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2018年5月1日 ・・・ 鬼門と北枕

古くからある諺や言い伝えは、
何らかの理に適ったものが多く、
そこから古の人たちの知恵を感じ取ることができます。

しかしながら中には誤った内容や解釈がされているものもあり、
そこはしっかりと見極めなければなりません。


先日ある知り合いが「北枕はよくないから ・・・ 」と話しているのを聞き、
いまだそういうことを信じている人がいることに驚きました。
自分にとっては『北枕こそがいい方角』というのが、
何十年も前から常識になっています。

武術などを指導することを指南と言い、
その指導者は指南役と呼ばれます。

今からちょうど三十年前、
奈良でシルクロード博が開催され、
そこで古代中国からあるとされる指南車というものを見ました。



荷車の上に指南役とされる人形が設置され、
その人形がひとつの方向を指さしています。

荷車の中には左右の車輪の動きに応じて動く歯車があり、
荷車がどの方向に進み、曲がろうとも、
常に指南役の指す方向は変わらないようにできています。

つまり指南役の指を最初に南に向けておけば、
それ以降はずっと南を指し続ける、
だから指南車ということです。


ではなぜ“指南”なのか。
指南役が南を指さすということは、
北に背を向けているということ。
そして指南される側は、指南役よりも南にいるということです。

地球は北極から南極、北から南に向かって地磁気が流れ、
これが大地の大きなエネルギーとなっています。

指南役の位置する北はエネルギーの上流であり、
このエネルギーに則り、
上流から下流に向かって指南するという形になっています。

つまり北の方角はエネルギー的に見て上座であり、
『君子南面す』という言葉があるように、
君子、皇帝となった人たちは、指南役と同様北に背を向け、
南側にいる人たちと対座する形を取ります。

中国の都も、日本の平城宮、平安京も、
帝が位置するのは北側で、そのことがよく分かります。




南に向かって座し、そのままの状態で体を床に横たえれば、
自然と頭は北側、北枕となります。

「北枕は不吉だ」と言われるようになった理由は諸説ありますが、
たぶん死者を北枕で寝かせるところから来ているのではないかと思われます。

これはきっと死へと旅立つ人を弔い、労う意味で、
地磁気の流れとして最も理想的な北枕で体を置き、
極楽浄土に行ってもらいたい、
またあわよくば、再び息を吹き返して欲しいという
願いも込められているのではないかと感じます。


地磁気という大地の流れが頭上から足下へと流れる北枕は、
風水的に理想の方角です。

けれど今こうして書いていて思ったのですが、
男性と女性は体の特質が正反対で、
男性が陽であるのに対し、女性は陰性、膨張の理を持っています。

膨張の理を持つ女性の体は下から上へ向けてのエネルギーの流れを受け、
子宮も乳房も、その流れで渦を巻いています。



だとしたら、女性は北側に足を向ける南枕にすると、
大地のエネルギーと肉体のエネルギーの流れが合致し、
気がスムーズに通ります。

この考え方はこれまで目にしたことがありませんが、
理に適っているので、試してみる価値はあると思います。


とは言え、エネルギーの流れは地磁気だけではなく、
家の中には様々な気が満ちています。

その中で、自分にとって最も理想的な状態、体を休める場所、
枕の方角はどこなのか、
それを最も尊い自分の感覚で探っていくことが大切です。


北東の方角を鬼門と呼び、一般的に忌むべき方角とされています。

けれどこれは不吉な方角という意味ではなく、
大地のエネルギーが流れてくる北、
そして太陽が昇り、天のエネルギーが注がれる東、
その二つの方角の中間であり、
強いエネルギーが流れくる場所であるがゆえ、
尊ぶ意味合いを持つものです。

地元広島には、知り合いの風水師によると地球の中心とされ、
女性性器、亀甲墓の形をした二葉山があり、
そのふもとには数多くの神社仏閣が建てられ、
広島城は、そこが鬼門の位置となる場所に築かれています。

京の都の鬼門には比叡山延暦寺、
江戸城の鬼門には浅草浅草寺、
そしてその先には徳川家の墓のある日光東照宮があり、
都や、その統治している場所にいいエネルギーが流れ込むように、
先人たちは都や城を築きました。

ですから貴重なエネルギーが流れてくる鬼門には、
水場やトイレなどの不浄なものを置いて汚してはいけないのです。


それと、鬼門(北東)と裏鬼門(南西)で陰陽のエネルギーが分けられ、
鬼門から時計回りで裏鬼門までが陰、
裏鬼門から鬼門までが陽となり、
それゆえ、その境目の鬼門と裏鬼門は不安定な場所で、
なるべく避けるようになったと考えられます。



これも随分昔、二十数年前のことですが、
この方角の陰陽の理合いに則り、
家にあるものの陰陽を診て、
それぞれが陰陽の位置に置かれるようモノの配置転換をし、
家の気が随分とスッキリとした経験があります。

今はそこまで細かいことにこだわっていませんが、
鬼門には赤い陽の五芒星、
裏鬼門には黒い陽の五芒星を置き、気を整えています。
  五行の法則<2>



この五芒星の護符はシンプルですが、確実に効果があります。
ただし星形だけの五芒星と周りを五角形で囲ったものは、
理がまったく異なるので要注意です。

鬼門と裏鬼門で分けられる陰と陽の領域、
どちらが陰でどちらが陽か分からなくなった時は、
おひな様を見てください。



陽性である男性がいるのが左、、西側です。
そして陰性の女性は右、東側です。


一時の風水ブームの時のように
異常なまで方位にこだわるのはどうかと思いますが、
天地自然の知恵として、
その根本原理だけは知っておいて損はないと感じます。

2018.5.1 Tuesday  
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