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昔の日本では、子どもたちが自分たちで食べ物を買って食べる、
いわゆる“買い食い”という行為はあまり誉められたものではありませんでしたが、
今はどうなんでしょう?
もう半世紀近く前ですが、
中学生の頃はたまに買い食いをしていた記憶があり、
その時は、ちょっと大人になった気分を味わったものです。
インドでは、学校の近く、あるいは学校の敷地の中に
お菓子や文房具などを売っている、
雑貨屋、駄菓子屋みたいな店があり、
登下校の時はもちろん、日中の休憩時間の時などは外に出て、
お菓子を買って食べたりするのです。
また校門の前に商品を並べる露店も時折店開きし、
子どもたちの関心を集めています。
これは子どもたちの好きな映画スターや神様関係の
シールやポスターみたいなのを売っているおじさんです。
映画文化華やかりしインドですので、
子どもたちは本当に映画スターが大好きです。
こんなシールやキーホルダー(インドではキーチェーンと言います)を買い、
カバンにぶら下げていると、
子どもたちが群がってきて、欲しい欲しいと言って、
すべてむしり取られてしまいます。
南インドタミルナド州では、
映画スターとして、ビジェイ、アジツ、スリーヤという三人が有名で、
彼らの名前は耳にたこができるぐらい聞かされました。
こんな動画を見せると大喜びです。
ある日、校門のところでスイカを売っているおばあさんがいました。
それをその場で一口食べさせてもらったのですが、
な、なんと、まさに衝撃の味です!!
二枚目の写真、中央下にあるお皿、
そこに乗っかっているオレンジ色と白の混ざった粉は、
なんと、塩とチリ(唐辛子)てす!!
これをかけたスイカの味は言葉では表現できません。
口の中に入れた瞬間、思わず吐き出してしまいました。
それを見て子どもたちは大はしゃぎでしたけど ・・・ 。
チリはインド人にとってのソウルスパイスです。
子ども向けのお菓子にもやたらとチリが使われていて、
思いっ切り甘いけどちょっと辛いというのは、インドの味の定番です。
日本の味噌や醤油みたいなものでしょう。
インドに行く時には日本の折り紙は欠かせません。
色のきれいな折り紙は子どもたちに大人気で、
それで鶴を折ってあげると満面の笑みを浮かべてくれます。
タミルナド州の学校の教科書には、
被爆して白血病になりながらも、
折り鶴を折ることで快癒を願った佐々木禎子さんの物語が載っています。
広島から旅してきたものとしては本当に嬉しい限りです。
ですから、できるだけ折り鶴を折ってあげたいのですが、
一羽折るのに数分かかり、これがなかなか大変なんです。
子どもの中には折り方を教えると自分で折れるようになる子もいますが、
キレイにピシッと折るのは少し難しいようです。
そんな折り鶴ですが、子どもたちが宝物のように扱ってくれると、
“やっぱり折ってあげなきゃ♪”という気持ちになるものです。
この子の学校に持って行くカバンの中を見せてもらうと、
プラスチックのケースに、折り鶴が何羽も収められていました。
ちょっと嬉しくて感動しちゃいました。
子どもの頃から空を眺めるのが好きでした。
空に浮ぶ雲は、なんであんなにきれいな模様を描くのでしょう。
何の影響を受け、何を反映し、何を訴えているのか、・・・
そんなことを考えると時間が経つのを忘れます。
インドの雲は日本の雲とは異なります。
何が違うかといっても答えられませんが、
気候風土、大地の様子が違うのですから、
雲の形も当然違ってくるのです。
チェンナイのホームから見たある日の夕空、
とってもきれいですが、
なんとなくその中に雄大さを感じさせます。
日本で洗濯物を干すといったら、
吊す、ぶら下げるという方法しか考えられませんが、
インドでは、コンクリートや石の上に洗濯物を並べて干すことがよくあります。
熱せられたコンクリートの上、真上から注ぐ日の光を広い面積で受け、
ごく短時間でカラッと乾いてしまいます。
この写真は今年撮った中でのベストショットです。
チェンナイのホーム、女の子のコテージの上には制服やシーツ、
たくさんの洗濯物が並んでいます。
写真に写っているシンドゥーは今年でハイスクールを卒業し、
ホームを出て行ってしまいました。
素直で可愛い子だったのに ・・・ とっても寂しいです。
これは七年前、スクールバスの中で撮った写真です。
右側の微笑んでいる女の子がシンドゥーです。
まだ永久歯が生えそろっていません。
左側は同じ学年のダッチャニー、
彼女はホームシックになり、四年前に田舎に帰ってしまいましたが、
彼女は過去世で自分の娘だったのではないかと思えるほど愛おしく、
今もfacebookのプロフイールフォトは、
彼女を抱きかかえている写真を使っています。
シンドゥーのお姉さんのセルビィーも以前はホームから学校に通っていました。
彼女は今十八歳で、すでに結婚し、赤ちゃんも生まれたそうです。
インドでは十五歳以下の女の子が嫁入りすることも珍しくなく、
幼児婚は社会問題のひとつとなっています。
チェンナイのホームは昨年末のサイクロンでたくさんの木が倒れ、
それを片付けながら、
その木から得られる実りも美味しくいただいています。
これは椰子の木のてっぺん部分の芯のところです。
この芯の部分から下にかけての表皮をはぎ、
それを生のままかじりついて食べるのです。
柔らかく、ほんのりと甘味があります。
その味はともかく、
こんな風にみんなでワイワイ言いながら食べるのが楽しいですね♪
タミルナド州三ヶ所のホームには、
それぞれにミシンを数台置いた裁縫のできる部屋があり、
ミシンはどれも電気のいらない足踏み式です。
上の写真は、チェンナイのホームで、
ミシンがけの指導をしているウシャマー(右側)です。
ウシャマーは女の子のコテージを担当するハウスマザーで、
まだ二十代半ばですが、数学が専門でとても頭がよく、
聖書の知識も豊富で、裁縫の指導もできるのですからたいしたものです。
ウシャマーの名前はウシャ(USHA)、
母親ぐらい年上の女性には名前の最後に“マー”を付け、
子どもたちは彼女のことをウシャマーと呼んでいます。
お姉さんぐらい年上の人には“カー”を付けます。
アビラだったらアビラカーとなるのです。
ウシャというのはインドではポピュラーな名前のようで、
以前チェンナイのホーム近くの広場に移動サーカスが来たことがあり、
そのサーカスの名前が“ウシャサーカス”でした。
そしてホームで使っているミシンのブランド名もUSHAです。
ウシャマーは頭の回転が速くて早口で、
子どもたちに厳しい面もありますが、
その反面子どもみたいに無邪気なところがあり、
日本人にはちょっとないキャラクターです。
ミシンがけの生徒さんにカメラを向けると恥ずかしそうに微笑んでいました。
今回インドに持っていったミラーレス一眼は、
最後の方でズームレンズが不調をきたし、
しかたなく予備に持っていた単焦点レンズを付けたのですか、
やはり単焦点レンズの方が画像がきれいですね。
この写真は縮小しているので分かりにくいですが、
光と影のコントラスト、その微妙な風合いにリアリテイーがあり、
思わずぞくっとしてしまうほどです。
こうやってページを作るために写真を選び、
以前の写真を見返したりしていると、
当時の思い出が鮮明に蘇り、胸が熱くなってしまいます。
これからもいい思い出をたくさん作り、
また子どもたちにもその夢を与えていきたいと思います。
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