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2012年9月24日

今日は「鉄は魔法つかい」でご紹介した
畠山重篤さんの講演を聴きに行ってきました。

畠山さんは、昨年の震災で壊滅的被害を受けた気仙沼で
牡蠣養殖業を営んでおられます。
東北の三陸地方は、52年前のチリ地震の際も大津波の被害を受けていますが、
その時は、それで海の中の循環が進んだのか、
翌年は例年以上の豊漁になったそうです。

このたびの震災でも、
船やいかだ、水産設備のほとんどすべてが流されてしまいましたが、
それが復旧した後は、牡蠣もホタテも今まで以上に早い成長を見せているそうです。
それをお聞きして一安心です。


地に足を付けて自然と向き合っている人は素晴らしいですね。
とつとつと語られるひとつひとつの言葉に深みがあります。

畠山さんは牡蠣漁師として、
牡蠣を育てるためには森を豊かにしなければならないという
海と森、様々な自然の関わり、循環の大切さに気がつき、
今は「森は海の恋人」という自然の循環系を守る活動を進めておられます。

木、森、川、海、動物、それらひとつひとつも自然ではありますが、
本当の自然とは、それらすべてが互いに役割を担い循環している姿を言います。


畠山さんのお話はとても興味深く心を打つものですが、
それは畠山さんの仕事に取り組む姿勢、ものの見方が、
『すべてを大きく統合的に捉え、つながりを重視する』という、
今まさに私たちに最も求められている重要なものだからです。

それに対してこれまでの学者の世界は、
  (学者の世界だけではありませんが ・・・ )
対象物をバラバラに切り分け、部分を仔細に分析することによって
全体像を推察するというミクロ的手法一辺倒でした。

大きく物事を捉えるマクロ的なものの見方と、
部分の寄せ集めで全体を考えるミクロ的思考、
どちらがいい悪いではありませんが、
文明法則史学で明確に分かるように、
今、時代は確実に陽から陰、ミクロからマクロへと移ろいつつあります。

けれどこれまでの体制は急激に変わることができず、
私たちの周りには、部分でしかものを見ようとしないことによって生じた
弊害であふれています。

それに警鐘を鳴らし、
実際の自然との関わりの中で次代の生き方を説いているのが畠山さんで、
その話される内容が実に具体的で面白いのです。

生物が育つには鉄分がとても大切である、
その鉄分は森で作られ、川から海に流れ込む。
世界には大きな深層海流が流れていて、
日本の漁場には、中国とロシアの国境付近を流れる
アムール川から大量の養分が運び込まれている。
ヒラメは養魚の段階で浜辺に集まるので、
その浜辺を守るため、河口堰、ダム、工場排水、農家の撒く農薬、
森の植林のあり方、そういったものを考えなければならない。

壮大な循環系の話はとてもワクワクし興味をそそられるものですが、
それは私たちがその自然の循環系というものを、
体の中で正しい大切なことだと体の中で自然と察知しているからなのだと思います。
まさにこれまで気がつかなかった目が開かれる思いです。


この畠山さんのマクロ的取り組みに、
学者の世界もようやく少しだけ追いついてきました。

学者の人たちの間でも、
これまでのような部分的なものの見方では物事が解決できないということに
ようやく気づき、森里海連環学という統合的研究に取り組み始めました。

その取り組みを始めた時、学者の世界の外に目をやると、
もうすでにその森と里と海の関連性を実践の場で研究している
畠山さんの存在を知り、学者の人たちが畠山さんの仕事場に足を運び、
今現在畠山さんは、
京都大学フィールド科学研究センター社会連携教授という肩書きで、
大学との関わりを持たれています。

森は海の恋人活動は、
以前から小学校の教科書には取り上げられていたそうですが、
来年からは高校の英語の教科書にも10ページに渡って紹介されるそうです。


畠山さんの自然との関わりの中から、
私たちはこれからの時代、最も大切なものを学び取ることができます。
中学生ぐらいの子どもたちから大人まで、
是非ともその素晴らしき自然の実相を感じてもらうことを願います。



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畠山さんの講演を聴いてる途中、
すぐ前でカサカサという何か軽いものが落ちる音が聞こえました。
音のする方に目をやると、
斜め前の座席の下にきれいに折りたたまれた千円札が二枚落ちています。
どうもその席に腰掛けておられる年配の男性のポケットから落ちたもののようです。

その方の肩をたたき、拾った千円札をお渡ししました。
先日の一万円札もそうですが、最近はお金をよく拾います。

これもまたまた必然なのでしょうか、
家に帰ってパソコンのメールを確認すると、
ちょうどお金を拾った直後の時刻に、
拾った二千円の倍ほどの利益の上がる売り上げメールが届いていました。

精妙な循環の因果律を感じます。


すべてはひとつ、すべては循環している、
以前から頭にしっかりと刻み込んではいることですが、
それを実践し、探求し続けている畠山さんのお話を聞くと、
まだまだ奥の深い世界があることが分かります。

大切な基本はひとつ、それを知り、それを深く感じ取れるまで実践を続ける、
そのことを今日は知りました。

2012.9.24 Monday  
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