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これはインドの旅のおまけ編、
最終日に立ち寄ったマレーシアの首都クアラルンプールの日記です。
昨年もインドの行き帰りにクアラルンプールを経由したのですが、
乗り換え時間が短く、クアラルンプールの街に出ることはできませんでした。
そこで今回は六年前と同様に、
クアラルンプールに午前6時50分に着き、
深夜23時50分に出発する便に乗り、
クアラルンプールの街を一日観光することにしました。
チェンナイを午前0時30分に出発し、ほとんど眠ることなくクアラルンプールに着き、
着いた時にはかなりくたびれ果てた状態です。
まずはマレーシアの簡単な入国手続きをすませ、
市内中心部に行くKLIAエクスプレスに乗り込みます。
これに乗って30分もすれば中心部に到着です。
車内はWiFiもつながり快適です。
久し振りのネット接続でメールのチェックをし、
ウェブサイトをいくつか見ていると、知らぬ間に目的地のKLセントラル駅に着いていました。
駅の光景はどれも興味深いものですが、
今はただ横になって休みたいという思いがあるだけです。
手持ちのガイドブックを参照し、まずは近くの国立博物館に行くことにしました。
少し迷いながら博物館にたどり着くと、
まだ9時の開館には少し間があり、中に入ることができません。
そして間が悪いことに雨が降り出し、
急いで屋根のあるベンチに腰を下ろしました。
今のマレーシアは乾期ですが、
南国では、乾期でも時折短いスコールがあるのです。
座っていると楽ですが、猛烈な睡魔が襲ってきます。
インドで子どもたちと遊んだ疲れも一気に出たようで、
体調は悪くないものの、体が鉛のように重く、そこから一歩も動きたくない気分です。
インドだったらどんなところで寝てもノープロブレムなのですが、
マレーシアではその辺の常識がどうなっているのか分かりません。
けれど欲望に負け、リュックを枕にし、そのベンチに横になってしまいました。
途中で何組かの観光客が横を通ります。
また掃除をするスタッフの人たちが近くに来た時は少しあせりましたが、
彼らは笑顔で「そのまま寝ていてもいいよ♪」と合図してくれたので、
その言葉に甘え、その場で寝入ってしまいました。
ホント、助かりました。
小一時間ほど横になっると、少しパワーが戻ってきました。
背中を起して周りを見渡すと、さっきまで降っていた雨もすっかり止んだようです。
時間も9時を過ぎ、博物館もオープンしています。
まだ疲れは残っているものの、少し周りを歩いてみることにしました。
インドとマレーシア、特に近代的な首都クアラルンプールはすべてが異なります。
車もきれいなものばかり。
インドで走り回っているポンコツ車は一台も見当たりません。
ベンツやBMWもたくさん走っています。
日本車も多いのですか、インドではほとんど(まったく?)見ることのなかった
三菱の車が多いのが印象的です。
博物館の中は、マレーシアの文化を紹介した展示がたくさんあります。
庶民の文化とともに、王侯貴族の文化を展示したものがたくさんありました。
施設はどれも美しく、遠足で来ている子どもたちもいて、とても明るい雰囲気です。
キレイですね。
あんまりこんな美術品は興味がないんですが ・・・ 。
ぐるっと一通り中を見て、再び外に出ました。
クアラルンプールの街は大きくて立派なビルが建ち並んでいます。
六年前にクアラルンプールの街を歩いた時も感じたのですが、
この街は歩道がどこにあるのか、それがとても分かりにくいのです。
目の前に大きなビルがあっても、そこまでどこを歩いて行ったらいいのか、
それがすぐに分かりません。
建物は立派、車道も完備されているようですが、
歩道はあくまでも添え物であり、
歩いて移動する人のことはほとんど考慮されていないように感じます。
ガイドブック片手にどこかに行こうとしても、
目標となる建物が、林立するビル街に遮られ、近くに行くまで視界に入ってきません。
自分が歩いている方角もよく分からないし、
ものすごく歩くのに苦労します。
元気な時なら少々遠回りしてもそれもまた楽しみなのでしょうが、
疲れ切った体でビル街を彷徨うのは苦痛以外の何ものでもありません。 (>_<)
とりあえず駅にたどり着くと一安心です。
日本のコミックは人気があるんですね。
翻訳されたコミックの古本が安売りされていました。
駅の表示板を見ると、いかに日本が大切な国かというのがよく分かります。
マレーシアのマレー語、英語、日本語の三カ国語表記です。
食料品店には日本のインスタントラーメン、出前一丁がありました。
名前は出前一丁ですが、味は現地に合わせてエスニック風味です。
緑茶が何種類もあるのには驚きました。
マレーシアのリポビタンDは缶入りです。
このドッグフードは日本製をそのまま販売しています。
裏面にはマレー語の成分表示がシールで貼ってありました。
やっぱり歩いているとくたびれるので、
スターバックスで休憩するとにしました。
スターバックスはWiFi完備です。
日本でスターバックスに入ることはほとんどないのですが、
マレーシアでは注文をする時に名前を聞かれ、
カップに名前を書いてくれるのです。 w(*゚o゚*)w
しかも顔文字付きです。 ^_^
スターバックスではメールを打ち、のんびりと時間を過ごしました。
クアラルンプールは六年前に来て、
その時にめぼしいところは見てしまったので、
今回は特に行ってみたいところはありません。
ただゆったりと街の空気を楽しみたい、それだけです。
それにめちゃくちゃ体もしんどいですし。
しかしクアラルンプールはきれいな街です。
建物もただ高いだけではなく、しゃれたデザインのものが多く、
その建物の姿に芸術性を感じます。
特にこんなオリエンタルムードのあるものが目を引きます。
こんなビルだってしゃれてますよね。
そして道路沿いの樹木も街路樹と呼ぶにはあまりにもワイルドで圧倒されます。
これはタバコのパッケージ、
タバコを吸うとこんな恐ろしいことになるよということが、
リアルな写真で訴えかけています。
こんな写真を見ながらタバコを吸って美味しいんでしょうか?
