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2017年8月18日 ・・・ 情報の双極性

今日は金曜日、週一回の異業種交流会「積極人間の集い」のある日です。
会は早朝7時スタートで、毎回30名ぐらいの方が参加しています。

今日の講師は、防犯・防災・交通安全ジャーナリストの寺尾邦明さん、
「安全・安心・交通安全」というテーマで50分間お話をお聴きしました。



免許制度のこと、安全運転、交通違反をしないための心構えなど、
多岐に渡るお話の中で、
今までまったく知らなかったすごく役立つ情報もありました。

日常的に車を運転する人なら、
誰しも一度や二度は交通違反で切符を切られたことはあると思います。

その中で、「駐車違反」のシールを車に貼られてしまった場合、
警察に出頭し、切符を切られ、そして反則金15,000円程度を支払います。
これが通常のパターンです。

と、ところが!!
警察に出頭せず、そのまま放置した場合、後日反則金の納付書が送られてきます。
そしてその納付書に基づいて反則金を支払った場合は、
な、なんと!!
警察に出頭した時とは違い、違反点数が付かないのだそうです!!
これには聞いていたほとんどの人が衝撃を受けました。
嘘のような本当の話です。
<駐車違反の処分の流れ 点数が加点されずに済む放置駐車違反について>


積極人間の集いは今日で第1713回目、
もう三十年以上も続いている歴史ある会です。
その間何度も会場が変わり、
今は広島駅近くのホテルニューヒロデンの地下会議室で行われています。

時間は毎週金曜日朝7時から、終了は長らく8時半だったのが、
会終了後に希望者が行く喫茶店(ロイヤルホスト)が
最近開店時刻を9時に変更したため、
それに合わせ会を20分間延長し、8時50分終わりとなりました。

タイムスケジュールは、講師のお話が最初の50分、
その後参加者全員による一言スピーチが50分となっていて、
この参加した人たちによるスピーチがとても面白く、
参加者同士の人となりがよく分かるので、
みんな互いに親睦感を抱くようになり、会が長続きしてきたのです。

会は週に一度ですから、年間50人ほどの講師の方のお話を聴くことになります。
その講師は、参加する人たちみんなの推薦によって決まり、
周りの知り合いや、どこかの会で出会った人、その会の講師だった人、
芸術や文化に長けた人、経済人、または特別な趣味を持った方など、
ありとあらゆる分野の人たちが来てくださいます。

会の講師スケジュールは、いつもだいたい二三ヶ月先まで決まっていますが、
その講師予定をみんなに事前に知らせることはありません。
また聞けば教えてくれますが、それを尋ねる人は誰もいません。

毎回、今日はどんな講師の話が聴けるのか、
それを楽しみに来ているのです。

そうする理由のひとつが、たとえその日がどんな話であっても、
会全体として面白くないということがほとんどないからです。

正直言って講師の話はいろいろです。
興味の持てるものもあればそうでないものもあり、
話の上手な方もいれば、退屈であくびが出るような時もあります。

けれど講師の話がどの様なものであっても、
その後の参加者のスピーチがとても面白く、
いつも目を開かされる思いです。

自分にとって退屈だなと感じた話でも、
まったく違った方向から大いに共感される方がおられます。

自分が気づかないところに興味を持たれたり、
まったく反対の受け取り方をされる方もいたりと、
その参加者各人の、自分とは異なるものの見方を
知ることができるのが会に参加する喜びです。

また参加者は毎回ほとんど同じメンバーで、
みんな一人一人とても個性があります。
左翼の平和主義者、愛国心にあふれた人、鎖国論者、
道徳観念の強い人等々、
そういった人たちが、その日の講師の話にどうコメントするのか、
それに期待を持って耳を傾けるのもまた面白いものです。

講師の話と参加者の考え方、
この双方向の意見をその場で聞くことができ、
参加者にとっても、また講師の方にとっても、
他にはない大きな学びと気づきの場となっています。


最近はテレビやラジオで、
リアルタイムに視聴者からのメールを紹介しているものがありますが、
この双方向性ということに関しては、
やはりインターネットのサイトに大きなメリットがあります。

