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春を迎えて

全国的に寒さの厳しかった冬もようやく終わりを告げ、
いよいよ待望の春を迎えようとしています。

『春の語源は “発る” 、物事がはじまる季節です』、
この言葉が好きで、数年前からいろんな人に送るメールや手紙に
この言葉を書いています。

日本では4月が新入学のシーズン、
雪国の雪が溶け、長い間雪の下に埋もれていた地表が顔をのぞかせます。
緑も少しずつ活気づき、新芽が萌え、梅、桃、桜、様々な花が咲き乱れ、
動植物が生き生きと活動をはじめます。

春はまさにはじまりと呼ぶにふさわしい季節です。

けれども物事の本質を深く考えてみると、
これはあくまでもひとつの見方に過ぎません。
別の角度から眺めると、また他の捉え方もあるのです。


歴史をひとつの生命現象と捉える文明法則史学によって、
東西の歴史の興亡は1600年サイクルであるということが明らかになりました。



人間の生命情報を司る遺伝子DNAと同様に、
東西の文明サイクルも二重らせんを描き、
東西文明両極が互いに相反する形できれいな形を作っています。

けれど上の図を見ていただいて分かるように、
二本の線は互いに交わることがありません。
切れ切れになった1600年の長さを持つ曲線が複数集まり、
全体として二重らせんを形成しています。

衰退期を迎える文明は、
地域紛争や民族大移動といった大きな文明の崩壊を経て、
いったん途切れるような形で、
これから繁栄を迎える文明へと覇権をバトンタッチしていきます。

今は西洋文明が衰退し、東洋文明がその真価を発揮していく時です。
そして過去の歴史と同様に、
世界的に民族紛争が多発し、旧来の体制が持つ闇の部分が露呈され、
新たな体制へと移行するとともに、
世界的規模での難民の発生が起こってきています。


歴史の持つサイクルは、東西を極とする1600年ですが、
季節のサイクルは、南北半球を極とする1年サイクルです。
それを示したのが下の図です。



この図が示すように、
文明が衰退期を迎え、いったん崩壊していく時期というのは、
季節でいうと11月末の秋の終わりにあたります。 (北半球の見方として)

この時期は、落葉樹が紅葉を終え葉が落ちていく時であり、
渡り鳥が新たな地を求めて飛び立ち、
冬眠する動物や昆虫が巣や土の中に入る時です。

そしてそれから続く厳しい冬の間、
植物は芽吹く春に備えて土の中でしっかりと根を張り、
冬眠する動物や昆虫は、来たるべき春を夢見てエネルギー消費を抑えて
生命を維持していきます。

いったん秋の終わりに盛んな活動を終えた動植物は、
冬の間にしっかりと英気を養い、じっと堪え忍び、
その期間があるからこそ、暖かくなってきた春に活動をスタートさせることができます。


目に見える陽の世界では、
芽が地表から顔をのぞかせ、動植物が生き生きと活動をしはじめる春が
はじまりの季節ですが、
目に見えない陰の世界では、
いったん活動を停止した後、裏の世界で準備を進めていく冬が、
本当の意味での活動のはじまる季節と表現することができます。

上の図を見ていただいて分かる通り、
歴史も季節の推移も、冬のはじまりからスタートした一本の線を描いています。

私たち日本人は、東洋的陰の精神を根底に持ち、
目に見えない陰の役割をしっかりと捉えていました。

人の年齢を数える時、
陽の見方では、母親の産道を通過した時を生命の誕生と捉え、
満年齢で歳を数えますが、
陰の見方では、母親が受胎した時を生命誕生の瞬間と捉え、
生まれた時を一歳とする数え年で用いていました。

昔は日本やアジアの国々で数え年が一般的だったというのは、
それだけ敬虔な面もちで生命の本質を捉えていたからだと思われます。


今述べたことを対比表にしてみます。

   陰 陽 
 季節 冬春夏秋  春夏秋冬 
 活動 準備期間が
活動のスタート
表に現れた時が
活動のスタート
 生命の誕生 受胎した時 産道を通過した時

今はきわめて大きな時代の転換期、
だからこそ、ビックバンによって誕生したこの時空間では、
陰性優位の陰陽の理によって、
新たな大いなる陰の時代を迎えます。
  <原初の理>

陰の時代は心、精神の時代であり、
目に見えないものの価値を尊ぶ時代です。

暖かく心躍る春を迎え、
その準備期間であった冬の尊さを感じながら、
春の有り難さを胸いっぱいに受け止めたいと思います。

2012.3.3 Saturday  
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