書棚整理
長い間の懸案だった書棚の整理を、昨日、今日二日間を費やし、
一気にやってしまいました。

昨年からガラクタを大量に処分し、本を含めた生活用品全般がだいぶ少なくなり、
身の回りのものの整理整頓は確実にすすんできていたのですが、
書棚だけはまるで聖域の如く、
様々なものが渾然一体となった状態のまま放置されていました。

理由はいくつか考えられます。
ひとつは古い本を整理しているとつい手にとって読みふけってしまい、
なかなか先に進まないということ。
これはいかにも言い訳っぽいですね。

本当の理由、まずひとつは本を分類することがきわめて困難だということです。
昔、十代、二十代の頃は、本の数も種類も限られていたため、
書棚には文庫、新書、雑誌・・・のように、外観で分類し、
それで十分ことたりていました。

ところが数は極力少なくしたというものの、現在のように、
ジャンルが多岐に渡り、また内容がクロスオーパーしているものが多く、
心理学、社会学、自己啓発、・・・のように、
ピシッとひとつのジャンルに収まらないものが増えてきたことが
書棚の中の混迷の度を深め、
深海の底に沈む堆積層のように、
行方知れずの本を平積み状態にしてしまっているのです。

もうひとつ心理的に整理の手をストップさせていたのが、
本を整理する際に、これまで読んだ本を十分に活かし切れていない自分自身を
見つめることに対する恐怖心であったような気がします。

私たちの脳は偉大な力を持ち、
普段、脳はその本来持てる力の3%、または1%しか使っていないと言われています。

この脳力と同じことが、過去に読んだ書物についても言えるような気がします。
書棚を整理してみて分かるのは、
これまでいかに素晴らしい書物と数多く出合ってきたかということ、
そしてそれと同時に、それらに目を通したものの、脳力と同じく、
現在の自分の生き様にほとんど活かすことなく終わってしまっているという、
とてももの悲しい現実です。

私たちは、本を読んで何か物事を知ってしまうと、
それですべてを習得したような錯覚に陥り、満足し、
更に時が経って忘れ去った後も、
それを振り返ることがきわめて少ないように感じます。

世の中の情報化、スピード化がいかに進んだとしても、
人間の脳力、記憶力、そして実践力は昔と変わらないというのに・・・。


私たちは、何か新しい知識を習得してステップアップを図りたい思った時、
当然ながら目はすぐに外なるもの、新規なものに向いてしまうものです。
しかしながらその裏に過去通り過ぎて未消化になっているものが山のようにあり、
それを完全に消化し、己の血や肉としていく作業の方が、
より自分を高め、地に足の着いた生き方ができるのではないでしょうか。

そのことを潜在意識が知っていて、
多少なりとも後ろめたい気持ちがあり、
書棚に目をやることを遠ざけていたような気がします。

思い切って書棚を整理し、混迷の扉を開く作業に一歩踏み込んでみると、
現在望んでいる「新たな道を拓く方法」は、
これまでの道のりの中にあったのだということがよく分かってきました。


書棚の整理は本を保管するためにするのではありません、
本を検索しやすくし、その本をこれからも活かしていくために行うものです。

本の分類に頭を痛めていて、名刺の整理を思い出しました。
営業の仕事をしたり、交流会などに積極的に参加をすると、
名刺の百枚、二百枚はあっという間にたまってしまいます。

名刺には、その人との出会いのキッカケ、日時、場所等を書き込んでおくのですが、
それでも一度保管したものを探す時にはいつも苦労をします。

探す人や目的によって名刺の保管は、
会社、または氏名のあいうえお順がいい場合もあれば、
日付順が便利な時もあり、
また仕事、交流会、趣味等の分野別に分けたい時もあります。

そんな時、以前だと紙としての名刺は、
コピーでもしない限り一種類の分類方法しかとれなかったものですが、
今はパソコンという便利な道具があり、スキャナーで必要項目を自動入力し、
様々な項目から探す人を検索することが可能になったのですから
すごいものです。

スキャナde!! 名刺整理 Ver.3 専用カラースキャナ付
スキャナde!! 名刺整理 Ver.3 専用カラースキャナ付

本も蔵書数が膨大になったならば、
図書館のように背表紙にコードナンバーを付けて、
パソコンで管理するのが最も適切かも知れません。

しかしそこまでする必要があるのは、ごくごく一部の知識人だけでしょう。
一般人にとって最も大切なのは、
本当にこれから生きるために必要な本は何かというものを見定め、
その限られた数の本の内容をしっかりと頭に入れ、実生活に活かしていくということです。

そうすれぱ己の血となり肉となった本は、
多少分類に不合理なところがあったとしても、
書棚の中で光を放ってくることでしょう。


書棚を整理して、まず変わったのは、
部屋全体の空気が澄んできたことです。

これはこれまでたびたびこのホームページでもご紹介している
「ガラクタ捨てれば自分が見える」に出てくるスペースクリアリングそのものです。

ガラクタ捨てれば自分が見える―風水整理術入門
ガラクタ捨てれば自分が見える―風水整理術入門

スペースクリアリングとは、部屋の中の余分なもの(ガラクタ)を処分し、
必要なものを十分に活かせる状態にするということで、
これは今流行している風水の基本中の基本となるものです。
本の中には最後に行う儀式についても書いてあります。

もうひとつは本から受けるエネルギーが増大したことです。
部屋の書棚は、今こうしてパソコンを打っている机の右方向にありますが、
そこから私のからだに向かってこれまで以上の訴えてくる力を感じます。

混沌とした状態から整理、分類し、同じ種類(波動)を持った本同士がまとまり、
「さあ準備OKだよ。いつでも私たちの持つ素晴らしい知識を活かしておくれ」
と語りかけてきているような気がしています。

音楽で言うならば、オーケストラの楽団員がきちんと整列し、
演奏準備が整った状態のようです。


書棚を整理することにより、そこにいた「幸せの青い鳥」が見つかり、
その鳴き声が耳に聞こえだしたのかもしれません。

この鳥をいかに羽ばたかせるか、
これからの自分次第ですね。(^o^)v

2005.11.01 Tuesday


P.S
  このホームページを書くに当たって、内容を前項でご紹介した
  マインドマップに落とし込みながら推敲しました。
  色分けもせず、殴り書きのメモ程度のものですが、
  お陰でいつもより短時間で書き上げることができ、
  マインドマップの素晴らしさを実感です。^^☆




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