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2017年1月21日 ・・・ 基礎と見極め

今年のモットーは、今目の前、手元にあるものを大切にし、
それを徹底的に味わいつくし、活かしきるということです。

そのことを昨年末ぐらいから意識し続け、
今は自分の身の回りにはこんなにも素晴らしいもので満ちあふれていたのかという
ワクワク感が止まりません。


『足るを知る』、
このことを、日々輝く笑顔とともに生きている
貧しいインドの子どもたちから知りました。

ものがない“のに”満ち足りているのではなく、
ものがない“から”満ち足りているのだ、
そのことを彼らは体全体で伝えてくれました。

豊かさ、充足感とは、
ものの多寡によるものではなく、
どれだけ今あるものに喜びを感じ、活かし切るかということ、
その中にこそ存在するのだと感じます。
だからこそ、ものはたくさんない方が豊かさを感じやすいのです。

今、インドの子どもたちから豊かさの本質を伝えてもらって九年が経ち、
自ら手元にあるものにより意識を集中させることを心がけるようになり、
そのことがまた一段深く理解できるようになりました。


西洋の学問は、個々の違いを理解するところから始まります。
それに対して東洋は、差異ではなく、
すべてのものに共通するもの、根底を流れる生命観といったものに着目します。

その根底に流れるものは“本質”と表現してもいいかもしれません。
その本質をつかみ、それがすべてのものの奥底に通じているからこそ、
東洋の知恵は広く応用が効きます。

そしてすべてに通じるものだからこそ、
ひとつのことを徹底的に理解したならば、
他のものに触手を伸ばす必要はないのです。

常に外のものに意識を向け、拡大を志す西洋思想ではなく、
内なるものを大切にする東洋の考え方、
その目指すひとつの姿が『足るを知る』ということです。


すべてに通じるもの、本質、
それは基礎という言葉に置き換えることもできます。

昔勤めいた公文式で知られる公文教育研究会では、
算数・数学、国語、英語、すべての教科に於いて、
この基礎を徹底的に習熟させるよう指導します。

その徹底度合いは通常の学習法の比ではありません。
例えば簡単な四則計算などは、瞬時に答えが書けるようになるぐらいまで
繰り返し練習し、小学校低学年の子どもであっても、
一般的な中高生の計算スピードに勝るぐらいのレベルを求めます。
それはそうした方が、
後々の学習進度によい影響を与えることが分かっているからです。

公文ではそういった基礎を徹底させることにより、
ただ単にその技術的な力を磨くだけではなく、
それに付随して向上する処理能力、集中力、あるいは学習習慣、
そういったものをも身に付けることを目標としています。

これが基礎であり、本質であり、すべてのものに通じるものです。


けれども残念ながら、今は情報化社会であり、
学ぶべきもの、知るべきものがあまりにも多く、
基礎を徹底するよりも、より多くのものを知り、
技術を身に付けることの方が優先されてしまいます。
これは学校の勉強だけでなく、社会全体すべてに言えることです。

そしてその結果どうなったのか、・・・
それはたくさんのもの、しがらみに振り回され、
生気の無い疲れ切った表情で生きている現代人の姿を見れば明らかでしょう。


東洋は相対の世界、善と悪をハッキリと区分する絶対ではありません。
ですから基礎が大切であると言っても、
それがすべて、絶対ではないのです。

基礎は植物で言えば根っこにあたります。
根っこは土台であり、これがないと植物は育つことができません。
そしてその根っこをしっかりと張るからこそ、
土の上に伸びる茎や枝葉を茂らせることができます。

はじめに根っこをしっかりと張ることをしなければ、
促成的に葉を茂らせて実りを得ることができても、
長い目で見て大きな成長を期待することはできません。
また激しい風雨や異常気象に見舞われるとすぐに枯れたり倒れたりしてしまいます。

根っこという基礎の大切さは、長い目で見たり、
外部環境が大きく変わったりした時等にハッキリと気が付くことができます。

かと言って、根っこがすべてではありません。
植物は葉っぱがなければ光合成をすることができず、
実りを得ることもできません。

基礎も大切、それを元に応用、発展していくこともまた大切、
要はその見極めが何より重要です。
近年大きな発展を遂げてきた今の社会は、
基礎をおざなりにしてきた傾向があり、
そのことを自覚し、自らがそれを見極め、バランスを取ることが求められます。


今取り組んでいる英語学習でも、
基礎の大切さは十分理解しているつもりでしたが、
最近より徹底してやるようになり、
まだまだ基礎への力の入れ方が不十分であったことを感じています。

『只管朗読』、学校の英語のテキストを五百回、千回と読むことを実践された
故國弘正雄先生も、
まずは徹底して簡単なテキストを朗読(音読)すること、
そしてそれができたなら、
次に様々なテキストを対象にした多読に移るべきだと述べられています。
やはりその見極めです。


そして基礎がしっかりとできた段階で応用へと進んでいったならば、
それまで身に付けていた基礎的なことを、
また違った面からより強固にすることができます。

これまでスピリチュアルなことをいろいろと学んできて、
アドラーでも引き受け気功でも、多くの知恵の中で共通して語られていること、
『他人は変えることができない。 変えることのできるのは自分だけ』、
このことを今深く感じています。

深い真理とは簡単な言葉で語ることのできるものです。
だからこそ表面的な意味は容易に分かっても、
それを身に染みこますように自らの内に取り入れるのは容易ではありません。

ですからまずはそれを実践しながら身に付けること、
そしてその実践の過程で、
別の角度から表現された言葉を随時目に入れることも役に立ちます。

最近シータヒーリングというものに関心を持っていて、
本を二冊手元に置き、途中まで興味深く読んでいるところです。

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このシータヒーリングをYouTubeで検索していて、
宮崎裕之さんの動画に出合い、
その中でもやはり語られていた、
『自分を変えることによって他人を変えた』というエピソードが、
とても深く腑に落ちました。
  <シータ脳であなたの人生をピカピカに!シータヒーリングの宮崎さん>

基礎となるもの、本質的なもの、
こういったものの理解はやはり階段状に深化していくもので、
ある段階まで行ってフッと気づく、そのキッカケとなるものがあります。

これまでと違った外部からのもの、
それがそのキッカケとなったりするのは楽しいものです。

これからも基礎、本質を根底に置き、
それを発展させていくことを見極めながら楽しんでいきたいと思います。

2017.1.21 Saturday  
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