環となり、渦となり、
それに時間軸を加えるとらせんとなり、
美しくも規則正しい循環のリズムを描いています。

この時空には無数の渦、らせんが存在します。
渦を巻く銀河、原子核と電子の関係、食物連鎖、・・・
人体の構成要素もまたねじれ、渦巻きだらけです。
頭のつむじ、指紋、ねじれた筋肉組織、腸、脳、大脳を結ぶ脳梁、
耳の奥の三半規管、・・・
何より遺伝情報を司る遺伝子DNAが陰陽相対関係の二重らせん構造です。

かように渦、らせんだらけの時空の中で、
138億年前、この宇宙が誕生したビックバン以来、
宇宙空間はただ広がる一方です。
  (ですからこの時空は膨張、陰性優位です)

そしてもうひとつ、熱力学の第二法則、エントロピーの法則も、
乱雑さの総体は時間の推移とともに増す一方で、
宇宙は乱雑、無秩序な方向へと突き進んでいます。

これはあくまでも想像することしかできませんが、
この宇宙の膨張はいつかゆるやかにストップし、
その後は収縮に転じ、時間の流れ、
エントロピーの法則も逆転するのではないかと思ったりします。

きっといつか人類が、不可逆で一元的だと思われている
時間の流れの真理を見つけた時には、
その謎も解明されるのではないでしょうか。


この大宇宙の縮図でありミクロコスモス(小宇宙)である人間も、
循環のリズムに則って暮らしています。
社会的には四季折々の行事の中で生活を営み、
一日24時間サイクルの中で就寝、起床を繰り返しています。

人体の中では血液やリンパ液が循環し、
食物が腸管の中を通り過ぎるとともに細胞も新陳代謝を繰り返し、
人体を構成する細胞は、
数年でまったく別のものと入れ替わってしまうと言われています。

数年前の自分と今の自分とでは、
細胞レベルで見るとまったく別の存在というのは何とも奇妙です。


ここからは心のあり方、生き方ということですが、
そんな循環という時空の大原則の下で生きる人間も、
時とともに周りの環境の変化、自身の成長に合わせ、
その生き方に変化が現れてくるのは自然なことです。
また変らなければ、頑固、偏屈、頑なということになりかねません。

ここで思うのが、その変わりゆく環境の中で、
自分自身しっかりと変えずに守り続けなければならないことと、
どんどんと流れに沿って変容していくべきものと、
その兼ね合いをどうすべきかということです。

これは特別意識して区切っていることではありませんが、
自分の中にも長年大切に守っているものと、
新しいものを取り入れて変えていっているもの、
この両方の部分が併存しています。

人体の細胞が数年で入れ替わると言っても、
五体の構成や内臓の役割が以前と変化するわけではありません。
それと同じように、特に体に対する作法、
呼吸法やお風呂での体への声がけ、亀の子だわし、半身浴、
水に感謝の言葉をかけて飲む、・・・
こういったことは、
長いもので三十年以上、短いものでも数年の間、
休むことなく続けています。
数えてみると、こういった習慣がかなりの数あります。

これは自分の生き方、日々の生活の軸となるものです。
今は情報過多であり、時代の流れが急速であるがゆえ、
それに流されない自分の軸となるものが大切です。

けれどいいと思えるものがすべて長期間継続して
行えているかというとそうではありません。
このホームページで提言、ご紹介しているものだけでもかなりの数です。
それらはすべて自分自身でいいと感じたものばかりですが、
それらを常に日々継続して行うのはとても困難です。


自分が出合ったもの、いいと感じたもの、
それらはひとつひとつ大切にしていきたいと考えています。

その中には自分の生き方、生活習慣として定着するものもあれば、
自然と離れていくものもあります。
けれど離れていったものでも、捨ててしまったわけではなく、
潜在意識のポケットの中に入れ、
いつか再び出合いの時があればという意識は常に持っています。

今自分の中でとても大切にしているセドナメソッド、アドラー心理学も、
最初の本を一冊読み終えるのに三年ほどかかりました。
それは自分の中で、そこに書かれているものを
受け入れる体勢ができるのを待っていたのだとも言えます。


いいと思えても日々実践できないものは、
例えるならば、太陽の周りを回る小惑星のような存在です。
時に太陽から遠く位置していても、
ある時突然太陽のすぐ近くを通過することもあるのです。

このホームページでコーナーまで設けて絶賛した
「今すぐ人生を変える 簡単な6つの方法」も、
いいとは分かっていてもなかなかその手法を実践できず、
恐れを箱に入れて爆発させる手法はセドナメソッドと併用しながらも、
他の手法は特に実践することなく何年かが過ぎていました。
  <今すぐ人生を変える 簡単な6つの方法>

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ところがここ一二ヶ月ほど前からなぜかこの本のことが気にかかり、
昨日から今日にかけて再び読み返し、
その手法のすべてを実践し、
以前読んだ時とはまた違った感慨を抱き、
この本の素晴らしさをあらためて実感しました。

本当に必要なものは、
また必要とした時に出合うのだということを深く感じています。

またそういう出合いを得られるよう、
自然に則り、自分に素直な生き方をしていかなければなりません。

循環のよさは、時を経て同じものに触れることにより、
以前の自分と今の自分との変化がよく分かります。
同じ箇所を読んでも以前とは感じ方が異なり、
そこから今の自分の心のあり方が感じ取れます。


そういったものすべてを大きく振り返ってみると、
自分の軸となっているものも含め、
やはりすべては循環なのだと思います。

日常生活に定着し、自分の軸となっているものは、
自分のごく近いところを循環しているものです。
例えばもう三十年以上続けている呼吸法も、
最初は西野流呼吸法からはじまって
その時々でやり方を大きく変えてきました。
外の形は変らなくても、その中味は変化しています。

静かに瞑想している僧の体内でも、
循環系はその営みを休むことはなく、
原子の中では無数の電子が激しく飛び交っています。
生命の循環は止まることがありません。

循環は、軌道が一箇所に小さく定まっているか、
大きく軌道を描いているかの違いです。


大きな軌道を描き、
今の自分から遠く離れているものも多くありますが、
いつかまたそれらと最適なタイミングで出合う時があると信じ、
またそう願っています。

ただそれらがすべて“宇宙ゴミ”とならないよう、
それらの数をただ増やしていくだけではなく、
出合うものを選び、増やすのではなく深める方向でいくことを心がけています。

そのためにも自分の軸となるものが必要です。
それを支えるのが己の志でしょうか。

2018.2.7 Wednesday  
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