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2017年8月21日 ・・・ アドラー再び

倫理法人会という組織があり、
自分はそのメンバーではないものの、
知り合いがたくさんいる関係で、
会主催の講演会などに時折参加しています。
来週はその会の方たちと会場にあるトイレの掃除をする予定です。

倫理法人会のリーダーの方のお話によると、
病気、お金、人間関係、
人間の持つ悩みは大きくこの三つに分類されるそうです。

なるほど、と思います。
覚えやすいキーワードなので、頭にしっかり残っています。


近年話題のアドラー心理学では、
人間の悩みの掘り下げ方はもっとシンプルであり、
究極的とも言えるものです。

『人間の悩みはすべて対人関係の悩みである』
お金の悩みも、病気で体の自由がきかないことの苦しみも、
すべては他人との関係、他人との比較といったものの中から生まれ、
自分と他人というものの持つ課題を明確に分離した上で、
『他者は仲間である』という認識を持つことで、
人生は素晴らしい体験に満ちてくるとアドラーは述べています。

アドラー心理学の概要はこの五つ、

1.課題の分離
「これは誰の課題なのか?」という視点から、
変えられるもの(自分の課題)と変えられないもの(他人の課題)を分離する。

2.承認欲求の否定
人にほめられたいという「承認欲求」を持ち続ける限り、
自分がしたいことはできない。

3.認知論
人は誰しも客観的な世界ではなく、
自ら意味付けを施した主観的な世界に住んでいる。

4.目的論
人間の行動は過去の行動など外的要因によって決定される(原因論)のではなく、
自分の目的によって決定される。(目的論)

5.自己決定性
人生をどう歩むかは自分の意志で選び取っている。
つまり、自分次第で人生は変わり得る。


アドラーの提示するものの見方、考え方は、
普通の人が認識しているそれとは大きく異なり、
人生をひっくり返すぐらいの大きな力を持っています。
それゆえ「劇薬」とも言えるものです。

自分も数年前にアドラーと触れた時には大きな衝撃を受け、
そのアドラー流の視点を身に付けたいと考え、
いつも持ち歩くA4判のクリアフアイルには、
アドラー心理学の概要を示す資料を入れています。

けれどそれは普段あまり目にすることがなく、
またアドラーの考え方は、いい意味で “非常識的” なので、
時とともにその考え方は少しずつ薄れていってました。

先日そのことを、アドラーの書籍を紹介している番組を見て気づきました。



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アドラーはやっぱりすごい。
以前あれだけすごいと感じ、しっかり身に付けたいと願い、
本を何度も読み、ネットで調べ、周りの人にも話をしていたのに、
あらためて触れ、再び大きな衝撃を受けるとは ・・・ 。

これを悪いように見るならば、己の学習能力の低さ、この一言です。
けれどいいように考えるなら、
アドラーの目指す頂はとても高いところにあり、
そこを求め歩み続けたならば、
まだまだ自分はより高いところに行けるということ、
これは実に楽しみです。


アドラーから学ぶべきことは多々ありますが、
自分にとって最も心の救いとなるのが「課題の分離」という考え方です。

自分と他人は違う存在、
他人は変えることはできない、変えることができるのは自分だけ、
自分の領域と他人の領域を明確に分離し、
地人の領域に踏み入らない。

たとえ親子、夫婦といった身近な関係でもそれを認識することを説いています。


広島のある飲食店の女性オーナーのブログをいつも読んでいます。
彼女はかなりの美人で、ぱっと見すごくおしとやかそうですが、
とても自己主張が強く、思ったことをハッキリと口にするタイプで、
そこのお客さんも、そんなママの気っぷのよさに惚れて通っています。

彼女のブログは、お客様とケンカをしたり、泣いたり、
そんな彼女の日常の喜怒哀楽をオブラートに包むことなく紹介していて、
そのストレートな心情が伝わり、とても面白いのです。
またけっこう文章も上手です。

そんな彼女が今月初めに書いたブログにこんなことが載っていました。

昔、、、
以前バイトに来てた子に言われました。

ママは どうしてそんなに
土足で 私の心に入ってくるんですか?

どうして そんなに人に関わるんですか?

ソレって 人を疲れさせますよ
そこまでする必要ないと思います



その後、その女性との交流の様子や思い綴られ、・・・


彼女の問いに 応えなかったことを
悔やんでいたから

いつか また会えたら
伝えたかった。

どうして
そんなに私に入ってくるんですか

それは あなたが好きだからよ

そんな 簡単なコトが
どうして言えなかったんだろうと
ずっと後悔していたの

彼女は とても美しい娘だったけど
心の殻がとても厚くて
表現が下手な子だった

初めて 飛び込んだ 夜の世界で
不安ながらも私を信じて
長く勤めてくれた

あなたが好きだからよ



この後もママさんの思いが続くのですが、
これを読み、胸がジーンとくるほど感動しました。

ママさんの、少し口は悪いものの、
人と真摯に向き合い、人を思う温かな気持ち、
それが彼女の飾り気のない文章の中からよく伝わってきます。

その店にはめったに行くことはないのですが、
もし次回行く機会があったなら、
ママさんにブログの感想を伝えたい、そんなふうに思っていました。


そして先日アドラーと再び触れる機会があり、
このママさんのブログのことを真っ先に思い出しました。

このブログに書かれていることは、
まさにアドラーの言う「課題の分離」ができていないということです。

そこで考えました。
心理学で提唱する概念、考え方とは何だろうか、
それは真理かどうか判断できるものなのだろうかと ・・・ 。

アドラーの提唱する考え方は素晴らしいと思います。
それはたしかに劇薬ではありますが、
多くの人を救うことのできる究極的考え方、ものの見方であると感じます。

けれどそれは、
それが真理かどうか、正しいかどうか判断できるものではなく、
またするべきものでもなく、
あくまでも、そういう考え方、見方をすることによって、
多くの人の心が救われ、問題が解決するであろうということだと思います。


何度も言うように、アドラーはまさしく究極の世界だと感じます。
もし世界に最終ゴールのようなものがあるとするならば、
アドラーは、禅や老荘哲学などとともに、
そこに至ることのできる数少ない道筋のひとつなのだと思います。

しかしその途中のところまで至る経路は数々あり、
それを自分自身で選択し、
そこからいろんなことを学んでいけばいいのではないでしょうか。

またその経路は権威ある人から与えられたり、
他人の評価が高いものを選ぶのではなく、
自らが自らの個性と感性と選ぶからこそ、
大きな価値が生まれるものと考えます。

アドラーといえども、絶対善の存在ではありません。
「それを自分の中でどう活かしていくか」
まずはそれが何より大切です。


それは あなたが好きだからよ

美しい女性に、そんなことを言われてみたいですね♪

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