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ガイアの時代
地球はそれ自体が大きな生命体である。
全ての生命、空気、水、土などが
有機的につながって生きている。
これをGAIA(ガイア)と呼ぶ。
ジェームス・E・ラブロック
「ガイア」とは、ギリシャ語で「大地の女神」を意味します。
地球とは、単なる岩石の球ではなく、水分と大気を持ち、
そこに生息する生命種と共に、温度・環境を調節する生命システムです。
1979年、生物物理学者ジェームズ・ラブロックは、
著書「地球生命圏―ガイアの科学」において、
地球は、ひとつの有機生命体(ガイア)であると提唱しました。
![地球生命圏―ガイアの科学](http://images-jp.amazon.com/images/P/4875020988.09.MZZZZZZZ.jpg)
地球生命圏―ガイアの科学
ジム・ラヴロック, 十川 治江, スワミ・プレム・プラブッダ
当初は「ガイア仮説」と呼ばれていたこの説も、
地球は、地表に生息する数多くの生命体を維持するための最適の環境を維持する
「恒常性」を持っている、という証明がいくつもなされるようになり、
現在は「ガイア理論」と呼ばれるに至っています。
彼の著書は世界中でベストセラーとなり、日本でも龍村仁監督の
「地球交響曲(ガイアシンフォニー)」の影響もあり、
「ガイア」の名前はよく知られるようになりました。
ガイアの時代―地球生命圏の進化
J・ラヴロック, スワミ・プレム・プラブッダ
私たち地球に暮らす生命体は、その生命を、ガイアの絶妙なバランスの上で
成り立たせています。
ほんの数パーセントでも違えば、生命を維持することはできません。
酸素濃度は、低すぎると新陳代謝が行えず、
高すぎると酸素中毒を起します。
塩分濃度は、6%を超えるとほとんどの生物が
存在できなくなります。
海洋成分は、常に6%以下に抑えられてきました。
カルシウムは、生命にとって必要不可欠な元素で、
海水中に最も多く含まれていまが、
遊離イオン状態では大きな毒性を持ちます。
メタン濃度は、地球上のどこの大気を測っても、
約1.5PPMとなっています。
人体が驚異的メカニズムで生命を維持しているのと同様に、
地球も絶妙のバランスでもってそこに棲む生物の生命を守ってくれています。
「生命」とは何でしょうか。
数多くの要素を有機的に調節し、最適のバランスを保つシステム、
とでも定義できるかもしれません。
これからは、すべてのものにこの生命のシステムを見出す時代に
なったのだと感じています。
人体が悪性のウイルスに冒された時、
発熱等の現象でそのウイルスを排除しようとします。
生命体であるこの地球もまた、その生命維持の恒常性を冒そうとする存在には、
何らかの「免疫反応」で生命の危機を回避しようとするでしょう。
現在「地球環境の危機」が叫ばれていますが、
本当に危機的状況を迎えているのは「地球環境」ではありません。
生命維持のために最適な環境を恒常的に
与え続けてくれている「地球環境」、これに依存している
人類をはじめとする多くの生物種がその存在、存続の危機を迎えているのです。
人類は産業革命以降、急速な勢いで地球環境を破壊し続けてきました。
その反動で地球温暖化、数多くの異常気象を招き、
ガイアの持つ生命維持のための恒常性は崩れようとしています。
ガイアの持つ数十億年という長い歴史から見れば、
これは一種の免疫反応と言えるかもしれません。
人類がガイアにとっての悪性ウイルスとならないよう、
その行動を考えるべき時が来ています。
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