けれどインターネットには、
ステマ(ステルス・マーケティング)と呼ばれるような
意図的に誤った情報が書き込まれていることがあるので、
その点は注意が必要です。

何年か前、2chの元管理人ひろゆき氏が、
「うそはうそであると見抜けている人でないと、
 掲示板を使うのは難しい」
と発言し、話題となりました。



少し前までは、ネットをまったく使わない人から、
「インターネットのうその情報が多いから ・・・ 」
という言葉をよく聞きました。

これは一面正しいことですが、
意図的に誤った情報を流しているサイトで、
多くの人に支持され、人気のあるところはほとんどありません。

それとは逆に、ネット上では誤ったことを書くとすぐにそれを指摘されるので、
マスコミ情報よりもよほど信用できると考えています。

特に最近の大手マスコミによる偏向報道は度を超しています。
ひとつひとつは事実と反していなくても、
一方向の意見だけをさも中立そうに流したり、
演説の一部を切り取って意図を曲解させたりといった “印象操作” が多く、
それを知る若い世代を中心としたマスコミ離れは、
今後ますます加速していくことでしょう。

そんなマスコミによる偏向報道の実態を知ることができるのも、
インターネットがあればこそです。
もしそのような報道姿勢が見られたら、
すぐにネットで情報が拡散されます。


ネットのニュースサイトで、
それを見た人が自由にコメントを書き込めるところでは、
極力そこも目を通すようにしています。

そこに書き込まれているコメントが、
世論を忠実に反映しているものだとは思いません。
特定の意見を持った人が多数派に見せかけるため、
多くの書き込みを一気にすることがあるからです。

また新聞の読者欄ほどではないにしても、
ある特定の意見のみが集まるよう、
ニュースサイト主催者が何らかの操作をしている可能性もないとは言えません。

けれどネットに書き込まれる意見、コメントは膨大なので、
それをリアルタイムで偏向させるのは、
中国のようにサイバー要員を何百万人の単位で確保していたら別ですが、
かなり難しいかほとんど不可能です。

ですから、そういったリスクと可能性を踏まえ、
自己責任で見るのがインターネットを利用する心得です。
これはインターネットに限りませんが。


その上で、とても参考になると思うのは、
そのコメントが多数派か少数派かに関わらず、
自分にはまったく気がつかなかった視点で述べられているものは、
「積極人間の集い」の参加者の意見と同じで、
目が開かれる思いです。

また商品のカスタマーレビューが書き込まれているところでは、
製品案内だけでは気づかなかった仕様や注意点について
書かれていることがよくあり、
購入ボタンを押すのをストップし、助かったということが何度かあります。


口コミサイトというのがあり、
最も有名なのは「食べログ」でしょうか。
自分は知らない店を食べ歩く趣味はありませんし、
以前行ったことのある店をこのサイトで検索したところ、
自分が感じていたのとは大きく違う評価になっていたことが何度もあり、
まったく興味を持つことがなくなりました。

数ヶ月前に、有名レビュアーが店から接待を受けていたということが
大きく報道され、少しずつ信頼性も揺らいできているようです。

あらゆる製品の価格情報や口コミ、製品評価を載せている「価格.com」は、
便利ですのでよく参考にしています。
ただここも、数年前に資本元があの電通になり、
自分の中での信頼性は低下しています。

Amazonのカスタマーレビューはとても面白いですね。
特に書籍は、他の人の感じ方を知るいい勉強になり、
これから買いたいという本だけではなく、
以前読んだことのある本のところも見て参考にしています。

けれどここも時折ステマと思われるレビューがあり、
そんなところは、そのレビュアーが他の商品にどんな評価をしているのか、
面倒でもそれをチェックするようにしています。
ステマの傾向や方法を知るのもひとつの社会勉強ですので。


そんな中でも、やはりニュースサイトに書かれたコメントが
最も興味を引きます。

今日は2014年にノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんのニュースと
そのコメントが印象に残りました。

<マララさん、オックスフォード大学に進学へ(日本テレビ系(NNN))>

  ~ マララさん、オックスフォード大学に進学へ ~



2014年にノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんが17日、イギリスのオックスフォード大学への進学が決まったことを明らかにした。

女性の教育を受ける権利を訴えてきたマララさん。哲学、政治学、経済学を専攻する予定で、「とても興奮している」とツイートした。


世界の多くの国では、女性の地位が極めて低く、
まともな教育を受けられない、結婚の自由がない、
その結婚を拒んで塩酸をかけられる、レイプされても泣き寝入りするしかない、
尊属殺人、寡婦になったら行動の自由を著しく制限される、
こういった報道をこれまで数限りなく耳にしてきました。

インドの敵対国パキスタンには行ったことがありませんが、
インドで女性が虐げられている話はよく耳にするので、
過激派の銃弾を浴びながらも果敢に女性の教育を受ける権利を訴える彼女には、
自然と応援したい気持ちになってきます。

