ヨガナンダ 心の時代のパイオニア
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ヨガナンダ



蜘蛛の巣

忙しい、慌ただしいという言葉は、
心を亡くす、心が荒れると書き、あまりいい意味ではありません。
ですから私はこれらは極力使わないように心がけ、
その代わり、「バタバタしています♪」といった、
ちょっとバタ臭い表現を使っています。

自称関西系インド人の私には、
こんな言葉がマッチします。

本当に、なんで時間はこんなに怒濤の如く流れるのでしょう。
身の回りで様々な事が猛烈なスピードで揺れ動き、
それらはすべて必然という糸で結びついているのを感じます。

体から力を抜き、目を半眼の状態にすると、
周りのすべてのものに繋がっている半透明の蜘蛛の巣のようなものが
見えてくるような気がします。

すべての人、もの、こと、命あるこの時空の森羅万象は、
必ず繋がりを持っていて、
この繋がりという関係性こそが生命の本質です。

繋がりというのはインターネットの世界も同じです。
膨大な量のウェブサイトがリンクを通して繋がり合い、
www 、 world wide web とは、世界に広がる蜘蛛の巣という意味です。

インターネットは無機的な世界ですが、
命あるすべてのものを繋げているネットワークは、
当然ながらそれ自体が命を持ち、
  (この時空に命のないものなどないのですが ・・・ )
免疫力も、また私たちが愛、意志と呼ぶものをも持つスパーネットワークです。

身の回りで起こる出会いや導きは、
どんな精妙な仕組みで成り立っているのだろうか、
そんな絶対に答のでないような問をいつも抱いているのですが、
間違いなく言えるのは、
その繋がりというネットワークを司っている仕組みは、
我々が通常認知している三次元世界よりも、
はるかに高次元の機能を持っているのであろうということです。

孫悟空がお釈迦様の手のひらの上から飛び出せなかったように、
空間三次元存在の私たちの手のひらの上に、
一次元存在の砂粒を置いて眺めている、
そんな次元を超越した存在が私たちの世界を囲っている、
または、そんな多次元世界の中のあるたった一点のような存在として、
この私たちが暮らす時空があるのではないか、そう感じています。


身の回りで起こるすべてのことは、
自らの意志で創造したものであり、引き寄せたものです。

ですからそこには何らかの流れというものがあり、
それを感じ、その流れに沿って生きるのが上質の生き方であり、
無為自然の境地です。

流れがあってどこかに導かれる、
過去を振り返ってそんなことを感じたことがある人は多いと思います。
多いというよりも、ほとんどすべての人が感じることではないでしょうか。

この時空は厳密な因果律で支配され、
自らが創造し、引き寄せたものに流れや導きがあるのは当然のことであり、
そこに意味を見出すのもまた然りです。

けれどもいつも書いているように、
起こってくる事自体に意味はなく、
それを自分がどう捉えるかによって意味づけをするということもまた真理です。

起こってくる事に意味はあるのか、ないのか、
言葉の上で矛盾するこの二つのことをどのように解釈すればいいのか、
最近そのことを考えています。


私たちの胸に抱く心がすべての創造の源なら、
身の回りのものすべては、
その心が創り、その心を動かしていくための道具であると言えます。

ひとつひとつの物事をどう感じ、どう捉えるのか、
それが因果律の元である業やカルマといったものを形作り、
またそれが業やカルマそのものでもあります。

人は何百回、何千回も輪廻転生を繰り返し、
解脱への道に至ると言われていますが、
それは言葉を変えれば、
何度も肉体を持った生を体験することにより、
本来望むべき自然な物事に対する捉え方を感じ取るための旅路でもあるのです。

その旅路において、
物事をこんな風に感じ取れるようになりたい、こんな捉え方ができるようになりたい、
そう真我が望み、それに従って物事を創造し、引き寄せている。
引き寄せの法則とは、物事の捉え方を感じ取るためのツールであるというのが、
根源的な意味ではないかと感じます。

私はいいことが続くとすぐに傲慢になり、有頂天になる。
だからいいことと悪いことを立て続けに起させて、
その自分の心の持ち方を反省させてみよう。

私は辛いことがあるとすぐにめげてしまう。
だから適度な苦労を長期間続けさすことにより、
辛さに耐えるトレーニングをしてみよう。

そんなことを真我が感じ、
すべてを創造し、引き寄せいるのではないでしょうか。


やはり起こってくる事の意味というものは、
自分自身がつけることであり、
意味も含めたすべての創造の源は自分自身です。

そしてその創造エネルギーの元となっている捉え方、感じ方を学ぶため、
自分に応じた最適な教材を目の前に表出させるのでしょう。

目の前に現われてくるものに意味はなく、
それをどのように対処しなければならないという「正解」もないのですが、
「そこからこんなことを感じ取れればいいな」ということを真我が望み、
現しているであろうことは間違いのないことです。

