ヨガナンダ 心の時代のパイオニア
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ヨガナンダ



道筋<9>

私は世間一般から見て、
標準的な生き方、考え方をしている人間ではありません。
人と比べて突出した部分を数多く持っている人間ですが、
そういった人間も、全体の中でほんのわずかでもいることにより、
全体としてバランスの取れた状態になるのだと思います。

多少天の邪鬼的な面もあるのですが、
大多数が足並みを揃えてひとつの方向に向かおうとしている時には、
その中に潜む危険性について、
どうしても声を上げたくなってしまいます。


これまでの既存の宗教が、
近い将来その形を大きく崩壊させていくのは、
歴史の流れから見て変えることのできない定めです。

その中で、これまで宗教と深い関わりを持ってきた私は、
その宗教の持つ危うさとともに、
その素晴らしさを伝えることが、
自らに与えられた(が望んだ)天命なのだと感じています。

今迎えようとしている時代の大転換期は、
陽から陰、西から東、物質から精神、・・・
あらゆるものの価値観が逆転し、対極の方向へと向かっていきます。

これまで良しとされていたものの弊害が露呈し、
疎んじられていたものの価値が見直されてきます。

これからはじまる精神文明は、
人間が最も深い根源的部分に持っているまばゆいばかりの輝きを、
しっかり見つめることのできる素晴らしいものになると思います。
もう多様な戒律や自己規制で精神を縛られることがないのです。

けれどもそこに至る過程においては、
何らかの苦悩や葛藤を経験し、
いろんな事を感じ取らなければならないでしょう。

その際に最も確実な道標となってくれるものが、
生命を持った歴史の流れ、価値観の流れを知り、
それを活かすということです。


大切なことなので何度でも繰返し言いますが、
相対の世界であるこの時空において、
絶対善、絶対悪というものは存在しません。

すべてのものやことは善悪両面を持った両刃の剣のような存在で、
それをどのように捉え、関わるかということが、
価値というものの本質です。

これからの素晴らしい精神文明の幕開けを告げるのは、
まだ危うい面が多々ある、今現在主流となりつつあるスピリチュアリズムの
役割です。

そのスピリチュアリズムの持つ危うさを抑え、
大きく可能性を花開かせていくためには、
これまで主流であった宗教の持つ負の側面を知り、そこから反省をすると同時に、
宗教の持つよさをもまた学び、
そのよさに匹敵するものをスピリチュアリズムの中に求めていくことです。

今のような時代の大転換期前半においては、
過去の価値観の負の側面が大きくクローズアップされてきます。
そして新しく生まれてくるものは、
その対極にあるが故に絶対的で素晴らしいのだと盲信されてしまい、
その中にこれまでとは違った危うさを抱えていても、
なかなかそこには目が行かなくなります。

明るく自由で開放的なスピリチュアリズムは素晴らしいものです。
そしてそのよさを100%発揮するためにも、
これまでの私たちの精神文明を守り、
大切なバトンを新しい時代に向け手渡してくれた宗教に敬意を表し、
感謝を込めてそのよさを見つめていかなればなりません。

その『宗教のよさ』に込められた思いを継続し、
その上にまた新たなものを築いていけたなら、
こんなに素晴らしいことはありません。


最も大切なのは自分自身です。
その自分という自己を確立し、解放された囚われのない心と目で、
宗教もスピリチュアリズムも見つめていければと思います。

その自己を確立することと囚われのない心、
これこそが、生命を持った時代の波が、私たちに望んでいることなのです。


  つづきます ・・・

2011.10.15 Saturday  
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