友との語らい
昨夜久し振りに高校時代の友人との楽しい語らいの一時を持ちました。
その友人と顔を合わせるのは27、8年ぶりですが、
顔を見た途端、一瞬にして記憶は十代の当時の頃へ逆戻りしていきました。


数週間前、ふと彼のことを思い出し、ネットで検索をしました。
社会福祉を学び、学生時代の当時もそういった活動をしていた彼は、
今もその世界で活動を続けているようで、
京都のいづみ福祉会という社会福祉法人で施設長として活躍していることが分かりました。

あんまりにも懐かしく、また当時と同じ志を持って活動している彼のことが嬉しくなり、
お久しぶり ・・・ ということでメールを一通送らせてもらいました。
その後彼と手短なメールを二三度やり取りし、
私のサイトのトップページに、先月はじめに行われた施設のイベント案内を
リンクさせてもらったりしました。

その後彼とは連絡がなかったのですが、
昨夜9時過ぎ、突然電話があり、「今広島駅におるんよ・・・」ということで、
急遽自転車を飛ばして会いに行って来たのです。

彼とは高校時代の同級生で、ともに音楽が好きで、
彼はフォーク系、私はロック系でしたが、
二人ともギター部に所属し、いつもワイワイ楽しい時を過していました。

いろんなところで買い食いしたり、
あてもなく歩いたことが思い出されます。

当時は奈良に住んでいましたので、
大晦日の夜は仲間数名で初詣にて出かけ、
奈良公園の界隈をウロウロとしたのもいい思い出です。

生まれて初めて死ぬほど酒を飲んだ時も彼と一緒でした。
私は最後訳が分からなくなり、気がついた時は彼の家で寝かせてもらっていました。
初めて迎えた鉛色の朝です。

たぶんその時だったと記憶しているのですが、
当時の仲間の一人が飲み過ぎて戻してしまい、その戻したものが、
その時着ていたジーンズのオーバーオールの足元の折り返し部分に残っていて、
しばらくの間彼は「折りゲロ」とあだ名のように呼ばれていました。
このことがすごく印象に残っています。

学生時代はお金がなかったのでめったに外でお酒を飲むことはなかったのですが、
当時は食欲旺盛だったのでしょう、
普通に飲みに行くといくらでも食べてしまうからということで、
家でわざわざ晩ご飯をお腹いっぱいになるまで食べてから飲みに出かけていました。
若いっていいですね。

その彼は学生時代に、大阪のある児童福祉センターで
ケースワーカーのボランティアをしていて、
私もとても興味があったので仲間に入れてもらい、
学校に行くことのできない女の子の家に定期的に家庭訪問をして、
話を聞くという活動をさせてもらいました。
今考えると冷汗ものですが、若かりし頃のいい思い出です。


私も彼も、ともに社会をよくしていきたいという思いは強いのですが、
私はどちらかというと精神世界系、彼は福祉活動系で少し世界が異なり、
そのためか、大学を卒業する頃から疎遠になり、
いつしか年賀状のやり取りもなくなってしまいました。

ネットというのはありがたいですね。
そんな疎遠な彼とでも、瞬時に情報交換できるのですから。

そのネットを通して現在の彼を知り、メールを何度かやり取りし、
そして昨夜、娘さんが広島で柔道の試合があるということで、
保護者の方たち十名ぐらいとともに広島に来て、
駅ビル二階の食堂街で懇親しておられる時に、
突然私に電話をかけてくれたのです。


私と同じく長身の彼は、昔より少し体重が増えているようでした。
当時短髪の天然パーマで、面長丸顔の彼は、
大仏さんのようだということで、大仏という愛称でみんなから親しまれていましたが、
顔つき、表情は今も昔とまったく同じです。
少しおでこが後退し、その分白髪交じりのあごひげが、
彼の丸い顔の輪郭をおしゃれに飾っています。

本当に久し振りに出会った彼とは、
会った瞬間に思わず抱き合って喜びを分かち合いました。

食堂街の居酒屋で、わずか一時間ほどでしたが、
彼との語らいは、心に残る何より楽しいものでした。


数十年の時を経て出会った友と語らうと、
その友を通して、自分というものがよく見えてきます。

懸命に、そしてにこやかに語らう彼の言葉に耳を傾けながら、
意識は自分の心の内に向いていました。

当時と今と、彼の言葉の感じ方、自分の胸での受け止め方がどう違うのか、
そしてそれに対して今の自分はどう反応し、言葉を返すのか、
彼の言葉を聞きながら、この数十年間の自分の生き方に対する回答を
目の前で見せてもらっているような気がしました。

特に彼とは根底での志は大きくは同じでも、
その表現方法に差異があるのですから、
彼から私に、その度量の大きさをテストしてもらっているような気持ちにもなります。

彼は社会の不平等が許せない、
その社会で苦しんでいる障害を持つ人たちの手助けをしたい、
その思いが今の活動の原動力であり、
今の仕事は自分の思いを100%発揮できる場だと語っていました。

その熱き思い、
私も自分の志を成就させるエネルギーとしてしっかり受け止めたいと思います。

古き良き友というのは、自分にとって大切な宝であり原点ですね。
こんな短い時間で自分の根っこを振り返ることのできる機会はそうはありません。


今度の日曜日は、私が中学校2年の時に生まれ、
赤ん坊の頃からずっと可愛がってきたユー君という男の子(もう36歳ですが)の
結婚式が奈良の天理であります。
彼のお母さんが私の天理教の先生です。

その結婚式に参加するために週末から奈良に帰りますので、
その時にまた友人の彼と会って一献傾けることができるかもしれません。

奈良、天理は、私にとっては今でも “帰る” という意識のある場所であり、
そこで最愛のユー君の人生の門出を見送り、
また友とゆっくり語らえたなら、
ますます深く自分を見つめるいい機会になるだろうと今からとても楽しみにしています。


我が良き友よ  ヾ(´ー`)ノ 。・:*:・゜'★,。・:*:・゜'



2010.11.28 Sunday


ひとつ前へ ホームへ メニューへ 次へ