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2013年9月14日 ・・・ 場、組織、自分活かす
今日は月に一度の公衆トイレ掃除の日、
広島市中心部にある平塚町のトイレを男性五名で掃除しました。
ここは町中であるにも関わらず車が駐めやすく、
タクシーの運転手さんを中心とした利用者の多いトイレです。
今日も掃除をしている間にたくさんの人が入ってこられました。
![](img/130914_1.jpg)
ここは利用者が多いと同時に、
このトイレがある公園全体がとても汚れていることで有名でした。
生け垣の中、ベンチの周り、車を駐めている路上、・・・
公園の至る所にゴミが散乱し、さながら公園全体がゴミ箱(ゴミ場所?)
にでもなってしまったかのような有様でした。
タバコの吸い殻やジュースや弁当の空箱はもちろん、
外から持ち込んだと思われる家庭ゴミも目に付きました。
人はきれいな場所にゴミを捨てる時は躊躇し、
多少の罪悪感を覚えるものですが、
はじめから汚れているところには
何のためらいもなくゴミを投げ捨てることができるのです。
これが「ゴミがゴミを呼ぶ」原因です。
近くに暴力団の事務所があり、
近隣の風紀が悪いことも影響しているのか、
公園やその近辺の空気はとてもよどんでいるように感じられ、
公園にいてものんびりと心を癒やすといった雰囲気ではありませんでした。
けれどこんな状態ではいけないということで、
三年ほど前から有志数名でここの公衆トイレと公園を重点的に掃除をし、
きれいにするように努めてきました。
けれど成果は容易に上がらず、
せっかくきれいにしたトイレや公園も、
次回少し時間が経ってから訪れると元の木阿弥といったことが何度か続きました。
元々風紀の悪いところは何度掃除をしても変わらないのかと
思ったこともありましたが、
その時だけでも掃除をしてきれいになることは心地よく、
また近隣の一部の人たちから直接喜びの言葉をいただくことも励みとなり、
なんとか続けてくることができました。
当初は成果の上がらなかった掃除ですが、
一年、二年経つと少しずつ変わっていき、
来るたびにゴミの量が減り、
また自らの手で公園をきれいにしようという人も現れてくるようになりました。
そして今日久し振りにその平塚町の公園を訪ね、
見違えるようにきれいになった公園の姿を目にし、
本当にビックリしてしまいました。
![](img/130914_2.jpg)
いつものように公園の周りをゴミ袋を持って歩いても、
小さな袋に半分もゴミがたまりません。
これまでは生け垣の茂みの中に手を伸ばし懸命になってゴミを取り、
途中で何度も袋一杯になったゴミを大きな袋に移していたのに、
そんな頃の面影がまったくありません。
![](img/130914_3.jpg)
公園の空気、 “気” もまったくこれまでとは違います。
これまでは公園であるにも関わらず人を苛立たせるような気に満ちていたのに、
今は空気がとても柔らかく爽やかで、
この場所でのんびりと昼寝を楽しみたいといった雰囲気です。
公園のすぐ南側にある美容院の奥さんは、
汚かった公園がきれいになり、
お客さんから「庭みたいになりましたね♪」
と言われたと喜んでおられました。
![](img/130914_4.jpg)
「ゴミがゴミを呼ぶ」のと同じように、
「掃除は掃除を呼ぶ」のでしょう、
下の写真の草むしりをしている男性はタクシーの運転手さんで、
二年ほど前からこの公園に来るたびに掃除をしてくださるようにりました。
公園がキレイになったのはこの運転手さんの功績が大なのです。
![](img/130914_5.jpg)
場の空気、気というのもは人の心がけ、掃除をすることで変わるということが、
この公園に来るとよく分かります。
ここれだけ空気が変わったのですから、
周りに住む人たちにも何らかの変化が現れているものと思われます。
あるものを心を込めて丁寧に使う、
そのものが最も活かせるように場を整える、
これが場の空気をよくし、俗に言う風水をよくする最大のポイントです。
話題のテレビドラマ「半沢直樹」を見ていると、
『組織は人なり』という言葉が出てきました。
大きな組織の持てる力を最大限に引き出すには、
その組織を構成する一人一人の力を大いに活かすことが大切だということです。
これを場の空気に当てはめて考えるなら、
ゴミを捨て、汚れをきれいに落とす、
そしてその場にあるものを最も心地よく使えるようにする、
活かすということに通じます。
つまり組織も掃除も目指すものまったく同じです。
ドラマでは半沢直樹という突出した資質を持つ主人公が周りの仲間と協力し、
会社の危機的状況を救っていきます。
個の資質と行動が全体の力を活かす道を拓くのです。
これは自分の生活に当てはめてみるとどういうことだろうかと考えてみました。
部屋の書棚には大切にしている本が何百冊か並んでいます。
どれもみな思い出のある大切な本ですが、
それらすべての本を熟読し、
そこに書かれていることを100%活かしているかというと、
当然そんなことはありません。
本を読む目的は “読む” というところにあるのではありません。
たいていは最後まで読み終えて、
それでその本の役目を果たしたと考えてしまうのですが、
本当はその本を最後まで読むかどうかではなく、
その本に書かれていることをいかに自分に活かすかということにあります。
けれど情報があふれている現代に於いては、
そのあふれ出る情報と通り一遍に触れることが精一杯で、
それを徹底的に自分の中で活かすこと、追い求めることはほとんどありません。
そう思ってたくさんの本が並ぶ書棚を眺めてみると、
この中にきっと自己変革するための手助けをしてくれる
“半沢直樹” のような本があるに違いない、
ただ自分がそれを見つけず、実行していないだけなのだ、
そう思わざる得ませんでした。
場の空気をよくする、整える、風水をよくする、
組織を活かす、自分を活かす、
これらはすべて同じ土台の上に成り立っているのだと感じます。
すべてのもの、人を最も活かす方法を考え、実践する、
そして最終的にはその中で特に大切なものを見極め、
それをより徹底的に深く追い求めるということです。
心を込め、場や自分の心の内を整えていけば、
どこにでも、誰にでも、半沢直樹のような存在が見つかるのだと思います。
2013.9.14 Saturday
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