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分かち合い


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今から二十年ちょっと前の平成元年から二年にかけての一年間、
岡山に暮らし、伝導瞑想という神智学系の集団瞑想を行っていました。

世界平和のため、そこで最も力を入れて説かれていたこと、
それが『分かち合い』です。


世界には今も8億7千万人もの人たちが飢餓に苦しみ、
一分間に17人が飢餓によって命を落としているという現実があります。
そしてその命を落としている7割以上が子どもです。

そしてその一方では豊かな国が食料を独占し、
過剰にカロリー摂取し、それでも余った食料は惜しげもなく廃棄してしまっています。
本当に恥ずかしい話ですが、
食料廃棄率では、この資源の乏しい日本が断トツの一位であり、
輸入している食料の三分の一を廃棄しています。
  <5分でわかる食糧問題|環境問題を知ろう|NPO法人ネットワーク『地球村』>



奪い合えば足らず、分かち合えば満たされる。
これが世界を取り巻く食糧事情の実態です。

あなたが食事会に参加し、そこから帰る時、
テーブルの上に手の付けられていない料理が大量に残されているとしたらば、
その食料を口にすることができず苦しみ、死んでいっている人たち、
子どもたちがたくさんいるということに、ほんの少しでも心を傾けてみてください。

スーパーの棚に並んでいる食料品を手に取る時、
もし少しでも賞味期限の長いものを選ぼうとするのなら、
そのことによって、まだ食べられる食品が賞味期限切れとして廃棄される
可能性を高めているのだというう事実を、
是非心に入れていただきたいと思います。


日本は世界の中でもきわめて物資が豊かで治安の維持された平和な国です。
日本人は、まずそのことに心から感謝すべきです。

そして自分に与えられた幸福に感謝すると同時に、
その喜びを他の恵まれない人たちと分かち合うべきです。

文明が発達し、情報伝達の面でも移動、物流の面でも、
世界はますます狭くなりつつあり、
そんな今の時代に於いて、
豊かな国に暮らす人間が、自らの幸せのみを追い求めるのはエゴというものです。


その伝導瞑想の中では、世界中に平和をもたらすためには、
まずは冨の不均衡をなくすこと、
限られた資源を多くの人たちと分かち合うことだと説いていました。

当時からそのことについてはなるほどとは思っていましたが、
今インドと関わりを持ち、過酷な現実に生きる人たちを目にするにつけ、
そのことがより真に迫った課題として胸に響くようになりました。

貧困、差別、虐待、紛争、
多くの困難な課題に直面している隣人のため、
できることを一歩ずつ行動していく、
これが日本人の持つ美徳のひとつ “義” であると考えます。


今は世界中が大きな変革期を迎え、
これからは物質中心の世の中から、
より精神性を尊ぶ心の時代、スピリチュアルな時代へと移行していくものと考えています。

心の中の “思い” は無限の力を持っています。
ですからその思いを正し、
その正した思いによって、思いの投影である現実世界をよいものにしていことういうことが
さかんに提唱されています。
それがよく耳にする『引き寄せの法則』のです。

この引き寄せの法則に関してはたくさんの本も出版され、
あたかもこれがスピリチュアルな世界の第一義であるかのように捉えられていますが、
ちょっと極端な言い方をすると、
それは誤りであると考えます。


この世の中はどんな仕組みによって成り立っているのでしょう。
もし一神教の人たちが考えているような、
創造主である神がいて、それよって人間が造られたというのであれば、
神と人間は、親と子のような関係であると言えるでしょう。

その親である神から見て、
子どもである人間が、豊かな子どもたち同士が集い、
互いの繁栄だけを引き寄せの法則でイメージし、
飢えで瀕死の状態である兄弟たちを顧みなかったとしたならば、
親である神はきっと嘆き悲しむことでしょう。

子どもたち同士、豊かな者も貧しい者も互いに手を取り合い、
伴に生きていく姿に、神は最も深い喜びを感じるはずです。


もしこの世の中が多神教の人たちが考えるような、
すべては一体であり、人間もまた創造主の一部でありすべてであると捉えたならば、
人間の体でも怪我や病気をした時は、真っ先にそれを治療しようとするのと同様に、
傷付き苦しみを抱えた、己が一部でもある人々に対して救いの手を差し伸べるのが
まずしなければならない行動であり、最も愛の深い行為であると言えるでしょう。

これも誤解を恐れずに言いますが、
分かち合いが純粋な愛の行動であるのに対し、
引き寄せの法則は、ともするとエゴに繋がる危険性を持っています。
  (ですから引き寄せの法則を否定するというものではありません)


かように分かち合いこそが、
まず心の中で第一に考えなければならないことです。

分かち合いとは、親子の分かち合い、夫婦、兄弟、家族との分かち合い、
隣人、身近な人たちとの分かち合い、
そしてその輪をどんどんと広げていけば、
世界中の苦しむ人たちとの分かち合い、
地球上に暮らす他のすべての命あるもののとの分かち合いへと繋がっていきます。


一昨年日本では東日本大震災が起こり、
津波や放射能によって被災された人たちに対し、
絆というすばらしい分かち合いの輪が広がっていきました。
そしてそのことは日本人の持つ美徳として世界の多くの方たちから賞賛を受けました。

日本人はその魂の奥底に、
自然と分かち合いのできる素晴らしい精神性を持っています。

けれど日本は島国ですので、
どうしても外の現実を見つめ、
そこから自らの役割を認識するということが苦手です。

自分は縁あってインドと深い関わりを持ち、
その中で自分のできる分かち合いの精神を発揮していこうと考えていますが、
インドだけではなく、世界にはたくさんの課題を抱えた国が数多く存在し、
貧困の面だけでみれは、
インドよりもアフリカ諸国の方が厳しい現実にさらされています。





また女性に対する差別も深刻な問題です。
世界の多くの国や地域では、女性の人権が認められず、
学校に通うことを許されず、
幼い頃から過酷な労働に従事させられたり、その性を搾取されたりしています。

  <Because I am a Girl>





分かち合いの形は様々です。
自分は南インドのホームで可愛い子どもたちから、
素晴らしい喜びと幸せを分かち合ってもらいました。
そして今度は彼らにそのお返しをする番です。

分け合えば増える、
愛の持つ本質を、分かち合いを通して学んでいきたいと考えています。

そしてその道を、一人でも多くの人とともに歩めたら、
こんなに素敵なことはありません。


このページをもって、
このたびの南インドへの旅のレポートは終わりにしたいと思います。

インドの子どもたちの様子を見て、みなさんは何を感じられたでしょうか。
もし心の中に何か明るい思いを抱くことができたなら、
その思いを誰か周りの人と分かち合ってください。

人のため、世界のため、そしてあなた自身のために。

一人一人の思いと行動が、明日の明るい世界を創ります。


  Imagine no possessions
  I wonder if you can
  No need for greed or hunger
  A brotherhood of man
  Imagine all the people
  Sharing all the world

     想像してごらん 何も所有しないって
     欲張ったり飢えることもなく
     人はみんな兄弟なんだから
     想像してごらん みんなが
     世界を分かち合うということを


  You may say I'm a dreamer
  But I'm not the only one
  I hope someday you'll join us
  And the world will live as one

      みんなは僕のことを夢想家だって言うけれど
      一人じゃないんだ
      いつかみんなが仲間になって
      世界がひとつになるんだ



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