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トイレ掃除が学校を変え街を変えた
         山口富久広島東区長講述録

平成17年1月29日(土)  岩国市福社会館
岩国掃除に学ぶ会 (再編集 : ヨガナンダ)

■ 話の枕に ~緊張を解きましょう~

皆さん、本日はこういう機会を与えていただいて誠にありがとうございます。
今から1時間半にわたってお話しいたします。
少なくとも講演を聴きに来られた皆さんに「ああ、よい講演だったな」と思っていただけるようお話したいと思います。

今日は「自分がいかに素晴らしいか」ということをきちっと認識してもらえるようなお話をいたします。人は素晴らしい能力を持っているということです。
次に「人は何のために働くのか、何のために勉強するのか、何のために生きているのか」、このことをきちんと分かってもらって、その後にトイレ掃除の話をします。

少し皆さん、緊張しておられます。私も話す前から緊張しています。
私は年に百回以上もこうして挨拶するものですから、(壇上で話す時にも)全然あがりません。
しかし時には失敗もします。どういう時にあがるかといいますと、美しい人と魅力的な人が多い時にあがります。今日はものすごく上がっています(笑い)。 緊張しています。
その緊張をまずほぐします。
今年はトリ年なので、トリのように羽ばたいていきたい。そのために緊張をほぐします。
トリの中の最高のトリとは、金のトリです。
これは蚊取り線香の「金鳥」ですが(と「金鳥」の商標ラベルを取り出して) 、これをこうほぐして(ラベルを手の中でクシャクシャにする)、リラックスして(シワを伸ばして聴衆に見せる)、今年も羽ばたいていきたいものです(笑いと拍手)。
今日も楽しんで帰ってください。

井辻栄輔快調

さて広島掃除に学ぶ会には、(今日もメンバーが来ておられますが)体重百キロ以上もある井辻快調(会長のこと)がおられます。この会場にはダイエットが必要な人はおられませんが、井辻さんはいろんなダイエットに取り組まれました。
そのいずれにも全部失敗して、最後は「乗馬ダイエット」というのに出合った。
馬に乗るんです。3ヶ月で大体10キロ落ちるそうです。
井辻さんがやられて1週間で10キロ落ちました。馬の体重の方です(爆笑)。
緊張がほぐれたと思いますので本題に入ります

■ いかに自分が素晴らしいか

さて、最初に「いかに自分が素晴らしいか」ということを証明します。
5分後には、皆さんに胸を張って自信を持ってもらいます。

まず皆さん、自分がどれくらい価値があるかお金に換算してみてください。
遠慮しないで精々ふっかけて決めてください。
1千億円以上の人は手を挙げてみてください。おや、岩国市の人は皆さん謙虚ですね。
それでは1日1億円としましょう。年に300億円。百年生きるとして、3兆円の価値があるとします。そこで1日1億円を使わなくてはいけないとします。
想像してみてください。貯金してはいけませんよ。とにかく使わないといけません。
例えばフランス料理を食べたい。
ジャンボジェット1機をチャーターしてフランスヘ行き、百万円のフランス料理を食べて、1泊1千万円のホテルに泊まってという生活が毎日です。
世界中の自分の好みの異性が自分に惚れてくれるとします。
十人がいつも自分の周りにいてお世話してくれます。
それが毎日続きます。そういう自分と今の自分とどちらがいいですか。
ただし1日1億円使えて、十人の異性が惚れてくれている自分には両手両足がなしです。
いらないですね。口に出したら全部やっていただけるのですから。
両目もなし。それと今の自分とどちらがいいでしょうか。
今の自分がいかに恵まれているか分かるでしょう。

手と足が動いて、目が見えるのが9,900点とします。
その上に頭がいいとか悪いとか、金があるとかないとか、顔がいいとか悪いとかがあります。
そちらに恵まれない人は20点、全部恵まれている人が90点としますと、9,920点と9,900点です。
人はここの差だけをダーッと拡大して劣等感というものを持ちます。
劣等感を持ったら何がいいかというと、努力しなくてもいい。
劣等感を持って努力から逃げています。

ただ誤解の無いように言っておきますが、障害者で、場合によっては7,000点位の人もおられますが、それらの人は一万点以上の働きをしておられます。
障害のある人が何故この世の中におられるかといいますと、障害者はあの世からこの世に来る時に、この世の中で思いやりや優しさを引き出す大役を持って来られています。
しかも自分で選んでです。この世の中に障害者の方、歳を取って障害者になられる方が、まったくいなかったらどんな世の中になるか想像してもらったら分かるように、ギスギスした冷たい世界になります。
だから障害者の人はすごく重要な役割、すなわちこの世の中を温かくする役割を持っておられます。誤解が無いようにしてもらいたい。
皆さんがいかに素晴らしい能力を持っているかということを言うために、こんな話をさせていただきました。

