日本人の魂
見知らぬ外国に旅をすると、その国の空気を肌で感じると同時に、
生まれ育った日本の文化を再認識することができます。

日本にいる時には感じることがなかった「当たり前」のことが、
文化の異なる外国に行くことにより、
それが日本独自の文化や民族性、個性であるということを気付かせてもらえます。

今の日本にはいいところも悪いところもたくさんあります。
けれどやはり日本人の根底には日本人の魂というものが流れていて、
それに触れるものには大きく心が動かされ、
胸の奥から熱いものがこみ上げてきます。


日本語を母語としない外国の人が歌う日本の歌を聴くと、
なぜか日本人歌手のものとは違う種類の郷愁や言葉の深みを感じます。

それは日本の文化を客観的に見つめ、
日本人には気付かない日本のよさを体現してくれているからなのかもしれません。


「白い色は恋人の色」はもう40年以上も前のヒット曲ですが、
アメリカ人女性デュオ ベッツィ&クリスが歌うこの曲は、
少したどたどしい日本語が、野に咲く美しい花のように心の中に染み渡ります。



インドの若者たちが震災の復興を願い、その思いを歌にしてくれました。
歌詞の持つ言葉の意味のひとつひとつがストレートに胸に響きます。



スーザン・オズボーンが英語で歌う日本の歌は、
本来の日本文化とは異なるかもしれませんが、
普通の日本の童謡にはない透明感を感じます。








まだ数時間前のことですが、
YouTubeで幼い女の子の歌う歌を聴いて衝撃を受けました。
女の子の名前はMelissa Kuniyoshi(メリッサ・クニヨシ)、
ブラジルに住む日系五世、まだわずか八歳の女の子です。

日本語を話すことのできない彼女が歌う「瀬戸の花嫁」は、
無条件に心の奥に突き刺さり、普段表に出ることのない、
たぶん大和魂とでも呼ぶべき日本人の持つ根底の魂を大きく揺さぶります。



これを聴くと、もうただ涙、涙です。
なぜ地球の裏側のブラジルの、しかも日系人とはいえ日本語の喋れない幼女の歌に、
こんなにも日本人の美徳や魂を感じるのでしょうか。
私の文章力、表現力ではとても言葉にできません。

ずいぶん前にNHKのど自慢がブラジルで開催された時の模様を
テレビで見たことがありますが、
あの時会場を埋め尽くした日系人の方たちの、
旧きよき日本の姿を思い、日本の歌に大歓声を上げ、涙する姿を思い出しました。


一青窈の「ハナミズキ」は、抽象的な言葉を並べた歌詞の中に、
死を悼むメッセージが込められた深い曲です。
一青窈は9.11テロと接し、この曲を書いたそうです。



この静かに深い表現力は一体どころから出てくるのでしょうか ・・・ 。
そして最後の司会者の言葉にまた心打たれます。
ホント、言葉がないです。

ありがとうMelissa Kuniyoshi(メリッサ・クニヨシ)ちゃん、
あなたは日本人に、日本人の持つ素晴しい誇りを思い出させてくれる天使です。
いつかあなたの歌を生で聴きたいです。



  <Melissa Kuniyoshi - YouTube検索>

2012.6.8 Friday



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