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2016年6月21日 ・・・ 日々、そして人生を見る

ここ最近は少しご無沙汰していますが、
サイクリングが好きで、よく遠出をしています。

そのうち何度かはこのホームページでもご紹介していて、
最も最近今年の1月6日は、
可愛がっている十輝くんとともに江田島まで出かけました。
  <江田島サイクリング<2>>

広島市から江田島、隣の能美島へのコースは最もお気に入りで、
過去二十年間に二十回ぐらいは走っていると思います。
距離が50数キロと適度であること、
海沿いを走ることが多く風光明媚なこと、
島に入ると交通量が少なくて走りやすいこと、
そして帰りはフェリーに乗れること、
これらが魅力で、自分の中ではお散歩コースみたいな気分なのです。



海沿いの道を走っていると、
瀬戸内ですので向こう側に対岸が見えてきます。
これから行こうとしているところ、またしばらく前に走ったところが目に入ると、
『今確実に前に向かって走っているんだ!』
という実感が湧いてくるのがいいのです。

そしてまた走り慣れた道なので、
常に走っている位置を明確に理解することができ、
ゴールまでの道筋を頭の中で容易に思い浮かべることができます。


また今乗っているのはママチャリですが、
その昔、競技用のロードレーサーにまたがっている時は、
走ること、それ自体が大きな快感でした。

ロードレーサーのペダルには、
トゥークリップという靴とペダルを固定される金具が付いていて、
ペダルをしっかりと踏めるだけではなく、
引き足をもペダルを回す力に換えることができる素晴らしものです。

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ロードレーサーに乗る時は自然と前傾になり、
視線を路面に落とし、黙々とペダルを回し続けていると、
人車一体感とでも言うのでしょうか、
自分の体から湧き出る力がすべて自転車の推進力となっていくのが実感でき、
恍惚感のような喜びを覚えます。

あの快感は忘れ難いものですが、
必然的に事故の危険性も高くなるので、
泣く泣く愛用していたロードレーサーは手放してしまいました。


今はママチャリで島までのコースを走るのですが、
50数キロの道のりは、最低でも三時間近くはかかります。
普通の人ならママチャリで走るような距離ではないのですが、
景色もよく楽しい道のりなので、しっかりいい汗を流しています。

サイクリングはとてもいい運動になりますが、
これは過ぎ去る景色を眺め、風を感じる喜びがあるからこそできることであり、
もしこれと同じ運動量のものを、
狭い部屋に閉じ込められた状態でやるように言われたら、
まさに拷問以外の何ものでもないでしょう。

サイクリングを楽しみながら行えるのは、
途中の景色を楽しむことができるから、
少しずつ確実に前に進んでいるという実感があるから、
目指すべきゴールが明確であり、
その途中、自分がどこにいるかがハッキリと分かるから、
こういった条件があるからです。

これは人生に置き換えてもまったく同じです。
途中の景色とは、日常の日々、一日一日のこと、
これをいつも楽しむためには、
人生のゴールを定め、それに至る経路も明確にすることが望まれます。

島へ行くことがゴール、目標であり、
そこに至る経路が、ゴールを達成するための行動計画です。
その行動計画を細かくしていったものが日々のやるべきことで、
それを毎日クリアーしていくことによって、
前に進む快感、風を切る爽快感を味わうことができます。


やろうと思うことがなかなか実行できない『先延ばし癖のある人』は、
やらなければならない大きな目標があっても、
それを細分化し、今すぐ何をするべきか、
その小さな行動目標を明確に意識していないからだと言われています。

『千里の道も一歩から』、
千里先に大きな目標があったとしても、
まずはいかに一歩を踏み出すのか、それを意識することが大切です。

細分化したものを少しずつクリアーしていくこと、
これはとても快感であり、
これを積み重ねていってゴールへと辿りつくようにするのが全体計画です。


けれども逆もまた真なり、
計画に則った旅は安全で快適ではありますが、
行き当たりばったり、その場その場の思いで無計画に進む旅もまた楽しいものです。

東洋思想の神髄は『無為自然』であり、
風の吹くまま気の向くまま、自然体で生きる姿が究極の理想です。
ただしこの自然体というのは無計画、無秩序といったものとは異なります。
あくまでもその場その時の自分の正直な心、
周りの環境に対して素直ということであり、
感情や回りの刺激に翻弄されることではないのです。


ゴールを明確にし、計画を立てることは必ずしもメリットばかりではありませんが、
サイクリングの例えのように、
そうした方が大いに楽しめるであろうことは間違いありません。

その上で、途中でゴールを変更したくなったり、
寄り道や経路変更の必要性が生じたならば、
随時見直していくことが求められます。

ゴールを設定する、そこに至る経路を定めるということは、
それらを明確にするということ、すなわち文字や数字にして書くということです。

書くということは目に見えるようにするということ、
視覚化することで、目には見えない心の中が律せられ、
より豊かになる道筋が確立されます。


何事も例え話で考えると面白いですね。
それに例え話は実例であり、大筋で間違いのないものです。
すべてのものはフラクタル(自己相似形)、
これは東洋の知恵です。

先にご紹介した自転車のペダルにつけるトゥークリップ、
一度使ったら手放せない(足離せない?)ぐらいいいものなんです。



ペダルが楽に回せて人車一体感を味わうことができ、
両足を同時にジャンプするように上げると、
自転車の後輪だけを浮かすことだって簡単にできてしまいます。

けれどこのトゥークリップは危険が伴い、
とっさのアクシデントに見舞われた時にはペダルから足が離れず、
そのままとんでもない格好で自転車ごと倒れてしまう危険性を秘めています。
競輪選手が転倒して大怪我をするのもこの外れにくいトゥークリップが一因です。

トゥークリップはベルトで足を固定するようになっているのですが、
このベルトの締め具合で、
足の締め付けと外れやすさを調整します。

前に進むために大きな力を与えてくれるトゥークリップも、
時として危険な一面をのぞかせる時もあるのです。
何事も功罪両面を勘案した上で、
『いい塩梅』を求めていくことが大切です。


あなたの好きなドライブコース、散歩コース、サイクリングコースはどこでしょう。
そのゴールとなるところは、
途中にどんな楽しみがありますか、
それらを頭の中で思い描き、
その上に自分の人生を重ね合わせてみると面白いですね。

またそうすることによって、
新たなことが感じられたり、見えてきたりするかもしれません。

同じ生きるなら楽しく、
ゴールに向かって日々喜びとともに生きていけたら最高です。

    目に見えるものを心で感じ、
        心で感じるものを、目で見るように明確にしていきましょう。

2016.6.21 Tuesday  
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