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目標

書店に並ぶ成功哲学関係の本を読むと、
そのほとんどに明確な目標を持つことの重要性が説かれています。

夢、目標は具体的でなければならない。
それを数字化し、期日を定める。
定めた目標を常に意識できるよう紙に書いて貼ったり持ち歩く。

この自分の人生の目標を明確にし、管理するという西洋的な考え方は、
人生のクオリティーを上げる有効な方法で、
これをキチンと実行できている人は、
大きな成果を上げておられるのだろうと思います。

私もこういった人生の目標管理といったことに何度か挑戦したことがありますが、
根が超グータラ人間なので、なかなか継続することが困難です。
三つ子の魂百までと言いますが、
子供の頃から真面目にコツコツ努力するといったことが大の苦手な私にとって、
目標管理というのはまったく向いていないのだと感じます。


何事も表と裏があるように、
目標管理というものが幸せに至る唯一の道ではありません。
またこれをすれば必ず幸せになれるといったものでもありません。

人間は生まれながらに何らかの天命を持っていますが、
私たちはその天命をどこまで自覚しているのでしょうか。

その天命と、自らが立てた人生目標が大きく食い違った場合、
そこには必ず何らかの大きな反動が生じるはずです。
もっともその反動を受けることによって
大きな気付きを得られることもあるのですから、
その反動を必ずしも “悪” と決めつけることはできませんが・・・。

一般的に、私たちが人生の目標設定をする際、
その目標の決め方があまりにも「幸せのステレオタイプ」に準じた
安易なものの様な気がして、そのことがとても気になります。

いつもお話するように、今私たちの暮らしている経済至上主義の社会は、
モノやお金に価値の重点を置くように洗脳された一種の宗教のようなもので、
本来根本として考えるべき “生きるとは” あるいは “幸せとは”
といった最も大切な命題から目を背けさせ、
一律に決められた “幸せの価値観” を与え、
その途中のポイントから思考をスタートさせるよう
無意識のうちに仕向けられているように感じます。

人の生き方、幸せとは多様なものです。
人生の目標を設定し、管理し、
それに向かって努力を重ねるその何分の一かの労力を、
まず自分の人生観、幸福感の確立といったところに尽力された方が、
後々大きな実りが得られるのではないでしょうか。


また目標をあえて設定しないというのも生き方のひとつのスタイルです。
東洋的な無為自然な生き方、
本当に必要なもの、ことは、必ずその時その時に目の前に与えられるという
自分自身への絶対的な信頼、
今、この一瞬一瞬をただ感謝と喜びを持って生きるという形です。

私は前世インド人だったと自覚し、
心の奥に、ガンジス川のほとりで裸に近い格好で日がな過ごしている
遊行者のような暮らしへの憧れが大きくあるのを感じます。

そんな私ですので、東洋的な無為自然な生き方が合っているのでしょう。
けどだからといって、
私にとって目標管理が無価値だというわけではありません。

この時空は相対世界です。
どちらかの極が絶対、100%ということはありません。
太陰の中に小陽あり、太陽の中に小陰ありで、
あるものがどちらかの極の特性を強く持っていても、
その対極の特性もまた少しは有しているのです。
  <相対>

苦手なことをあえてやることによって、
そこから何かを気づけることはよくあります。
何事にも例外を作らないという硬直した考え方に、
新たなものを生み出すパワーはありません。


目標を設定して管理する、
私にとってはまったく苦手な分野なので、
その逆に、何か未知のものへの憧れといった感覚もあります。

目標を設定したら、それに向けて継続的に努力することが大切です。
努力をするためには動機付けといったものが必要です。
その動機付けのあり方は人によって大きく異なります。

ボランティアが大好きでエニアグラムタイプ2「愛を与える人」である私は、
義務や損得ではなかなか動きませんが、
人に頼りにされたり喜ばれたりすることに対しては、
異常なほどモチベーションがアップします。

このホームページをコツコツと更新できるのも、
真面目に更新すれば見てくださる方が増えるのと、
読んでくださったいろんな方から励ましのメールをいただけるからです。

自主的に何かの目標に向かい、
少しずつ文章を書きためて、いつか誰かに読んでもらおう、・・・
こんな形だったら絶対に書き進めることはできなかったでしょう。


目標を設定したらそれを達成するための
手段、動機付けはどのようにしたらいいのか、
自分にはどのような動機付けが合っているのか、
それを考えるということは、自分を知るということにも繋がります。
そう考えるとなかなか楽しいことですね。

今日はなぜここにこんな文章を書いたのか、
それは、現在のちょっとしたマンネリを打破するため、
目標管理というものをしてみたいと思ったから、
そしてここにそのことを書くと、
自分を叱咤激励することになり、
それが大いなる動機付けになると思ったからです。


いつも思うことですが、
拙文を読んでいただいている方たちから
私は大きな喜びと励ましをいただいています。

読んでいただく方にとってお役に立つホームページを作ること、
これは私の心に深く刻み込まれた大きな目標です。

2010.7.16 Friday  
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