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原点<2>

一人一人の生きる上での原点、
それを形にしたものが志(こころざし)であり、
その志を形作るキッカケとなる体験だと思います。

その志が、本当にその人の生き方、
あるいは生きる意味、目的に添ったものであるならば、
その志はイコール天命となるはずです。

いきなり天命を見つけるのは難しいかもしれません。
けれども何かを願い、真剣に生き方を模索した上で志を立て、
それに向かって歩を進めていったなら、
きっと最も望ましい、
その人の心の奥底(魂)が求める志、天命と巡り会えるものと信じています。


人にはみな個性があるように、
その人の持つ天命は、人それぞれによって異なります。

当たり前のことですが、
その一人一人の天命は、どんな本を読んでも書かれてはいません。
自ら行動し、見つけ出していくしかないのです。

天命は人それぞれ異なるものですから、
それはけっしてステレオタイプなものではありません。
あるマルチの健康食品の説明会に参加したところ、
その講師がこんなことを話していました。

「人が幸せになるためには三つの条件があります。
 ひとつは経済的幸せ(お金)、二つ目は肉体的幸せ(健康)、
 そして三つ目は人間関係の幸せ(家庭)です」

この講師の方は、
人が幸せになるためには、
この三つの条件が備わっていることが絶対条件であると
信じ込んでおられるようです。

またこの三つが満たされてさえいれば、
誰もが幸せになれると思っておられるのでしょう。
これは生きる原点を深く見つめないように教育をされてきた
私たち日本人のひとつの典型的思考であるように感じます。


人はこの世に生まれ落ちた瞬間、全員が天から封書をもらって生まれてくる。
その封書を開いたら、あなたはこういう生き方をしなさいと書いてある。
しかし、せっかく天からもらった封書を一回も開かないで死んでいく人が多い。


これは森信三先生のお言葉です。
また森先生は、天命は封書に書かれているのだから、
それを読むために封を破る際には苦難が伴うとも述べられています。


私は普通の人とはかなり違った生き方をしてきました。
とにかくいいと思ったことを徹底的に追い求め、
損得勘定がまったくできず、
グータラなくせに好きなことしかしないという
ある面バランスの著しく欠けた、
世間一般の理想からは大きくかけ離れた生き方です。

けれどもそのお陰で、
自分の天命というものを若いうちから確信を持って自覚することができました。
ただグータラであるがゆえ、
のらりくらりとなかなかそれに向かって前に進むことができない自分に
かなりのいらだちを覚えてきましたが、
それを含めて自分の持つ個性なのでしょう、
いい面悪い面すべて併せ持った一人の人間としての自分を
歳を取るにつれて深く愛せるようになりました。

私の天命は、
『この宇宙(時空)、生命の持つ真理を探究し、
   これからの時代に必要となる新たなる価値観を
     分かりやすく多くの人に伝えること』
これしかありません。

なぜ確信を持って「これしかない!」と言えるのか、
それには二つの理由があります。

ひとつは、このことに深い魂の喜びを感じるからです。

もうひとつは、自分の持つ能力、適正、
そして周りの人やものとの出合いという導きが、
すべてこの天命をまっとうするために最も適した形で与えられたということを
明確に感じ取ることができるからです。

ひとつは魂という内的感覚、
もうひとつは己の肉体も含めた、
魂の外側という意味での外的感覚ということです。


天命を知る簡単な方法というのがあります。
三つの円を三角形の形で配置し、
その円がすべて重なった部分が天命だというものです。

三つの円の中身は、
ひとつは「自分のやりたいこと」、
そして「自分のできること」、
最後に「人の役に立つこと」です。

天命の図

つまり自分のやりたいことで、しかもできること、
そしてそれが世の中の役に立つことであれば、
それが天命だということです。


あなたが本当にやりたいことはなんですか?
そのことに心の底から喜びを感じますか?

自分の与えられた能力、適正から、
またこれまでの人生の出合い、導きから、
自分は何を求められているのか、
また魂が何を求めているのだと思いますか?

そのことを是非真剣に追い求めてみてください。
それがあなたの心にしまっている封書の封を破る作業です。

2010.3.8 Monday  
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