ヨガナンダ 心の時代のパイオニア
 ヨガナンダ > 読書倶楽部 > 生の幸い、命の煌(きらめ)き



ヨガナンダ



生の幸い、命の煌(きらめ)き

生の幸い、命の煌き
生の幸い、命の煌き
鈴木秀子

たくさんの優しさ
愛する人とのわかれ
死にゆく者からの慈しみ
大切ないのち
生と死のはざまで
起こることのすべてに意味がある
「私は信じ続ける」
やさしさと強さと
成熟にむかって
こころの氷をとかして〔ほか〕



このホームページでも度々ご紹介している鈴木秀子先生の著書の中で、
最も大好きな一冊です。

修道女として一生を神の道に捧げられた鈴木先生の文章は、
淡々とした表現の中に静かな透明感と(アガペーの)愛があふれ、
大きな感動とともに生きる喜びを伝えてくれます。

これまでいろんな方に鈴木先生の本をプレゼントしてきましたが、ある方は、
「彼女の本は電車の中では読めないね。涙があふれてくるから」
と語ってくれました。

ご自身で臨死体験をし、また多くの死にゆく人を見送ってきた鈴木先生は、
生と死の両面から見て、生きるとはどういう意味があるのか、
どんな人生の困難も必ず乗り越えることができ、そこから様々な
気付きややさしさを得ることができる、そんなことを静かに語ってくださいます。

本書には、最愛の子供を病気や犯罪で亡くした人たち、
震災で一瞬にして家族全員を亡くした小学生の女の子、
幼い頃に亡くした母のことを心の傷として抱えて生きている男の子、
拒食症で五年間一歩も外に出ることができなかった若い女性の話など
人生の様々な苦難を抱え、それを乗り越えることによって
新しい人生を切り開いていった数々の話が出てきます。

私は先日再び読み返し、(たぶん四回目)
以前にも増してより深い感動を味わい、
これまでの数年間の己の生き様を振り返ることができました。

人は与えられているものは当たり前と感じ、
人と比べて不足しているものばかりに目がいって、
普段はなかなか感謝の気持ちを持てません。

しかし一度心の大きな闇を経験し、それを乗り越えると、
ほんのわずかな光にも大いなる愛と感謝を見いだせるものです。


知的障害を持つ小さな女の子を抱え、何度も一緒に死ぬことを考えた
若いお母さん、ある時から我が子を他の子供と比べるのをやめ、
彼女にしかないいいところを見つめる決意をします。

その時から女の子の様子も少しずつ変わりはじめました。
クリスマスの日の午後、鈴木先生が彼女の手をとり、立ち上がらせ、
「さあ走りましょう」と言って、外に連れ出しました。

彼女にとっては社会への旅立ちの第一歩、
たどたどしい足取りで彼女は鈴木先生とともに外を走り出します。

それを見つめていた若いお母さんは、
目から大粒の涙をこぼしながらこう言いました。
「神さまがいらっしゃるとすれば、神さまは、やさしい方に違いない。
 やさしい、やさしい ・・・ 」


『人生に起こることはすべて意味があり、ひとつもムダなものはない』
この人生を生きる上で最も大切なことが、
この本を読むことで心に深く刻み込むことができます。
ひとつ前へ ホームへ メニューへ 次へ
Link Free
Copyright 2010 Sakai Nobuo All right reserved.