ヨガナンダ 心の時代のパイオニア
 ヨガナンダ > スピリチュアル夜話 > カルトからの脱却<2>



ヨガナンダ



カルトからの脱却<2>

前項「カルトからの脱却」を書いた翌日、
たまたまそこに書いたことを裏打ちするような情報が目に入りました。
知り合いが書いた個人誌だったのですが、
元々の情報源は、今話題の脳機能学者 苫米地英人氏の著書のようです。

なぜ、脳は神を創ったのか? (フォレスト2545新書)なぜ、脳は神を創ったのか? (フォレスト2545新書)
苫米地英人

フォレスト出版 2010-06-04
売り上げランキング : 261

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

広島に住んでいると、
テレビや新聞で平和について語られない日はありません。
特に夏が近づくと原爆についてのニュースがとみに多くなってきます。

広島は今から65年前の8月6日、
世界初の原子爆弾を
エノラゲイという名前の付いたB29爆撃機によって投下されました。

そのエノラゲイの12名の乗組員は、
みな淡々と罪の意識もなく原爆投下という職務を遂行したということが、
戦後談話として時折新聞紙上等で目にすることがあります。
もちろん彼らは自分たちの行為によって何十万という日本国民が
瞬時に命を落とすことは十分に承知の上だったはずです。

昨年の夏、ニカラグワのテスコ氏が国連総会議長の要職を辞するに際し、
これまでの定説を覆し、エノラゲイには12名の乗組員以外に、
カトリックの神父が同乗し、彼が乗組員たちに
「神の祝福」と「励まし」を与えていたという事実を明らかにしました。

テスコト氏はキリスト教(カトリック)の幹部神父であり、
原爆投下を阻止できなかったことを、
キリスト教者を代表して謝りたいと語ったのです。

あの日、原爆投下を実行する乗組員たちの迷いと葛藤を鎮めるために、
搭乗した神父は、「神のご加護」と「神の祝福」を祈ったのです。

広島市民という非戦闘員の大量殺戮によって下される天罰、地獄行きへの恐れ、
そういった不安を打ち消し、
「正義のための任務遂行により、君たちは必ず天国に行ける」
という神父の祈り、励まし、言葉が必要だったのです。

そして彼らは全員がカトリック信者でした。
アメリカの支配階級は、WASP(ワスプ)と呼ばれています。
ワスプとは、White(白人)、Anglo-Saxson(アングロサクソン人)、
Protestant(プロテスタント)の意味であり、
アメリカ社会は彼らが支配しています。

ケネディ大統領はカトリック信者であったがゆえ暗殺され、
黒人のキング牧師もまた凶弾に倒れました。

自由の国アメリカであっても、白人でもカトリック信者は肩身が狭く、
そのため、白人でもカトリック信者である彼らが
大量殺戮を実行するエノラゲイの乗組員に選ばれたのです。

宗教の大義、正義とは、このようなものだということです。


エノラゲイの話を知った同じ日に、
正義についての、こんなたとえ話を聞きました。

いろんな人に正義とは何かと尋ねました。

イエス・キリストは、正義とは愛だと答えました。
マルクスは、正義とは経済だと答えました。
フロイトは、正義とは性だと答えました。
そしてアインシュタインは、正義とは相対だと答えました。

人によって立場によって正義の捉え方は様々です。
ですからそこに “正解” などというものがあろうはずがありません。
そういう意味では、
アインシュタインの相対という答えが最も正解に近いように思えます。


大変下世話な話ですが、こんなことを思い出しました。

格調高いテーマを扱った映画作品でも、
きれいな女優のラブシーンやヌードシーンが挿入され、
それが話題となり、観客動員に貢献するということがあります。

あるレポーターが有名女優にインタビューしました。
「あなたは映画の中でヌードシーンがあれば脱ぎますか?」
その女優はこう答えました。
「シナリオに必然性があれば脱ぎます」

その答えを聞いたレポーターはこう思いました。
「だったら必然性のあるシナリオを書いたらいいだけじゃないか・・・」

宗教における大義や正義とは、
この「脱ぐ必然性のあるシナリオ」と同程度のものでしょう。
自分たちの都合に合わせて、いくらでもシナリオを書くことができるのです。
それは過去の歴史が証明しています。


正義では争いは治まりません。
けっして平和が来ることはないでしょう。

カルトを脱却し、平和へ至る唯一の道、
それは正義よりも何よりも、命というものを尊ぶこと、
これしかないのです。

2010.7.26 Monday  
ひとつ前へ  ホームへ メニューへ 次へ
Link Free
Copyright 2010 Sakai Nobuo All right reserved.