言葉というのは難しいですね。
起こってくる事には意味はなくても、
何らかの意図はあるということでしょうか。


このようなことは、言葉で読んで理解できるものではありません。
体に染み渡るように理解するためには、
それなりの経験が必要です。

感じ方、捉え方はすべての源であり、業やカルマそのものなのですから、
これを変えていくのはとても大きなことですが、
これさえ変えればすべてが変わるのだとも言えます。


先月初め、ある遠方の女性の方からメールをいただきました。
このホームページの内容に共感し、
ご自分の家族について抱える悩みについて打ち明け、
相談するようなことが書かれていました。

それから何度かメールのやり取りをしていたのですが、
その最中に、ご家族の悩みが、
大きな問題となって表に出ることになってしまいました。

その方は夜も眠れないほど苦しまれ、
私とメールではなく、直接電話で話がしたいということで、
それから何度か電話で話をさせていただきました。

私は超能力者ではありません。
時間を逆行させ、その問題が起きる以前に戻すことはできません。
またその問題に関して、画期的な解決策を知っているわけでもありません。

私に言えるのは、こんなことだけです。

  すべては自らが創造し、引き寄せたものであり、
  このたびの問題も、
  そこから何かを感じ取りたいと真我が望み、創造したものであり、
  その真我の意図を察し、行動すべきである。

  起こってくることには意味はなく、
  意味は、それを自分がどう捉え、今後どう生きていくかによって変わってくる。
  5年、10年後、このたびの問題が起こってよかったと思える生き方、
  捉え方をしましょう。

  捉え方という心の持ち方を変えるには、
  生活習慣や行動といった目に見えるものを変えていくのが確実であり、
  まずはその第一歩を記してください。

人は誰しも大きな苦しみを経験した時は、
そこから脱したいと願い、大きな変革のエネルギーが湧き上がってきます。
それが自分を高めるチャンスです。

喜びでも苦しみでも、何かがあった時、
それを飛躍のキッカケとできるのが賢い人であり徳のある人です。

どんないいことが起ころうとも、
慢心し、おかしな方向に行ってしまっては、
それはマイナス要因にしかなりません。

その逆に、どんな逆境にさらされても、
それを糧とし、自らを高める方向に持っていったなら、
それは何よりの宝となります。

何十遍でも同じことを言いますが、
この物事の捉え方が、物事の意味、そして自らの運命を創る源であり、
自分の外で起こる事やものには、
何の意味も含まれていないのです。

一般論で言えば、
人は喜びを感じた時よりも、苦しみや悲しみを感じた時の方が、
より大きな学びを得るものです。

だから人は苦しいことを糧としたいと願い、
様々な苦難を創造するのでしょう。
ならばどんなことからでも学び、感じ取れる人間にさえなれば、
あえて苦難を経験することはないということです。

また学びの場としての苦難は、
ギリギリになって無理矢理与えられるより、
早い段階で自ら進んで受け入れた方が楽なものです。
だから「苦労は買ってでもしろ」と言うのです。


大きな苦難を経験されたその方は、
その苦難を乗り越えるため、形としての第一歩を踏みだし、
様々な葛藤を経験することにより、
すべての創造の源は自分であり、
物事の意味は自分でつけるのだということが、
以前よりもより理解できるようになったと語ってくださいました。

私にとっても、その方と対話することにより、
より深く自分の考えていることを体に染み込ませることができました。

私にとってその方との出会いは、自らが創造し、引き寄せたものです。
それ自体には意味がなくとも、意図は確実にあり、
その真我の意図を察し、それに少しでも添えるようにということは心がけました。


自らが生き方、捉え方によって形作る意味というものに、
絶対にこうしなければならないという理想や正解のようなものが
あるわけではありません。

人生という蜘蛛の巣のような道を歩いていて、
右に曲がれば先が三本の道に分かれ、
左に曲がればその道が五本になり、
そんな風に複雑になっていても、
進む先は、絶対に己の真我が望む方向にしか行けないようになっています。

肩の力を抜き、ただあるがままを受け入れ、
上り坂に差しかかった時には少しだけ足を踏ん張り、
明るい気持ちを忘れずに歩んで行きましょう。

明るい気持ちや捉え方が、明るい未来を創り出します。

2011.8.17 Wednesday  
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