彼女の国連での演説は有名です。
後進国で、英語が母語でないにも関わらず、
懸命に英語でスピーチル彼女を見ていて、
せめて彼女ぐらいには英語のスピーチができるようになりたいと考え、
こんなテキストも買って学んでいます。

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CNN English Express編

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久し振りにニュース映像でマララさんの姿を見て、
正直言って、可愛らしい少女の顔から、
すっかり婦人の顔と姿になっているのに驚きました。

彼女はまだ二十歳ですが、
インドでも十代後半あたりから急速に女性の容姿は変わります。
たぶんこれからより一層ふくよかになっていくことでしょう。

それはニュースの本題とは関係ないのですが ・・・、
イギリスの名門オックスフォードに入ることができたというのは、
それはそれでめでたいことであり、
これで、これから彼女の訴えるメッセージにも、
より知性の裏打ちがなされるようになるのだろう、
そんなことをなんとなく考えながら、書き込まれたコメントを読んでみました。

するとそこには意外にも否定的なコメントが多く、
最初は意外に思いながらも、
納得できることかが多く、考えさせられました。

コメントの中の否定的なものとは、このようなものです。

うまいこと担がれたね

AO入学?

イギリスから高みの見物ご苦労様です。

襲撃されたのは気の毒だったが、その結果、家族は無条件に英国で何不自由なく暮らせて名門大学まで行ける。
欧米もたまたま担ぎやすい広告塔があったから担いだだけで、彼女と家族がいたれり尽くせりの安全な英国生活を棄てて、パキスタンに戻るわけがない。
自分だけは安全な場所から、勇ましい言葉だけ連ねるヒロインをパキスタン国民が受け入れるとは思えない。

ちょっと、この人変わっちゃたよね。今は自分の人生を楽しんでるから、いいと、思うけど、女性の人権については、以前よりどうでもよくなってきてるように、感じる。

実力?
ネームバリュー??
後者のように思えてならない。



ノーベル賞の中で、平和賞だけは他の賞とは異なり、
たぷんに政治的色合いを帯びています。
その人の能力によって得た業績の評価ではなく、
話題性といったことが選考基準の大きなものとなっていて、
幼い少女が平和と平等を懸命に訴えたスピーチは感動的ではありますが、
幸か不幸か、彼女が銃撃を受けたことによって話題性が広がり、
それが平和賞受賞につながったということは、
否定できないことです。

彼女の訴える真の思いがどうであれ、
また彼女自身の意志とは関係なく、
今の彼女が反イスラム、欧米中心主義の広告塔になっている、
またされている、そのことも否定できません。

彼女がどういった流れでオックスフォード入学を決めたのかは分かりませんが、
彼女を広告塔として担ぎたい勢力が、
その流れの大きな舵取りをしたのだろうと思われます。


ここに寄せられた多くの否定的なコメントは、
彼女自身に対してではなく、
彼女が乗せられている大きな流れに対してのものであり、
それはそれでとても納得ができます。

インドでいつも純真無垢な子どもたちを見ているので、
こんな可愛らしくて懸命に努力している少女には、
どうしても全面的に肯定する思いしか湧かなくて、
彼女を取り巻く周りのことを考える余裕がありませんでした。

彼女はこの与えられた流れに乗り、
本当に真にメッセージだけで人の心を動かせる人間になり、
彼女の本願である、女性の教育権、
平和と平等な社会を築ける力を付けていってもらいたいと願います。


どのようなニュースでも、
またここに書いている文章でも、
その物事、話題に対する切り口はあくまでもひとつであり、
他人の意見やコメントは、
それを補う大切な役割を果たしてくれるものと感じます。

その中には参考にならないデマのようなものもありますが
それはネットの中だけではなく、
身の回りの実生活の中にもあるのですから、
ネットは情報化社会の縮図だとも言えるでしょう。

情報を提供する側と受ける側、
双方向の情報発信、
これは情報量の増加だけではなく、
点から線、線から面といった、情報の次元上昇を意味します。

この次元上昇の恩恵に浴するためには、
それを乱そうとするものを的確に見極め、排除していくこと、
そしてもうひとつは、受け手側の自分自身の価値観を
揺らぎなきものとしてしっかりと持つことが求められます。

情報は、たくさん得ても溺れない、
参考にしても依存しない、
他人の意見は補うもので、主体はあくまでも自分自身です。

2017.8.18 Friday  
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