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ヨガナンダ



2018年3月21日 ・・・ 己を観る

瞑想を初めて体験したのは今から三十数年前、
その当時は瞑想音楽のカセットを何本も買い、
それを聴いたりロウソクを灯したり、
いろんな工夫をしながら瞑想をするのがとても楽しみでした。

途中長いブランクがあったものの、
今は一日十分間ほどですが、
椅子に腰掛けながら心を鎮める時間を取っています。

瞑想それ自体ではあまり不思議な体験をしたことはありません。
途中光や熱感を感じたり、
何かビジョンのようなものを時折見る程度です。
ただ瞑想をしていると感覚が研ぎ澄まされるのか、
シンクロの起こる頻度が上がるような気がします。

瞑想は心を落ち着かせ、雑念を取り去る効果があるとのことで、
それは一時的ですが、多少は感じることがあります。

平成元年、初めて伝導瞑想という神智学系の集団瞑想をしました。
一時間という長い時間、
しかも何人かの人たちと一緒に瞑想するというのは初めてだったので、
刺激が強烈だったのでしょう、
初回の瞑想会の翌日のお昼、
岡山市の一番の繁華街である表町の横断歩道を歩いている時、
突然「あっ!心が軽くなっている!」と、
心の中の感情がそれまでよりクリアーになっているのを
ハッキリと感じ取りました。
あれは明らかに瞑想の効果だったと感じます。


先日アップした「日常が原点」の最後に
マインドフルネスを解説しているNHKの番組動画を貼り付けました。
けれどdailymotionの動画は、
YouTubeと違って上手くページに表示されないようで、
ブラウザによっては見ることができません。

ですからdailymotionのその動画ページのアドレスを直接貼り付けました。
このマインドフルネスの解説はとても興味深いものですので、
是非ご覧になることをおすすめいたします。
  <NHKサイエンスZERO_マインドフルネス瞑想 - Video Dailymotion>

長年瞑想を実践してきて、
ここ最近マインドフルネスというものがブームになっているのは
よく知っていましたが、
この番組で述べられているマインドフルネス(瞑想)の効果、
そして方法はまさに目から鱗で、大いに気づかされました。


マインドフルネスとは瞑想法のことで、
昔から仏教で行われている瞑想や座禅と本質的に同じであり、
そこから宗教性を排したものがマインドフルネスです。

マインドフルネス(瞑想)が、
科学的にもその効果をきちんと立証されているのはすごいことです。

不安やストレスを抱えた人に大きな効果があり、
うつ病の再発防止には抗うつ剤以上の効果がある。

三日間のマインドフルネスの実践で、
脳の働きに変化か起き、
dlPFCという思考や認知など思考活動のまとめ役となる働きが活性化し、
ストレスに対処する力が強くなる。

一日45分間八週間のマインドフルネスを実践した人たちは、
ストレスに蝕まれていた海馬が大きくなり、
不安やストレスを感じる扁桃体は逆に小さくなった。

たった一日のマインドフルネス体験で、
遺伝子の活動が変わってくる。



人間の脳の中には常にいろんな想念が渦巻いていて、
それはちょうど自動車のエンジンのアイドリングのようなもので、
それがあるからすぐに物事に対処することができます。

ただしその想念(雑念)を制御することが大切であり、
その役割を果たすのが、上に書いたdlPFCの働きであり、
マインドフルネスを実践することで、
雑念を制御する働きが高まるのです。


この雑念を制御するというのが、
自分にとっては大きな気づきでした。

雑念は悪いものではない、
ただそれに囚われ、飲み込まれてしまうことから悩みや不安が生まれます。

これまで瞑想する時は、いつも雑念との闘いでした。
雑念が浮んだらそれを消そうと意識を向け、
結局それを消すことができず、
いつも頭の中は雑念だらけで集中できないという結果に終わります。

マインドフルネスでは、まずは己の呼吸を意識し、
雑念が浮んできても、その雑念を消すのではなくそれに意識を向け、
ただ見つめ、少しずつ意識を呼吸へと戻していきます。

雑念を消そうとするのではなく、
少しは離れたところからその雑念を観るのです。

自分の呼吸、それに伴って動くお腹、
聞こえてくる音、空気の流れ、腕、脚、お尻、
五体から感じ取る感触、
今いる自分のすべてを感じる、観る、
その自分というものの中に、頭の中に浮んでいる雑念も含まれるのです。


仏教、神道、スピリチュアリズム、
すべての世界で『今を生きる』大切さが述べられています。

その今、この瞬間の世界とは、
今ここで肉体を通して感じ取るものすべてであり、
頭の中に思い浮かべていることすべてです。

極端に言うならば、
「昨日は楽しかったな〜」、「明日は晴れるかな〜」と、
過去や未来のことを考えていたとしても、
その考えていることを客観的に見つめられるのなら、
それは「今を生きている」ということになるのだと感じます。


これまで己の心にある感情を手放すことを大きなテーマとしてきました。
感情は雑念を生み出す大きな原因となり、
感情と雑念はとても近しいものだと言うことができます。

感情を手放すことは大切ですが、
もし手放せないとしても、
その心の中の感情に囚われることなく、冷静に対処できるなら、
それは手放したこととほぼ同じだと言えるでしょう。

マインドフルネスによって不安や悩みが解決され、
心が落ち着いたと感じる人が多いのは、
この感情や雑念というものと自分とを分離できるようになるからです。


先の動画でマインドフルネスのことを知り、
雑念を許容できるよう思いを切り換え、
その新たな思いで瞑想をするようになってから、
とても気持ちが楽になりました。
明らかに心が軽くなったのを感じます。

何十年も瞑想をやってきて、
なんでこんな簡単なことに気づかなかったのか ・・・ 、
不思議ではありますが、
きっといろんな本にこのことは書いてあったのだと思いますが、
本当に自分がそのことに気づける時期にならなければ、
見ただけで頭の中には入ってこなかったのでしょう。


雑念はあって当たり前、
そして感情もあって当たり前、
それを受け入れられるというのは大いなる救いです。

もっともっと自分に対して温かい眼で、
今この瞬間、真の己を観ていきたいです。

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2018.3.21 Wednesday  
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