ヨガナンダ 心の時代のパイオニア
 ヨガナンダ > スピリチュアル夜話 > 直感力



ヨガナンダ



直感力

生きる喜びとは、生命体が、その持てる命を維持しようとする本能のひとつです。
生きることが苦しみのみであったなら、
どんな生物もすぐに死というものを選択するに違いありません。

自らの生命を維持し、また種としての生命を存続させようとする
個体維持、種保存の本能は、
大きな喜びであり快感です。

可愛い子どもが懸命に生きようとし、
スヤスヤ眠り、ご飯を美味しそうに食べるその姿は、
誰の目から見ても微笑ましく映るものです。

この時空で最も尊いものは生命です。
それを維持するシステムが、
大きな喜びという基盤の上に成り立っているということは、
この時空の本質が喜びであるということを示しています。


自らの命を危険から守り、種を未来永劫存続させようとすることは、
本来きわめて困難なことであり、
命がある間中そのこととの闘いを強いられるべきものです。

けれども私たち人類は、文明という画期的な道具を手に入れることにより、
肉食獣、病原菌、自然災害、食糧危機、・・・
様々な生命の危機から身を守る術を身に付けました。

それによって従来固体の中に身に付けていた危機管理能力を
文明という社会システムに依存させることができるようになり、
私たち一人一人の人間として備えている危険を察知し、それを回避しようとする
生命体としての根源的な生命力が弱まる結果となってしまいました。

生命力そのものが喜びを感じる能力であるのですから、
高度な文明に依存し、生命力の弱まった私たち現代人が、
満たされているはずの生活の中で喜びを感じることができず、
常に死んだような姿になってしまうのは当然の帰結です。


生命を維持するための能力で、
最も大切なもののひとつが判断力です。
この判断力が欠如していたならば、
生命が危機に瀕した時に、それを回避することができません。

今の私たちにはこの判断力が欠如しています。
それは日常生活に中で生命の危機を感じることがほとんどなく、
高度な判断力を求められる場面がないということ。
そして複雑にシステム化した社会では、
いちいち個人が物事を判断していては流れが滞ってしまい、
過去から受け継いできた最も効率的な方法を知識として習得し、
それをより早く反復実習できる能力の方が求められているからです。

今の私たちが求めている効率化が、
発達した文明を築き上げ、
我々はそれによって大きな恩恵を受けていることは事実です。

けれどもそれには負の側面があることもまた事実であり、
今の閉塞した世界情勢は、その負の側面を大きく露呈した結果だとも言えます。

そして効率化は判断力と対極に位置するものですので、
その負の側面が現われた時に、
それを正しい判断でもってストップをかけることができないのです。


判断力の中でも、瞬時に物事を判断する力、
直感力は、最も生命力に近い能力だと言えます。

目前に迫り来る危機とどのように対処するのか、
まったく判断材料がない中で何かの選択を迫られた時にどうするのか、
この研ぎ澄まされた能力は、一種の動物的感覚と呼ぶべきものです。

私たちの持つ五感の能力は、本来は素晴らしい力を持っています。
またその五感の延長線として第六感と呼ばれる能力があり、
文明から離れた暮らしをするアメリカ・インディアンやアポリジニの人たちが、
テレパシーで交信したり透視能力を持っていたりするのは、
この五感の能力を極限まで研ぎ澄ませた結果得られたものだと考えられます。

だぶん将来、人間の持つ能力がより解明されたなら、
こういった超常的な能力も五感と同じ常能力として扱われるようになるでしょう。


平穏な日常を暮らす私たちは、
普段強烈な空腹感というものを感じることがありません。
それを感じるのは、意識的に断食をした時ぐらいでしょう。

食を断つというのは、生命維持活動にとっては危機であり、
そのため、断食をすると体の中の生命維持能力が賦活してきます。
睡眠時間は短くなり、五感は冴え、普段は見えないものが見えたり、
聞えないものが聞えてきたりすることもあり、
直感力が異様に冴え渡り、霊的の能力に開眼される方もおられます。

今私たちに求められているものは、
この生命維持能力を賦活させるための『ハングリー精神』ではないでしょうか。
そのための方法は断食だけではありません。
囚われという余分な感情を断つためのセドナメソッド
ものの囚われから解放するためのスペースクリアリング、断捨離、
いろんなものが考えられます。
そしてそれらのすべてのキーワードが、捨てる、手放すです。


私たちが高度に築き上げた文明が、
今後数年、数十年、このままの形を維持したまま発展していくことはあり得ませんが、
文明というものが、私たちにとって最も大切な判断力、直感力を
奪い取っていくという事実は忘れるべきではありません。

車に乗って見知らぬ土地に行くにも、
今はカーナビがあり、迷うことがありません。
カーナビも今は安価になったのですね、
今日たまたまネットでそれを調べて驚きました。

先日、写真を撮った後からピント合わせができるカメラが登場したということが
ニュースになっていました。
  <撮った後からどこでもピントが合う魔法のカメラ「Lytro」発売>



これはとても便利でかつ効率的です。
しかしここからはけっして芸術的な作品は生まれないでしょう。

芸術とは、直感が生み出す生命の結晶です。
フィルム代を気にすることなく何枚でも撮れるデジカメで、
「ピントの調整は後ですればいいや〜」などという気持ちで
無駄にシャッターを押し続けたとしても、
そこから人の心を動かす作品など生まれようがありません。

固体の持つ肉体生命は一過性のもの、
そして芸術もまた、瞬間が生み出す一期一会のものです。


今はアセンション(次元上昇)ということが話題になっています。
2011年10月28日、日本時間の今日29日は、
カール・ヨハン・コルマン博士の研究によると、
164億年続いてマヤの暦が終焉を迎える時だそうです。

それが100%正しいことなのかどうかは分かりませんが、
今がまさにパラダイムシフトの時であることは間違いありません。

私たち人類だけではなく、すべての生命体は、
その生命維持の歴史の中で、長い停滞と急激な変化を繰返す、
階段状の進化を続けてきました。

そしてその急激な進化の時には、
通過儀礼(イニシェーション)というものを通らなければなりません。

その時には、過去の知識や価値観は役に立たず、
生命が持つ根源の力、判断力、直感力が求められます。

これまでの常識に囚われていては新しいステージに進むことはできません。
新しい時代、価値観の中、何が求められているのかを、
自らの力で判断していかなければならないのです。


生命にとってぬるま湯のような文明生活にどっぷりと浸かっている私たちにとって、
生命力、判断力、直感力を高めるということは容易なことではありませんが、
それが最も求められているという事実は変えることができません。

自らの判断力、行動力で、そのための道へ歩を進めてください。

2011.10.29 Saturday  
ひとつ前へ  ホームへ メニューへ 次へ
Link Free
Copyright 2010 Sakai Nobuo All right reserved.