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感謝の力

今の心が軽いのか重いのか、
普段はめったにそんなことを考えることはありません。

嬉しいこと悲しいこと、心を揺さぶる何かがあり、
心に大きな変化があった時、
今の状態、そしてそれまでの心の状態がどうであったかということを感じるのです。


心の中の感情を手放すセドナメソッドは、
きわめて簡単ではありますが、
とても効果的なワークです。

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手に握りしめているペンを過去に受け止めた感情と捉え、
そのペンを手放すと同時に、
心の中に眠っている感情をも同時に手放します。

この感情をペンに例えることが実に的確であり、
このペンの様相が感情のあり方ときわめて似ているので、
簡単に大きな効果を生み出すのです。


手でペンを握りしめると、
その握った直後は手のひらにペンの感触が意識されますが、
五分、十分、・・・三日、一週間、・・・そしてこの状態が何年も続いていくと、
手のひらにペンを握っているという事実は変らなくても、
ペンを握っているという感覚はまったくなくなってしまいます。

けれど本当は感覚がなくなっているのではありません。
あまりにもその状態が慢性的に続いてしまったため、
一時的に感覚が麻痺しているだけなのです。

そして長い間続いてきた状態を解放し、
手に握っているペンを手放した時、
解放された自由な手の感触とはどういったものだったのか、
そのことに初めて気づくことができるのです。

心の状態もこれとまったく同じであり、
ずっと昔から、ものによっては幼児の頃、
あるいは母親の胎内、過去世から持ち続けている感情、
これは宗教的に言えば業(ごう)やカルマとも表現できるかもしれませんが、
こういったものを手放すことにより、
真に心が解放された、軽い心を持つことができるようになります。

軽いというのは自由に動き回ることができるということ、
心の奥に様々な感情が折り重なっていると、
何かを考えたり感じたりする時に、
その感情が足かせとなり、
正しい、自由な判断をすることの邪魔をして、
本来望ましくない行動へと向かって行ってしまうことになるのです。

これも宗教的な表現をするならば、
業に導かれる、因縁に引っ張られるといったことにつながります。


誰しも今目の前に広がっている世界を、
心の中の感情に引っ張られ、
うがった目で見つめているとは思わないものです。

けれどいったん感情を解放し、
心が透明な状態を体験すると、
それ以前の自分がいかに感情に左右され、
その感情を通して物事を見ていたのかということがよく分かります。

いつも、価値というものはモノそのものにあるのではなく、
そのモノとの関わりの中にこそ存在する、ということを言っていますが、
モノとの関わりというのは、
言葉を変えれば、モノを見る時の己の感情であり、
その感情という色メガネを通して見る世界のことです。

その感情という色メガネは人によって様々で、
何をしても不平不満ばかりの人もいれば、
すべてに喜びと感謝を表現できる人もいます。

感情を解放し、すべてを己の幸せへと導ける内的な価値観を持つことは、
身の回りの物理的条件を満たすことよりも、
幸せになるために大きな要素だと感じます。


心の中に潜んでいる様々な感情は、
すべてが独立して存在しているわけではありません。
感情をひとつひとつ手放していくと、
その他のまったく関係がないと思われるような感情、こだわりもまた、
自然に手放せるようになるのはよくあることです。

心の中のたくさんの感情は、
葉を茂らせた大きな樹木のようなものかもしれません。
ひとつひとつの感情という葉っぱは独立していても、
その幹や根っことなるものは共通していて、
すべての葉(感情)は、その他すべての葉(感情)に
影響を与えるのではないかと考えられます。

心の中の感情はエネルギーを持っていて、
それが磁石のように働いて、同じ種類の新たな現象を作り出し、
そこからまた過去と同じ感情が生まれていきます。

恨みがましい人はその恨みを積み重ねるようなことばかり引き起こし、
感謝に生きる人には、より深く感謝できることが起きてきます。

ですからそういった面からも、
心の中のたくさんの感情は、
いくつかの同根のものへと分類できるのです。


セドナメソッドを行うと心のいろんなことに気がつきます。
それは心が軽く、ニュートラル(中立)な状態になるからでしょう。

心が重く、囚われのある状態とは、
車で例えると、常にブレーキをかけたまま走ったり、
あるいはハンドルに遊びがありブレていたり、
どこかの方向に曲がっていこうとする癖があるようなものです。