■ 限界を作ることは

もう少しあなたの劣等感をなくしたいと思います。
自分に「限界を作ってくれるな」ということです。
サーカスの象がいます。あれが1メートルくらいの杭にチェーンで繋がれたら逃げないですね。
それは何故かというと、子象の時に大木にチェーンで繋がれて逃げられなかったからです。
だから自分はチェーンに繋がれたらもう逃げられないと勝手に思い込んでいます。
つまりそれは自ら限界を作って「自分は出来ない」というようにしているんです。

私たちもそうです。小学校に行く前、もともと体力がなかったわけですから、何かやってみたらうまくいかなかった、出来ないと思った。
何かやろうと思っても、親から「危ないからそんなことをやってはいけない」と言われて出来なかった。
ようするに、出来ない、出来ない、出来ないと逃げてきていただけなのです。
象も素晴しい能力があるのに限界を作って逃げています。
限界を勝手に作っておいて自分は努力しないでも良いという理由づけをしています。
人は誰でも個々人で素晴しい能力を持っています。
もしそれを殺ぐような限界を作ってるのであれば、それを是非外してもらいたいのです。

■ 人間社会にも限界なし

人間社会においても素晴しい能力を持っていることをこれから証明します。
アニメで「ドラえもん」というのがあり、「どこでもドア」、「タケコプター」とかいろんなドラえもんグッズを持っています。
あれが百年後に世の中で全部実現出来ると思っている人いますか。
答えは百年後には全て100%できます。それをこれから証明します。

4百年前に徳川家康がいました。日本で一番金持ちで、一番の権力者だった。
その頃に藤子不二衛門という漫画家がいたとしたら、今の私たちの生活、例えば携帯電話、自動車、ジャンボジェット、テレビが漫画になっていたとしても、当時の人は見もしないし、誰も相手にしない。もちろん漫画にもならなかったですね。
4百年前に漫画にもならなかったものが、今では100%できているわけです。
想像もしなかったものが出来ています。

4百年と言いましたが、今度は百年前の明治の終わりごろに、今の世の中が漫画になっていたでしょうか。
わずかに漫画になっていたものもありますが、ほとんどが漫画にもならなかったですね。
想像もしなかった。だから今、人間が想像することは100%出来るし、想像していないことも百年先には起きてきます。
個人も限界をはずしてもらいたい。世の中、社会全部にも限界をはずしてもらいたい。
皆さんは素晴しい能力を持っています。

もうひとつ、劣等感をなくすために話をします。
トイレの神様からのプレゼントです。ひとつだけ神様が直してくれます。
自分が一番嫌なところでもよいし、嫌な出来事でも良いですが、これだけはとにかく直してもらいたい、ということをちょっと頭にイメージしてください。
神様からの解答は、「そら、そこがあなたの一番魅力的なところです」 ・・・ これは真理です。
これで一番の劣等感がなくなりました。

■ 何のために働くのか

さあ、これで皆さん、自分に自信を持ってもらいました。
ではこの素晴しい能力を持ったあなたが「何のために働いているのですか」、「何のために勉強しているのですか」、あなた自身の解答をチョット頭の中に描いてみてください。

「何のために働くのか」、その解答を言います。まず1番は自分のために働くのです。
もう少し能力のある人は、2番「家族のため」。
さらにもう少し能力のある人は、3番「組織」、会社でもいいし役所でもいいです。
3番で終わるのだったら、この世の中にいない方がいいかもしれませんね。

大切な答えは4番目以降です。
「世のため人のため」、これが答えです。
これでは抽象的ですから、ここは岩国ですから、まず4番目は「岩国市民のため」、5番目は「山口県民」のため、6番目は「日本国民のため」。
これで終わっていたらエコノミックアニマル日本で、日本国も世界の中でいらない存在です。
もう少し広がって7番目「人類のため」。8番「地球のため」。
もうひとつあって、9番目「宇宙のため」があるかも分かりません。
それは分からないので言いません。それが働く目的です。

