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2018年4月13日 ・・・ 満ち足りた時

先日、最高の憩いの一時を過ごすことのできる
喫茶「赤い屋根」に行きました。
赤い屋根は広島市北部の少し小高い住宅地にあり、
自宅からは遠く、約一年ぶりの訪問です。

いつも窓際に飾られている花はまだ冬仕様の白いシクラメンで、
もうすぐ紫陽花とバトンタッチする時期が近づいているにも関わらず、
その純白の花は、みずみずしい張りと勢いを保っていました。



赤い屋根は下界とは隔絶した異次元空間です。
店の内装、飾られている花、窓から見える風景、流れる音楽、・・・
そのすべてが完璧な調和を保ち、
訪れる人に、店の外での様々な思いをすべて忘れさせてくれます。

今回は特に静かに流れる音楽に心打たれました。
アンドレ・ギャニオンの「風の道」、
「ここも風の道になっているんですよ♪」というママさんの言葉を聞きながら、
店のすべてのものと溶け込んだ音楽が、ただ心地よく耳に響きます。



長年オーディオを趣味としてやってきて、
ここのステレオの、特別迫力があるわけでもなく、
特にきめ細かい音を奏でるわけでもない、
少し古めかしい安価なステレオの音が、
なぜこんなにも空間と調和し、心に染み込む音となるのか、
それが不思議でなりません。

これは音だけではなく、
生けられた一本の花、コーヒーカップひとつ、
すべてのものの調和が取れ、最高のアンサンブルを奏でているので、
そのものの持つ最高の真価を発揮するのでしょう。

“ものの価値”それが持つ本当の意味を、
ここ赤い屋根で感じ取ることができます。


その最高のアンサンブルを奏でるための
最も重要な要(かなめ)となるのがママさんのお人柄です。

穏やかで、にこやかで、包み込むような優しさがある、
そんなママさんのお人柄があってすべてのものが活かされ、
赤い屋根のすべてのものは、
ママさんのお人柄を映し出す分身のようなものです。

これは五年前、インドのスレッシュ親娘と赤い屋根を訪ねた時のもの、
右側がママさんです。



ここにいるといつも時間が止まっているかのようで、
店を出る時に、
「今日は何分、何時間いたのかな?」と、
時間の感覚が分からなくなってしまいます。

赤い屋根では時が自然と流れ、
そこにいる間は、ただその場所、その時を、心から味わうのです。


先日訪ねた時は他のお客さんが誰もおらず、
ママさんとゆっくりお話しさせてもらうことができました。

その中で、ママさんが笑いながらこんなことを言われました。
お店の掃除をしている時にうっかりしていて転び、頭を強く打ったのだそうです。
心配した息子さんが車でママさんを脳外科病院に連れて行かれ、
そこで検査をしてもらったところ、病院の先生から、
「心配ないですよ。 大丈夫です。 立派な海馬をお持ちですよ」
と言ってもらわれたとのことです。


海馬とは原始的な脳の一部で、
最近話題のマインドフルネス(瞑想)を実践すると、
海馬が成長し、大きくなると言われています。
<NHKサイエンスZERO_マインドフルネス瞑想 - Video Dailymotion>

マインドフルネスとは、今、ここ、
自分自身がこの瞬間に感じ、経験していることに意識を傾けること、
赤い屋根のママさんは、ご自分の愛する赤い屋根の空間にいつも佇み、
満ち足りた時の流れの中、一瞬一瞬に喜びを感じておられるのでしょう。


マインドフルネスは今、ここに意識を向けることによって、
心に喜びを感じることができます。
これは「逆もまた真なり」で、心が満たされているがゆえ、
今という一瞬を深く味わうことができます。

マインドフルネスというと形式張った感じがしますが、
その基本は、今の自分に満ち足りた思いを持つということ、
そうすると、自然と今この瞬間を生きることができます。

『満ち足りた時を過ごす』
大切なそのことを、このたび久し振りに赤い屋根を訪ね、
ママさんと赤い屋根という素敵な空間から感じ取らせていただきました。


もし機会があれば、是非赤い屋根に足を運んでみてください。
ここに書いたことを、ママさんの微笑み、
赤い屋根全体に流れるたおやかな時間の流れの中で
感じていただけるものと思います。
  <赤い屋根>



2018.4.13 Friday  
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