遠くに見えるツインタワーまで行くことにしました。
ツインタワーはクアラルンプールで最も有名な建物です。
下の写真手前に見えるのはイスラム教のモスク、
礼拝の時間らしく、中から祈りの言葉が聞こえていました。
ツインタワーの目の前には、こんな人工池があります。
すべてが美しく景色の中に溶け込んでいます。
ツインタワーのふもとには伊勢丹があります。
中に入るとスリアKLCCというショッピングエリアが広がっていて、
伊勢丹はスーパーとしてその一角に入っています。
広大で美しい中の様子、日本の複合型ショッピングセンターとは高級感が違います。
紀伊國屋書店があり、中に入ると、英語の本もたくさん並べられていて、
その中にヨガナンダ師の著書もありました。
英語版はいろいろあるのですね。 インドで売られているものとは異なります。
日本食レストランもたくさんあり、ここはお寿司屋さんです。
回転寿司もありました。
一皿3RM(マレーシア・リンギット)、日本円で百円弱、
だいだい日本と同価格です。
フードコートの様子は日本とあまり変わりありません。
ドリアンジュースがありました。
まだドリアンを口にしたことがないので、これを飲んでみることにしました。
サイズと濃さが各三種類、
1RMが30円ちょっとですので、結構高いですね。
ミニサイズのノーマルテイスト(12RM)を選んだのですが、
普通に甘くて美味しいです。
ドリアンの果実が強烈な臭いがするなんて、ちょっと想像がつきません。
しばらくショッピングエリアを楽しんだ後は、
またあてどなく外を歩きます。
本当に建物と緑がすごいですね。
この木はインドで見た枝から根っこみたいなのがぶら下がっているバニアンと似ています。
どちらも気候が同じようなものですから、バニアンかもしれません。
建物の曲面と南国の樹木の葉っぱがよく似合っています。
手前の建物は、シドニーのオペラハウスと似ています。
どの建物を見てもみなしゃれたデザインです。
それと樹木の勢いが違います。
どの建物を撮ってもみんな絵になります。
これはたぶん高級ホテルです。
そんな建物を見ながら歩いていると、こんな張り紙を見つけました。
これってデリヘル(デリバリーヘルス)の宣伝ですよね?
日本食レストランもあります。
日本人が多いのか、日本食がブームなのでしょう。
けど値段は結構高めです。
かけうどんが四百円近くします。
クアラルンプールの街は歩きにくいですが、
目に入る景色はとても素敵で飽きることがありません。
街の中心部に、こんな平屋建てのレストランがあり、周りに樹木が生い茂り、
しかもバイクで来て、気軽に店の前に駐車することができるなんて驚きです。
日本の都会では考えられません。
けれどこれが本当の意味で豊かな暮らしですね。
日本のように都市部への一極化が進み、
狭苦しい土地に隙間なく雑居ビルが建て込んでいるのは、
どう見ても美しく豊かな光景とは言えません。
遠くに見えるKLタワー、六年前にここの展望台に昇ったので、
今回はパスします。
男性の背中に虎の足が・・・、
これは有名なタイガーバーム、メンソレータムみたいな軟膏の広告です。
こちらも有名なハードロックカフエ、
日本にも何店かあるようですが、まだ行ったことはありません。
きれいな街もいいですが、
雑多なところの方が性に合っています。
モノレールに乗り、ブキッ・ビンタンという町に移動します。
ここは中国を主体としたエスニック文化満点の町です。
提灯が飾られ、看板には中国語があふれていて、
これまでの景色と一変します。
この懐の深さもクアラルンプールの魅力のひとつです。
横を抜ける路地にはここに暮らす人たちのアパートがあるみたいです。
元気なら歩いて入っていくところですが、
もう歩き過ぎてくたびれ果てました。 (>_<)
こんな町は楽しいですね。 ワクワクしてきます。
お腹が空いていればいろんなものを食べたいのですが、
くたびれすぎてほとんど食欲がありません。
肉料理なんか特に美味しそう、インドのチキンとどう味が違うのか、
是非確かめてみたいところです。
こうして見ると中国人は食に関して貪欲です。
これまでいた南インドとはまったく文化が異なります。
中国人は、脚のあるものは机以外なんでも食べると言われていますが、
そんなパワーをヒシヒシと感じます。
そんなことを考えながら歩いていると、
また雨がポツポツと降り出してきました。
体もくたびれ果てていることですし、適当な店に入って食事をすることにしました。
メニューにはいろんな料理が並んでいますが、
その中で最も具だくさんの麺類を、小さなSサイズで注文しました。