番号をつけたのは、これには優先順位がありますよ、ということが言いたいがためです。
1番は「自分のため」でいいです。もう少し能力を上げて、2番にし3番にして、うまくいっている時はなるべくその輪を大きくしておきます。
そして自分が病気になったら、パッと1番に戻ります。
そのような時は家族を放っておいても、世の中がどうなってもいいのです。
自分が病気なら病気を一生懸命治します。一ヶ月、三ヶ月かかってもいいです。
それで治ったらまた輪を大きくしていきます。
家族の誰か一人にトラブルが起きたら、パッと2番に戻ります。
その時の世の中がどうなろうが、それは放っておけばいいのです。

家族の問題を解決したら、また輪を大きくします。
また会社でトラブルが起きたら、皆でカバーし合います。
その時は世の中に迷惑をかけてもいいです。会社が立ち直ったらまた輪を大きくします。
一生かかって大きくしたり、あるいは小さくしたりしながら、一生が終わった時に、この輪が大きければいいだけです。それが働く目的です。

さきに言いましたように、素晴しい能力を1番とか2番とか3番とか「そんなケチ臭い所だけに使ってくれるな」という話です。
素晴しい能力を持ってこの世の中に来ているのですから、なるべく輪を大きくしてもらいたいですね。これが「働く目的」です。

■ 何のために勉強するのか

それでは、「何のために勉強するのか」といいますと、自分のために勉強するのではありません。
世の中に貢献できる人間になるために勉強します。
勉強しなかったら1番の能力しかありません。
もう少し勉強したら2番に行くし、3番に行くし、そして4番、5番、6番、7番、8番目に行きます。
そのために勉強します。

子供に「勉強せよ、勉強せよ」と言う時に、「あなたは金持ちになれるから勉強せよ」、「地位が上がるから勉強せよ」と言ったら勉強はしません。
クラーク博士は昔の札幌農学校(今の北海道大学)の教頭でしたが、この人が言った言葉に、 「少年よ、大志を抱け!」という言葉があります。
私もここまでは知っていても、その先を知りませんでした。実はこれにはあと二行ほどあります。
「大志とは地位とか名誉とか金を得ることではない。
 本当の大志とは、自分の好きなこと、得意なことを通して世の中に貢献することだ。
 そのために勉強しなさい」
と言われています。

私はまったく逆に考えていました。地位とか名誉とか金が大事だと思っていたからです。

■ 何のために生きているのか

これまで述べてきたことが、「何のために働くのか」、「何のために勉強するのか」ということですが、今度は「何のために生きているのか」という話です。これから全部お話します。
今日からは働くことも、勉強することも、生きることも全部が楽しくなります。
今日以降は全部楽しくなります。
これから先は一種の宗教ですからね。私の考えであって、皆さんは皆さんでそれを参考にして考えてください。まず何のために生きているのか。

ここに立っている私の肉体が見えます。人間は何からできているかというと、肉体と、それに好きとか嫌いとか、嬉しいとか悲しいという心、感情のようなものがありますね。動物もここまではあります。
この二つだけでなく、もうひとつ、私は「魂」と言いたいのですが、「霊」でもいいです。
そうした言葉の嫌いな人は、理性とか本性とか良心とかです。
私はこれを修業するためにこの世の中で生きていると思っています。
もう少し簡単に言うと、人間性、人格を高めるためにこの世の中に存在し、百年間なら百年間を生きるということが答えです。

そうすると死んだらどうなるのかという話になるわけです。
私は来世は「ある」と思っています。前世もあって今世もあって、来世もある。
十年前があって、今年があって、また十年後があるように、来世もある。
それを「あるかないか」を示せと言われたら、私は示す方法を知りません。
知りませんが、来世があると思って今日を生きることと、来世がないと思って今日を生きることと、どちらが有意義に今日が生きられるかというと、それは「ある」と思う方です。
私は勝手に思い込んでいます。

それではどんな来世があるかという私の来世観をお話しします。
キリスト教でいうと羽根があってネグリジェのようなものを着ていて、天使というのがいますよね。それがズラーっと並んでいて、という具合です。
仏教で言うと、天女の羽衣を着たスケスケの美人がズラーっと並んでいて、死んだらそこヘドーンと行くと思っています。だから死も楽しみです。
これは私の来世観です。女性の方は、キムタクがズラーっと並び、ヨン様がズラーっと並んでいてもらえればいいですね。

私は輪廻転生があると思っています。私はこれまでにいろいろなお坊さんや牧師さんにお会いしました。宗教関係の本も二千冊くらい読みました。
というのは、四十二、三歳の時に一度自殺しようと思ったことがあるのです。
その時に死ぬことが出来なくて、生きていなければいけなくなったわけです。
だったらきちんと、何ために生きているかということを整理しない限りは生きておれないわけです。
ですから私は私なりにいろんな所に行って、私なりに研究し、五、六年かかってきちんと整理しました。それを皆さんに三分ぐらいでお話します。
それはもっと高いレベルに皆さんに行ってもらいたいからです。

