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つながりという真理

二十数年前、NHKで「誕生」というドキュメント番組を放送していました。
その番組の舞台となっているのは神戸のパルモア病院というところで、
そこで当時院長をしておられた三宅廉先生は、
日本で初めて周産期医療に取り組まれた医師であります。

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人間が母親の胎内に生を宿し、そこで十ヶ月間成長し、
赤ん坊として外の世界に出てくるまで、
その間最も大きな試練となるのは出産の前後である周産期ですが、
医療の世界では、そのお産の前と後とでは、
産科と小児科という別の診療科目に別れていて、
周産期をトータルにサポートするという体制はとられていませんでした。

これは生まれてくる赤ちゃんにとってはとても不幸なことであり、
その問題にメスを入れ、
妊娠から出産、子どもの成長までも一貫してケアしていく周産期医療に
生涯を捧げられたのがパルモア病院の三宅廉先生です。

三宅先生の功績により、
現在周産期医療の重要性は広く知られるようになっています。

以前懇意にしていたサンクリニックの山縣威日先生も
周産期医療に取り組む産婦人科医で、
知り合って間もない平成元年に、私から山縣先生に、
「これはとってもいいビデオです」と言って、
「誕生」のビデオをお渡ししたことがあります。

すると先生は、
「実は私はこのパルモア病院に以前勤務していたのですよ」
と言われました。
三宅先生はもう亡くなられてしまいましたが、
その思いを継いでおられる山縣先生も、
とても真摯な愛にあふれた素敵な先生です。


西洋医学を含めた科学というものは、
個を深く掘り下げることによってそこにある原理・原則を探究しようとします。

物事を細かく分けて分析し、
部分の特性、それと他との違いを明確にすることは得意でも、
その部分と他の周りのものとの関係性を調べることは苦手です。

これは科学というミクロ的、西洋的、部分的思考の特質であり、
陰陽でいうならば、そのひとつの極である陽の特質でもあります。

これはひとつの大切な要素であり、
これ自体に善悪はないのですが、
このひとつの極である科学というものを、
“すべて” だと捉えてしまうと、大きな間違いを犯すことになります。


この時空にあるすべてのものは時とともに移ろっています。
生々流転、諸行無常は世の常です。

陰と陽の関係も同じで、どちらも大切な要素であることには変わりはないのですが、
これまでの陽、西洋、個、科学中心だった価値観が、
今という時代の大転換期を経て、
陰、東洋、全体、統合的生命観へと移行しようとしています。

周産期医療への着目というのも、
この統合的生命観への移行の表れです。


ワンネス、すべてのものはつながっている、
この「魔法のメガネ」という統合的生命観で物事を観ていくと、
すべての根底に流れている原理・原則という真理が
面白いぐらいによく見えてきます。

つながりというのは時空を超えています。
さきの周産期医療は、時間軸における前後でのつながりですが、
同じ二重らせんという形のつながりを持つ遺伝子DNAと
文明法則史学の東西両文明が描く文明の興亡図は、
座標軸を異にした時空の概念を超えたものです。





大きさを超えたつながりでは、
原子核の周りを回る電子、恒星の周りを回る惑星群、
銀河と渦潮の形などが明確です。








これらの時空を超えた世界でのつながりを示す共通した性質、形という
フラクタル(自己相似形)については、
これまで何度もこのホームページに書いてきましたが、
時代が進み、陰の時代へとより深く入っていくにしたがい、
様々なところで、
このフラクタル性(つながり)がより明確に現われるようになってきています。

最近は宇宙論の研究が進んでいて、
新たな事実が数多く明らかになってきていると聞き、
それを知るべく、今人気のブルーバックスの本を買い、現在読んでいます。

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最新の宇宙論によると、
宇宙全体は、目に見えない、原子として捉えることのできない暗黒物質、
暗黒エネルギーがその大部分を占めているということが分かってきました。

私が宇宙論に興味を持つのは、
宇宙のことだけに関心を寄せているからではありません。
すべてのものはつながっています。
銀河と原子の形が似ていることでも分かるように、
宇宙を知ることは、その対極にある超ミクロの世界を知ることに通じ、
またそこに現われている原理・原則は、
私たちの身近なところにもきっと役立つであろうと信じるからです。

宇宙の暗黒物質、暗黒エネルギーとはどんなものなのでしょう。
それは原子、素粒子の世界ではどのような形で現われているのでしょう。
そしてその存在、概念は、
私たちの身近なところでどのように活かしていくことができるのでしょうか。

つながりというのはエンドレスです。
たとえそれが宇宙論や量子力学における発見であっても、
必ず身近な実生活に応用できるものであるはずです。

そしてそれは、身の回りの自然の様相を深い目で観察していけば、
必ずそれを活かしていくためのヒントが得られるはずです。

私の個人的趣味の世界でいうならば、
音の世界は、この時空の原理・原則というものを、
如実に音の変化として現わしてきます。
  <音に関するエトセトラ>

傲慢な言い方かもしれませんが、
私は時空の真理を深く突き詰めたいという大きな願望を持っています。
ですから私はその願望に基づき、
子供の頃から異常な執着を持って音を追い求めてきたように思います。


他にもこの「宇宙は本当にひとつなのか」を読み、
宇宙にあまねく存在する星は、ただ無作為に散らばっているのではなく、
大きさの尺度を大きくしても小さくしても、
どこを切り取っても大体同じような形をし、
均質な性質を持っているということを知りました。
これを「宇宙原理」と呼びます。

この宇宙の持つフラクタル性は、
東洋的思考からは当然のこととして推察できることです。

またその均質な性質のひとつとして、
宇宙はまったく星のないボイド(泡)という部分と、
線のように星々が連なるフィラメントという部分で構成され、
その形は、さながら人間の持つ細胞とまったく同じです。
  <宇宙の大規模構造>




またネットで調べて知ったのですが、
脳細胞と宇宙の構造もまたきわめて近似しています。



左がマウスの脳細胞で、ニューロンが伸びていく様子です。
右は宇宙の構造をコンピュータでシュミレーションした画像です。
  <The New York Times Science Image Graphic Separated at Birth>


科学技術の発達で、これまで未知だった分野のことが数多く明らかになりました。
そしてそこで明らかになったことが、
上の例でも示すように、
時空の尺度を超えた世界でも共通することが分かってきています。

けれども科学の分野では、
そこに共通した性質が認められたとしても、
その関係性を深く探っていくことはありません。
それをしてしまえば科学ではなくなり、
迷信やオカルトと蔑まれることになるでしょう。

これが科学という聖域を守るための条件であり、
また科学の持つ弱点でもあります。

科学の持つ弱点というのは言い過ぎでしょう。
「科学万能主義」の持つ弊害と言う方が適切かもしれません。


繰返しますが、科学が悪いのではありません。
科学は真理探究のためのひとつの極であり、
それをすべてと考えるところに誤りが生じます。

そして時代は確実に科学と対極にある統合的生命観でもって
全体の関係性を見ていく方向へと流れてきています。

関わり、つながり、その中にこそ深い真理があります。

ワンネス、すべてはつながっている、
そのことを時空を超えた深い世界で体感してください。

2011.12.13 Tuesday  
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