10RM、三百円ちょっとです。
ここは物価も安いようです。
周りの人たちは大盛りのお皿をいくつも頼み、
みんなでワイワイおしゃべりしながら楽しそうに食べています。
こういう文化っていいですね。 インドとはまた違った魅力です。
料理が来るまでの間、地元タイガービールを飲みました。
日本のビールと比べると大味ですが、ここではそれが旨味に感じられます。
出てきた麺はこんなのです。
Sサイズですがかなりのボリュームです。
味は様々な香味含んだなかなかのものでした。
日本では味わえない風味です。
食事を終えた頃には雨も上がり、
また少しだけ元気を取り戻し、再び歩き始めます。
足つぼマッサージの店が軒を連ねるエリアがありました。
かなりくたびれているのでしてもらいたかったのですが、
どの店がいいのか分からないし、選ぶのが面倒なので諦めました。
疲れていると何をするのも面倒です。 (>_<)
ここはひとつの大きなビルに、
ケイタイやパソコンなどの通信機器を扱った店ばかりが集まっています。
同じような店が何十軒もありましたが、
通信機器が伸びゆく産業であるのはどこの国も同じです。
中には壊れた液晶画面を修理する専門店もありました。
またまた日本食、寿司レストランです。
インド人は生魚をまったく食べませんが、
マレーシアの人たちは平気なんでしょうか?
手前に見えるのがモノレールの高架です。
クアラルンプールでは、工事中の建物がいたるところで目に付きます。
街はこれからどんどん発展していくその途上なのでしょう。
街の活気を感じます。
チャイナタウンのあるパサール・セニにモノレールで行きました。
ここの川沿いの壁には、アーチストたちによる壁画が描かれています。
六年前にも見ましたが、壁画はすべて新たなものに塗り変わっていました。
雑多な土産物屋が軒を連ねるセントラルマーケット、
こういうところは好きなので、六年前の記憶が鮮明に残っています。
ここには「Sakai」という店があったので、
今でもあるのかと思って探してみると、まだちゃんとありました。
看板には撮影禁止とあったので、残念ながら写真は撮っていません。
Sakai というのは店のオーナーの名前だそうです。
マレーシアにもサカイという名前はあるのです。
チャイナタウン(中華街)は外国人観光客でいっぱいです。
特に白人の姿が目に付きます。
美味しそうなものがたくさんありますが、
やはり食欲がありません。
けれどここで何も食べずに帰ると、後々すごく後悔する気がして、
串焼きの屋台に入りました。
まずはヒールで喉を潤します。
串は自分で好きなものを選び、それを皿に入れて店の人に渡し、焼いてもらいます。
値段は串に塗られた色で区分けされていて、
とても明朗会計です。
どうですか?
こんなのを見るとどうしても食べたくなるじゃありませんか! (^o^)v
串はどれも大きいもので、
オクラと椎茸、それと何の肉か分からない肉串を一本焼いてもらいました。
この雰囲気、いいですね〜♪
長くくたびれ果てたクアラルンプールの一日も、無事終わりを告げようとしています。
これからはほろ酔い気分で飛行場に戻るだけ、
後は飛行機に乗るまでの待ち時間に、
寝入ってしまって乗り過ごさないかが唯一の心配です。 (^◇^;)
飛行場には行きと同じKLIAエクスプレスに乗り、
出発時刻の三時間以上前に着くことができました。
今日ほど深い疲労感を覚えたことはありません。
インドはやはり遠い国です。
そしてそこに旅するというのは重労働です。
もちろんそれたけの価値があるから行くのですが、
外国に行くためには体調管理をし、体力を蓄えていることが肝要です。
関西国際空港に向かう飛行機は、
幸い空席がいくつかあり、横の席も使ってゆっくりと休むことができました。
それでも日本に戻ってきた時は、
異文化に触れた後のショックも重なり、
気力だけで体を動かしているといった状態でした。
しかし、しかし、・・・
クアラルンプール国際空港から乗ったのはマレーシア航空機、
その自分が乗った約七十時間後に、
同じくクアラルンプールから出たマレーシア航空機が行方不明になっています。
飛行機は自動車よりも安全とは言うものの、
いったん事故が起こった際は、命の危険を伴う事態に遭遇します。
今回は事故機とニアミスというタイミングで日本に帰ってくることができ、
命の有り難みを感じずにはおられません。
使命とは “命を使うこと” 、
この与えていただいた命を、大切に使わせていただきます。
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