簡単で効果的なセドナメソッドは、
いつでも自分の心を見つめ、それをクリーンにしてくれる最高のツールです。


そのセドナメソッドと匹敵する素晴らしいものと最近出合いました。
まだそのワークを実践している途中なのですが、
セドナメソッドと同様、始めてすぐに自分の心の中に変化を感じ、
とても軽やかな心の状態を経験することができました。

それは潜在意識のパワーについて書かれた大ベストセラー「ザ・シークレット」の著者
ロンダ・バーンによる感謝の持つ偉大な力を説いた「ザ・マジック」です。

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セドナメソッドは、
心の中のガラクタを整理してくれるワークです。
心の中にある、心が本来持っている力を妨げている感情を
ひとつひとつ手放すことにより、
心の中をクリアーな状態にしていきます。

それに対して「ザ・マジック」で行う感謝のワークは、
心の中、あるいは身の回りにあるすべてのものに感謝を捧げることにより、
それらすべてを磨き上げ、
これまでマイナスに働いていたものをもプラスにしていくものです。

これら二つのワークは同じものを目指しながら、
そのアプローチの手法は対照的です。

過去の嫌な出来事から生じた感情が、
心の中で囚われとして残っているのなら、
その記憶と感情は手放してしまうのがひとつの善なる方法です。

それとは別に、どの様な出来事も100%悪い面ばかりということはないのですから、
そこから学び取れるわずかなメリットに光を当て、
そこに感謝の念を送ることにより、
どんなことをもすべて己の糧にすることができる、
これが感謝の持つ偉大なる力です。


「ザ・マジック」の中には、
28日間で行うべきワークの内容が具体的に記されています。
その中で一貫して毎日行うのが、
身近なことの中で感謝できるものを十項目探し出し、
それらとそれらに感謝できる理由をノートに書き、
ひとつひとつ丁寧に深い感謝の念を捧げていきます。

毎日十項目ですから、
28日間で280もの項目に感謝することになり、
普段は当たり前としか思っていないものにも感謝の念を向けるようになり、
日々の暮らしの中で、いかに身近でささいなものから
深い恩恵を受けているのかが身にしみて感じられるようになります。

その他健康、周りの人たち、お金、食べ物、
こういったあらゆるものに対しても、日々感謝を捧げるワークをしていきます。

これを真面目に行ったなら、
どんな人でも心のあり方、身の回りを見つめる目というものが変っていくでしょう。
身の回りにあるすべてのものによって生かされている、
この当たり前の事実に気づけるようになっていきます。


感謝をするということは、今この瞬間に喜びを感じることに通じます。
『今を生きる』、これはスピリチュアリズムの最も大切な基本です。

今を生き、今この瞬間に喜びを感じる、
これはまた『足るを知る』ということとも同じです。




現在のスピリチュアリズムは引き寄せの法則に代表されるような、
心の働きを使っていかに願望を成就させるかということがメインになっています。

人間の想念は無限の力を持っているのですから、
それで大きな願望が叶うことは事実です。
頭の中にイメージしたことは現実となって目の前に現れる、
これは時空の基本法則のひとつです。

けれどこの大きな力に振り回され、
夢は叶ったけれども、家族、人間関係、健康等、
別の面で不幸なことが起こって幸せにはなれなかったという話もよく耳にします。

これは感謝ということを考えてみれはよく分かります。
頭の中にプラスイメージを思い描けばいいかというと必ずしもそうではありません。
そこに感謝の思いというものがなければ、
そのプラスイメージの裏にマイナスのものをも同時に重ねてしまうことになりかねないのです。

今住んでいる家に不満があり、
もっと大きくて立派な家に住みたいと願い、
頭でその大きな家をイメージしたとしても、
そこには大きな家のイメージとともに、
今の家に対する不満が同時に刻み込まれてしまいます。

どんなにボロい家であったとしても、
家の中では雨に濡れる心配がありません。
部屋を閉め切ってストーブに火を点せば、
寒い真冬の日でも凍えてしまう心配はないでしょう。

このことを心に置き、このことに感謝をする、
そしてこの感謝の念の上に新しい願いを持つ、
これが本当の意味でのプラスイメージです。


『幸せは得るものではなく気づくもの』

感謝の思いは幸せを導く鍵であると同時に、
感謝できる、そのこと自体が何よりも大きな幸せです。

感謝できる、幸せに気づける人になりたいですね。

2013.6.1 Satueday  
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