我が魂の遍歴と新しい時代の理
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原初の理

今は800年に一度の文明の大きな転換期で、これから東洋の時代になることは史実からも明らかです。
けれども実際はもっと大きな、何千年、何万年に一度の巨大転換期であるかもしれません。
これは誰しもが体で感じていることではないでしょうか。

確実に検証できている訳ではありませんが、1600年周期の文明サイクル四つが合わさった
6400年サイクル、これがひとつの大きな波であるという見方があります。
東洋思想の基本は陰陽と五行説、この五行は木火土金水(もっかどごんすい)、五つの物質で構成されています。
この五行が6400年ごとに順番に時代の理を反映し、12800年前に土の時代が始まり、6400年前に金属の時代がスタートし、今この時代の転換期は、水の時代の幕開けだという説です。

たしかに、これまでは金属のように何事もきちんと形を決め、国、組織、規則、戒律というもので物事を運営し、私たち自身を律してきましたが、これからは水のようにしなやかに、自由に、そして形に囚われずにというのは、理に適っているように感じます。

西洋占星術では、25800年周期で一回りする黄道周期を12星座の支配下に分け、これまで二千年以上魚座(双魚宮)の支配下であった地球は、今少しずつ水瓶座(宝瓶宮)の元に移行しつつあると考えられています。
これまでの魚座の時代は、競争、対立、派閥を象徴とする物質文明の時代、これからの水瓶座の時代は、やはりキーワードは水であり、物質と精神、宗教と科学等あらゆるものが統合する時代だと言われています。

硬い金属から形を持たない水、物質から精神、・・・すべての変化は陽性から陰性への移行を示し、今は東西1600年周期の文明波だけではなく、その他もっと大きなスパンの波も一斉に転換期を迎え、それらすべてが歩調を合わせるように陽から陰へ向って歩みを進めているようです。


私たち人類が生まれて約20万年、長い歴史において、ほんの数千年前に文明というものが芽生え、ここ数百年で急激にその文明を発達させ、ついには自らの手で人類の命脈を絶つことすらできるほど力をつけ、地球環境にも大きな影響を与えるようになってきました。

やはり今は有史以来人類がかって経験をしたことがないほどの巨大な文明転換期なのでしょう。
そして文明の転換期であると同時に、人類存亡を懸けたターニングポイントです。

この巨大な転換期、まったくすべてがリセットされて生まれ変わろうとしているこの時期に、新たに勃興してくる文明は東洋であり陰です。
このことはとても大きな意味を持っています。 東洋の陰陽説は、陰陽であり、陽陰ではありません。
これは陰陽が順序の理を踏まえたものであり、陰(女)が先で、その後に陽(男)が来るということを示しています。

このことは科学の分野でも立証されています。
分子生物学、発生学において、生物の基本は女であり、男はその派生系であるというのは常識です。
男性性器ペニスは、女性性器クリトリスが変形したものだと考えられています。
受精卵は最初女性になるべく分化(細胞がそれぞれの役割を持つこと)し、女性はそのまま分化を続け、男性は途中で男性化遺伝子であるSRY遺伝子の働きによって男性へと分化していくのです。

理に長けた男性は、形あるものを発展させていく能力に優れています。
感性に優れ、子を宿す性である女性は、無から有を創造する力を持っています。

これまでの価値観、体制が大きく崩れ、まったく新たな世界が生まれようとしている今この時は、無から有を生み、原初の理を持った陰の力が必要です。
そしてそれが形作られた後は、それを更に発展させていく陽の役割が重要となってきます。
そしてこのサイクルを繰り返すことにより、陰と陽の二重らせんが渦を巻きながら上昇し、歴史を含めた生命は進化を続けてきたのです。


ではなぜ陰が原初の理なのか。
理由はきわめて簡単です。
それは私たちのいるこの宇宙そのものが今現在、陰の状態だからです。

宇宙は今から137億年前、ビッグバンという大爆発によって生まれ、遠い星々は今も赤方偏位を示し、現在も膨張し続けていることを裏付けています。
爆発、膨張、外に向って拡張していくのは陰の性質です。
陰で始まり、今も陰性であり続けている宇宙空間においては、陰が原初の理であることは必然的事実です。


ビッグバン、膨張、原初の理を持ち、陰なる女性の身体には、その特徴がよく現れています。
女性の生殖器は、膨張の理を受け、膣、子宮、卵管、卵巣に至る道筋が、地から天に向かって噴水のように噴き上げる形を描いています。
女性性の象徴である豊かな胸も、同様のエネルギーを受けています。

陰の理を示す女性の体   卵子と精子

巨大(陰性)な細胞である卵子は、精子と結びつき受精卵となり、新たなる生命誕生に向けて、
ビッグバンのように大きく成長を続けていきます。


この宇宙空間を満たすものは、陰陽が共生し、循環し、生命の基本構造である二重らせん構造を持ったり、銀河系のように渦を巻いたりしています。
このことは宇宙空間自体も陰陽共生した理があり、いつしか膨張しきった状態から収縮に転ずる時が来るということを示しています。

陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる。
伸びきったバネは、縮もうとする強い力が働きます。
ボールを床に思いっきりぶつけると、その勢いのまま上に跳ね返ってきます。

いつの日か膨張しきって収縮に転ずる時の宇宙は、価値観どころではない、たぶん時間を含めたすべての物理現象が逆転し、陰陽の理も、その瞬間から陽陰の理となるでしょう。

宇宙の始まりはビッグバン

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