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ヨガナンダ



2018年3月29日 ・・・ 悟りへの道

  <人間ゲーム> のつづきです。

『「ザ・マネーゲーム」から脱出する法』を読んでから、
心の中は穏やかで爽快な思いでいっぱいです。

「ザ・マネーゲーム」から脱出する法 「ザ・マネーゲーム」から脱出する法
ロバート・シャインフェルド 本田健

ヴォイス 2011-10-01
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ここで述べられているのは東洋的究極の真理ですが、
これはこの本で初めて明かされたことではありません。

これまでも数多くの賢者が説いてきたことであり、
多くの人が物の見方としては理解していても、
究極過ぎてそれを体現することが困難であったものです。

それをこの本は極めて平易な文章で、
かつ体現するための具体的方法まで述べられていています。

自分にとっては、これまで少しずつ雲の上を歩いてきたような道筋に、
強固な階段を築いてもらったような、そんな気分です。


あるサイトで、(都留晃一さんのサイトだったかな・・・?)
この本とまっくた同じことが書かれていました。

人生とは神性という隠された宝物を探すゲームである。
 その宝物は、人間にとって最も身近で最も分かりにくいところ、
 自分の心の中に隠されている』


また人間が自己を探究し、
悟りに至る段階を十に分けて説いた十牛図も、
その最終段階は、この本で書かれている世界そのものです。
  <十牛図 - Wikipedia>

はじめは牛(自己、仏性、潜在意識)を見つけ、
なんとかそれを手なずけ、コントロールしようと躍起になりますが、
最終的には自然体ですべてが満たされていることを悟り、
最初と同じ状態、ただ自然に生きるようになるというものです。
チルチルミチルの幸せの青い鳥探しも同じ、
原点である今、この瞬間の自分の心にすべての源があるということです。


潜在意識を活用し、物事を引き寄せようという引き寄せの法則は、
その自己探求の段階で言うならば、
自己をコントロールしようとする途中の段階にあると言え、
本の中ではこう述べられています。

引き寄せの法則等で、潜在意識を懸命に使いこなそうとするのは、
自分自身が懸命に生きなければいけない
制約された存在だと考えているからです。
しかしそれを乗り越えると、すべてを己の神性に任せ、
無為自然に生きていくことができる。


その神性を探し求めるのが人生を生きる意味であり、
まったく制約のない「本来の自分」が課した人生ゲームです。

その人生ゲームには二つの段階があり、
第1段階は、「本来の自分」のすべての力、創造性を隠し、
「制限された自己」を本当の自分だと信じ込ませること。
そして第2段階は、本来の自分を取り戻すべく、
真実を探し求めることです。

ビジュアライゼーションや
アファメーション(肯定的な宣言をすることで願望を叶える方法)
などの手法、引き寄せの法則などの話題のセルフヘルプ手法は、
第1段階のすばらしい産物です。
なぜなら、それが本当だと信じて実践しても、
いつもうまくいくわけではないため、混乱やストレスや限界が生じ、
結果的に第1段階の目的を後押しすることになるからです。


本当に力を持つものは制限のない「本来の自分」であり、
その上にある制限された自己でいろんなことをイメージしても、
それが本来の自分の思いと反するものは叶うことはなく、
その結果、ますます自分は「制限された存在である」
という確信を深めるのです。


このことは実によく分かります。
今から四年前の2014年9月30日、
インドから帰り着いた関西国際空港で、
財布、携帯、手帳、パソコン、・・・
すべての貴重品が入ったカバンが手元から消え、
完全に為す術のない、まさに途方に暮れた状態になりました。

その時に突然、貧しくも明るく生きるインドの子どもたちの姿が目に浮び、
なぜかこれまでまったく感じたことのないような至福感が湧き上がり、
すべての不安が完全に消え去ってしまいました。

そしてそのすぐ後に奇跡が起こり、お金が手に入り、
数日後に無事すべての問題が解決しました。

あの時は心の中に不安や恐怖などはまったく、一欠片もなく、
また直面している問題をなんとか解決しなければという思いも消え、
ただただ今この瞬間に生を受けている喜び、
インドの子どもたちからもらったたくさんの笑顔が
輝く思い出として心にあるだけでした。



