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ジェット機曲線




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しばらく英会話学習についての更新が滞っていました。
その間まったく学習していなかった ・・・ というわけではないのですが、
ややマンネリになっていたということはあるかもしれません。

「継続は力なり」と言いますが、これは真実ですね。
低迷しながらでも続けていると、
ほんの少しずつでも英会話に対して耳も口もできてきているのを
感じることができ、これが何よりの励みになります。

私は何事にもマニアックに追求するタイプです。
英会話の学習そのものを徹底的に追求するのだったらよかったのですが、
私が追求したのは英会話の学習法で、
いろんな学習ノウハウが書かれた本を立ち読み、図書館等を含めて
かなりの量読みました。

「こうすればあなたも短期間で英語がものにできる!!」
と書かれた本はたくさんありますが、
そのいずれもが異なる方法論を説いていて、
その異なる方法論の中から何らかの共通点を見つけ出したり、
その著者の個性を探っていくのは、
なかなか楽しい作業です。

これはひとつの心理学、社会学のようなものです。


学習そのものは停滞していても、
やはり書店でよさそうなテキストを見るとつい欲しくなり、
これまでこの二年半ほどの間に、
雑誌を含めて三十冊ほどのテキストを買いました。

もちろんそのすべてをキチンとやったわけではありません。
ほんの少し、さわりの部分だけを学習したもの、
中には買ったままでまったく手を付けていないものもあります。

どれから、どういう順番でやろうか・・・、
いろいろと色気を出しながらも冷静に考えてみたのですが、
その結果出た結論はひとつです。

まずは最も簡単なところから、
そしてそれを徹底的に習熟させて次に進むのがいいということです。


私がこれまでかなりの回数反復学習してきたものは、
以前にも紹介した以下のテキストです。

1日10分!「英語回路」育成計画 [CD付]
1日10分!「英語回路」育成計画 日本名作編―速読・速聴 (楽英シリーズ)
1日10分!「英語回路」育成計画 世界名作編―速読・速聴 (楽英シリーズ)

これらのテキストは徹底的にやりました。
付属のCD音声は i-Pod を使って200回近くは繰り返し聴いたと思います。
音読もたぶん100回以上はしたでしょう。
これで随分英語感覚とヒアリング力はついたと思います。

スピーキングの練習はこの二冊です。

どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)
スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング

文型別になっている易しい方の「どんどん〜」は、
3回ぐらい繰り返し、ほとんどマスターしたという感触を得ました。

ランダムにいろんな文型が出てくる「スラスラ〜」の方は、
後半三分の一ほどの意図的に複雑にしているような

    あなたは彼女があなたの知らない男性と歩いているのを見ましたか?
     → Did yoy see her walking with a man (whom/that) you did not know ?

こういった難しい文は除外して、
それ以前のところを現在4回目の学習をしているところです。


他にも平行して学習しているテキストは何冊かありますが、
やはり大切なのは、
徹底して習熟したといえるまでやりこんだテキストを
いかに増やしていくかということです。
そしてそのためにもまずは簡単なものから始めるということです。

簡単なものはラクで楽しく学習できます。
少しずつ学習が進んでいくと、
それに伴って自分の実力も少しずつ確実に向上していくのが実感できます。

難しいものも、それはそれで手応えがあっていいのですが、
苦しいので、やっていてしんどくなり、
また難しいのでなかなか先に進むことができません。

学習意欲、学習効率という面から考えて、
自分の実力にあったところ、
実力にあったというのは、スラスラできるぐらい簡単なということですが、
そういったところから何度も何度も反復練習し、
その段階がかなり習熟できたという感触をつかんでから
次のステップに上がるのが最善の方法だと感じます。

そのようにすると、
新たに進んだ次のステップもラクで楽しく学習することができます。


英会話学習を続けながらこんなことを考えたのですが、
これは振り返ってみると、
私が以前勤めていた公文式の学習方法とまったく同じです。

公文式は、たとえば算数の場合、
小学校高学年の子どもでも、
たいていは 1+1=2 のような小学一年生レベルのプリントからスタートします。

こういった最も初歩的(基本的)なところからスタートし、
それをものすごいスピードで解くことができるまで習熟し、
それからほんの少しだけより難しい問題へと次々ステップアップしていきます。

そしてそれがどんな段階、たとえ自分の学年を超えた問題にまで到達しても、
次のステップに進む時には、
その前段階の問題はきちんと習熟できているという状態に変わりはありません。

これを “ちょうどの学習” といいます。
ちょうどの学習のちょうどとは、
その子の実力にちょうどということ。

その子の実力にとって難しすぎず易しすぎず、
最も学習意欲がわき、最も効率よく実力を伸ばせる
ちょうどのところです。

この学習法のノウハウと、
その学習法が具現化できる
ほんの少しずつ段階的に難易度を増していく公文式のプログラム教材は、
本当にすごいものですが、
この考え方は、私が現在続けている英会話学習にもぴったりと当てはまり、
またその他様々なものに応用できる素晴らしい知恵なのだと
このたび再認識しました。


徹底した習熟を求めながら新たなステップへと進んでいくというのは、
頭では理解できても、
実際それを実行するのはなかなかじれったいところがあります。

「こんな簡単なところを何回もするよりも少しでも早く先に行った方が・・・」
人はついついそう考えてしまうものです。

けれども実際子どもたちに様々な方法で学習してもらったところ、
最初は遠回りのようでも、
やはり基本的なところを徹底しながら次へ進むという学習方法が、
将来にわたっての最も実力の伸びが大きいのです。

このことを公文では “ジェット機曲線” と呼んでいました。
ジェット機はプロペラ機と比べて長い滑走距離が必要です。
同じ時に滑走を始めたら、
滑走距離の短いプロペラ機の方が早く飛び立ちますが、
長い滑走距離で勢いを付けたジェット機は、
いったん飛び立ったらものすごいスピードで上昇し、
じきにプロペラ機を追い越していってしまいます。

地上で長い距離飛び立つための準備をしたジェット機の方が、
長い目で見て早く高く大空に飛び立つことができるのです


これと同じような話はいろんなところで耳にします。

職人でも芸人でも、下積みの生活が長いほど後の成長が大きく、
途中でダメになってしまうことが少ない言われています。

先日の「奇跡のリンゴ」の木村秋則さんは、
自然栽培で育てた稲は、
化学肥料をたくさん施した稲と比べて初期の成長は遅いものの、
目に見える地上の部分がなかなか成長しない初期の段階でしっかりと根を張るので、
後からの成長が早く、
最終的には一般の農法の稲と変わらない大きさにまで成長し、
そして根をしっかりと張っている分だけとても丈夫で、
台風のような災害が起き、普通の稲が倒れてしまうようなことがあっても、
風に負けず被害に遭うことがほとんどないと語っておられました。

何事においても基礎力は根っこのようなもの、
これをまずしっかり大きく育てることが、
そのものを丈夫にし、豊かな実りをたたえる絶対の条件です。

そしてそれはまた楽しくラクに進んでいく道でもあります。


自分にとって今最も大切な基礎力とは何なのか、
難しすぎず易しすぎず、
最もやり甲斐があって力がつく課題とはとはどのようなものなのか、
そしてそれを少しずつ段階的にステップアップしていくためには・・・。

それをしっかりと考え、実行することができたなら、
その人の未来は高く遠い、
ジェット機曲線の遙か彼方に輝いているのではないでしょうか。

何も咲かない冬の日は、下へ下へと根を伸ばせ、やがて大きな花が咲く。

    〜 高橋尚子 〜


2010.02.23 Tuesday

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