私は輪廻転生、来世はあると勝手に思っています。
輪廻転生は同じ所をぐるぐる回るのではなくて、螺旋状に向上していきます。
一周が一生、百年間です。次には高いレベルに上がって生きていくということです。
だから「人生とは魂の修養ゲームである」と思っています。
「ゲーム」というのは、楽しみながら自分の人格、人間性を高めていくということです。

■ 人格・人間性を高めるために

それだったら、どうしたら人間性、人格が高まるのかと考えるわけです。
毎日を遊んでいても少しは高まりますが、一番いい方法は、試練・苦労がたくさんもらえれば自分が成長できるということです。
皆さんの過去を振り返ってください。中学生とか高校生時代を振り返ってもらうと、無事に過ぎた1年間と、泣いたり悩んだりした1年間と、どちらが人間的に成長していますか。
今考えると、どちらがほめてやるべき1年間であったかというと、試練・苦労があった時が一番成長しています。
それだったら、試練・苦労をたくさんもらって自分が成長すればいいわけですよね。

だがどうやったら試練・苦労がたくさんもらえるかなと思ったら、一番いい方法は仕事を通してもらうことです。
ボランティアでもいいし、他のものでもいいですが、一番いいのは仕事とかボランティアを通してです。
さきほど働く目的は、とお話しましたが、働くのは目的ではなく単なる「手段」です。
自分に苦労をもらうための、また自分を成長させるための手段です。
苦労・試練がどうやったらもらえるかというと、さきほどお話しした働く目的の輪が大きければ大きいほど、それに比例して試練・苦労がたくさんもらえます。
だから働きは、なるべく世のため人のためにと輪を大きくすることです。
そうすると試練・苦労がたくさんもらえて自分が成長できます。
「世のため、人のため」と言いましたが、最終的には全部自分に戻ってきます。

職場で人事異動がある時には、私の場合には皆さんには自分の好きなところに行ってもらいます。私は皆が嫌だと思うポストを希望します。
その職場に行きますと、そこで一番嫌な仕事は何かということを探します。
一番嫌なポストに行って、一番嫌な仕事をします。当然ながら試練・苦労は多いです。
それをクリアしたら自分が一番成長できます。そういうことをずっとやってきました。

仕事の試練・苦労というものは、自分を修行させてくれるものです。
甲子園を目指している高校球児が暑い日の夏休みに一日中走っていますね。これは監督から言われたわけではない。お金がもらえるわけではない。それは甲子園という夢があるからです。
それは修行という楽しみでやっています。仕事で嫌々やっているのではない。私たちもそうです。試練・苦労をもらったら自分が成長できる。その成長が修行の楽しみです。

■世の中に苦しみはなく、楽しみのみ

この世の中は三つの楽しみでできています。
ひとつは自分がおいしいものを食べたり、どこかに遊びに行ったり、旅行したり、そういう楽しみです。これは大切なことですから皆さんも楽しんでください。
しかしこれはどちらかというと入門編ですね。
二番目の楽しみは何かというと、自分が人間的に、人格的に成長できる楽しみです。さきほど言った苦労・試練をもらい、それをクリアしていって成長する。そういう修行という楽しみです。
これが二番目の楽しみです。中級編です。
三番目、本当の楽しみは、自分が人のお世話をして、その人が幸せになっていることに気づくこと、これが最高の喜びです。お母さんが赤ちゃんの世話をしている、赤ちゃんがニコッと笑う、さあその時が最高の幸せですよね。お返しがもらえるわけではない、お礼の言葉がもらえるわけではない、これが世の中の一番の幸せであり、楽しみです。

この世の中には苦労・試練がなくて修行という楽しみしかありません。勉強も、自分のために勉強するのではありません。自分が実力をつけて世の中に貢献する。そのために勉強します。
自分のためだったら眠くなると眠ってしまいます。自分が金持ちになるのを諦めた、地位を諦めたと言って、努力することを止めてしまいます。
「違う、違う、あなたが社会に出て、社会に貢献するあなたを世の中の人々は待っているのだ」と言われたら、「よし、頑張ろうか」、「世の中のために頑張ろうか」という気になります。
仕事もそうです。仕事は自分のため、自分の家族のためだけではなくて、世の中に貢献するためにやるわけです。それだから楽しみになって、ひとつもつらいことはないです。そのように考えると、世の中のことは全部楽しいことばかりです。

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