もしあの時、心にある恐怖や不安を抑え、
何らかの救いの手が差し伸べられることを必死にイメージしていたら
結果はどうなっていたでしょう。
たぶん望むような結果は得られなかったのではないかと感じます。


95年、母が亡くなり、東寺の大日如来像の前で白い光に包まれた時、
あの時の心の状態も同じです。
心の中にあるのもは平安、喜び、
愛する母への感謝、ただそれだけでした。
  <母の愛>




この本に書かれているのは、
今現在ほとんどすべての人が持っているだあろう「制限された自己」を
守った上で幸せになる方法ではありません。

そういった制限された思い、自己像から逃れ、
人間ゲーム、マネーゲームから解放されるための究極の手法です。

そしてそのゲームから解放され、
己の持つ神性という宝物を見つけるための有効な手法が
本の中にいくつか書かれていて、
その代表的なものが「プロセス」というものです。

プロセスとは、もし自らが創り出した幻想である目の前の世界で
不快なことが起こった時、それに対する心の処し方です。
  1. その中に飛び込む
  2. 不快なエネルギーを残さず感じる
  3. その強さがピークに達したら、「真実」を告げる
  4. 自分の力を取り戻す
  5. 本当のあなたを、もっともっと表に出す
  6. あなた自身に、そしてあなたの創造物に感謝を表す
この言葉だけではなんのことか分からないかもしれませんが、
今振り返ってみて、
あの関空や東寺で感じた幸福感、すべてが満たされた思いというのは、
このプロセスで示されているものそのものであったような気がします。

あの時の思いは今も強烈に心の中に残っています。
あの時の思いとして、己の神性を振り返ることのできる自分は幸せです。


もう一度人間ゲームの第1段階と第2段階を見てみます。

人間ゲームの第1段階は、
神性を持った「本来の自己」に、
制限された自分の姿を信じ込ませようとすること、
本来の自分からの『差(さ)』を創るのです。

そして第2段階は、その制限という幻想に囚われた自分から、
本来の自分という神性を取り戻すこと、
その『差を取る』ということ。

つまり人間ゲームを終えるための第2段階のゴールは差を取ること、
『悟り(さとり)』であり、
この人生そのものである人間ゲームとは、
『悟りへの道』だということです。


生物の進化は長い停滞の時を経て、
突然変異のような形である時急激に階段状の変化を遂げます。

この悟りへの道も同様で、このことに気づいたからといって、
その瞬間からすべての状況が急激によくなっていくわけではありません。
それとは逆に、本来の自分が望む悟りをより強固なものとするために、
苦境に陥らせることもあるのです。

本の中には、経営している会社の利益が大きく減り、家庭での支出が増え、
いつ終わるとも知れない経済的苦しみの中、
必死に「プロセス」を実践し、心の中の大きな葛藤と闘いながら、
少しずつ己の神性を掴んでいった著者自身の体験が書かれています。

『艱難辛苦は汝を珠とす』
自分の場合も、愛する母の死、すべての貴重品が手元から消えるという
極めて苦しい状況の中だったからこそ、
深い心の気づきが得られたのだと感じています。

これはまた『産みの苦しみ』と言えるものであり、
これが本来の自分が望んだものであるとするならば、
輪廻を繰り返す長い魂の旅路の中で、
一度は必ず通らなければならない道です。


今は本当に素晴らしい時代です。
地球生命体ガイア、そしてその地球に暮らす人類全体が
大きく進化しようとしている時であり、
その流れに乗り、導きとともに進んでいくならば、
これまでの時代よりもほるかに楽に大きな一歩を踏み出すことができます。

そして神性を持ち、創造主である自分自身が変わるならば、
世界のすべてが変わっていくはずです。

是非とも、ともに、大きな一歩を踏み出しましょう。

 〜 宝探し へつづく 〜


2018.3.29 Thurseday  
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