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2013年2月5日 ・・・ 足るを知る

昨日は知り合いのお宅に、
朝から一日引っ越しの手伝いに行ってました。

今は「おまかせパック」なるものがあるのですね。
梱包された荷物を運ぶだけではなく、
家具や小物、ありとあらゆる引っ越し荷物の梱包まで、
すべてのことを業者の方が手慣れた手つきでやってくださいます。

そして最後はテレビやビデオの接続、設定まで、
さすがは日本のサービス業、
その至れり尽くせりのきめ細やかな心遣いは、
世界No.1だと感心しました。


引っ越しはいらない荷物を処分する絶好のチャンスです。
そこのお宅でも昨日はかなりのものを捨てられたのですが、
押し入れや引き出しから次々と大量に出てくるモノを一日中見ていると、
嫌でもモノというものへの付き合い方を考えざるえなくなります。

もうガラクタ処分歴がかなり長くなりますので、
たくさんのモノがある風景を目にしても、
それをうらやましいと思う気持はほとんどありません。
逆に少ないモノで生活する今の生活の気軽さを再認識し、
もっとモノを少なくするためにはどうすればいいだろうか、
そんなことばかりを考えていました。

幸い明日は資源ゴミの日なので、
不要な衣類を袋いっぱい処分しようと思います。


インドのホームで暮らす子どもたちは、
一人一人のベッド、食器、制服、学校の勉強で使う最低限の教科書や学用品、
それ以外の持ち物は、
トランクケースの中にきちんと畳んで入れられたほんの少しの洋服、
たったそれだけです。

二年半前に撮ったインドのホームの写真を何枚か載せましょう。
楽しそうな空気が伝わってくるでしょうか。

南インドは一年中暑いので、
薄いシーツを一枚敷いた硬い木のベッドに子どもたちは寝ています。
後ろの棚にあるのが子どもたちの服が入ったトランクケースです。



こんな風に服が畳んで入れられています。





あれ、なんでこの子のトランクにはお菓子が入っているのでしょう? ^^☆



ベッドの並んだ部屋の横には広間があって、
ここで子どもたちは食事をしたり勉強をするのです。



そして子どもたちは日常生活の中で、
自分たちでできることはすべて自分たちで行います。

炊事棟で作ってもらったご飯はみんなで手分けして運びます。



洗濯は毎朝して、
朝洗濯したものは、午後にはすっかり乾いています。



トイレ掃除だって自分たちで、・・・
けどあんまり真面目にやってませんでしたね。 (>_<)



インド人は大人も子どももおしゃれが大好きです。
女の子はみんなで髪をきれいに互いに整え合うのです。



女の子は各自こんなアクセサリーを持っています。
色鮮やかなアクセサリーは褐色の肌によく似合ってきれいですよ。



こんな質素で、かつ和気藹々と暮らす子どもたちは、
いつもこの上なく輝く笑顔を讃えています。

豊かさとはモノやお金がたくさんあることではありません。
真の豊かさとは心の状態を示すものです。

大金持ちでも心の貧しい人はたくさんいます。
また貧しい暮らしの中でも、心だけは豊かに保っている人もいます。
そして当然その逆もあり、
モノ、お金とどう関わるか、それが豊かさを決める最大の要因です。

インドの子どもたちからは、いろんなことを体で教えてもらいました。


幼い頃から貧しさゆえに惨めな思いをたくさんし、
それでお金やブランド品に異常なまでに執着する人がいます。
またモノやお金を持ちすぎているがため、
それを失う恐怖にとらわれ、手放すことを頑なに拒否する人もいます。

モノやお金は生きていくための道具であり、
それに善悪はありません。
それとどう関わる、そのところに価値が生じてくるのです。

モノやお金は道具ですから、
それをいかに有効に使うかを考えなければなりませんが、
道具が人の主(あるじ)になり、人がモノやお金の家来になってはいけません。


昨日は一日中たくさんのモノと関わり、
モノに対する自分の見方をよりハッキリと自覚できるようになりました。

どこの家の中にも、
今後使う可能性がほとんどないであろう本、食器、服、・・・
そういったものが多々あることと思います。

それらを処分し、ゆとりある空間を手に入れ、
本当に必要なものだけを身の回りに置き、
常にそれらに意識を集中させることができたなら、
きっとこれまで以上に心豊かな生活を送ることができるでしょう。

けれど必ずしもそうしなければいけないということはありません。
大量のモノに囲まれ、
いつかもしかしたら使う機会があるかもしれないモノを手元に置いておくことによって、
“手放す恐怖” から逃れ、心に安らぎを感じることもあるはずです。
それが極端になると、時々テレビ等で見る『ゴミ屋敷』みたいになるでしょうが ・・・ 。

大切なことは、自分がモノに対してどの様な感情を持っているのか、
まずはそれを正確に知ることです。


色即是空、形あるものはすべて虚しい、・・・
モノをたくさん見続けて、そんな心境になりました。

棚の中にたくさん並んでいる “いつか使うかもしれないモノ” というのは、
物質としてのモノそのものではなく、
「手に入れた時は高かった」という当時の記憶であり、
「使えるものだから捨てるのはもったいない」という執着であり、
「捨ててしまえば同じものは二度と手に入らない。
 後できっと後悔することになる」という恐怖、
こういった感情なのだということを身にしみるように感じました。


モノを片づけるには、
この自分のモノに対する関わり方、思いを見つめ、
その上で望ましい方法を選択し、実行することが肝要であり、
またそのためのトレーニングでもあると思います。

形あるモノとより理想の関係を築くことにより、
それと対になる形のない心の世界が変ります。
ですから片づけ、ガラクタ整理、スペースクリアリング、断捨離は大切です。

これは鶏が先か卵が先かのような言い方ですが、
モノを整理するために、
まずは自分の心をしっかり見つめなければなりません。

対になって関連するモノの整理と心の整理、
このどちを行うのが容易(たやす)いかを考えると、
やはりモノを整理する方が簡単で取りかかりやすいと感じます。

“ほとんど使わないモノ” をどんどんと整理、処分し、
それで以て心の中を整理し、自分のモノに対する思いを見つめ、
そしてさらにモノの整理を進める、・・・
これが望ましいひとつの道筋でしょう。


モノやお金がたくさんあること、
それを求めることが悪ではありません。

けれど縁あってインドのホームを訪ね、
子どもたちから素晴らしいメッセージを受け取った自分の使命は、
『吾(われ)唯足るを知る』という、
この言葉の示す深い世界を追い求めていくことなのだと考えています。



2013.2.5 Tuesday  
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