ヨガナンダ 心の時代のパイオニア
 ヨガナンダ > スピリチュアル夜話 > 矛盾と葛藤



ヨガナンダ



矛盾と葛藤

今は世界各地で古い秩序が崩壊し、大混乱の時期を迎えています。
こうなることは文明の流れからいって必然であり、
何人たりともこの大きな流れを変えることはできません。

私たちにできるのは、ただこの大きな流れの意図するところを感じ取り、
これまでの西洋的物質文明から、
新たに始まろうとしている東洋的精神文明へのスムーズな移行を
アシストすることたけです。

古いものが崩壊し、新たなものが生まれようとしている今は、
たくさんの混乱が生まれ、
古いもの、価値観、体制にしがみつこうとする人やものからは、
様々な矛盾や負の側面があぶり出されてきています。

その大きな役割を担っているもののひとつが、
水の理の象徴でもあるインターネットです。
これまでの時代、大きな権力を持つ資本家やマスコミが情報を牛耳り、
市民の目に届かなかった「不都合な真実」が、
インターネットによって一瞬にして世界中を飛び交うようになりました。

先のジャスミン革命をはじめとするアラブ諸国の争乱で、
Twitterやfacebook等のネットメディアが、
いかに社会を変革しようとする大きな力になりうるかということが、
世界中に明らかになりました。

革命、紛争、平和運動や反原発、
市民レベルで行われている大きな活動で、
ネットが大きな力を占めていないものは何一つありません。

これからの時代は一部の権力者が社会を支配することができない時代です。
そしてそのための改革を起すのは、
突出したリーダーではなく、市民一人一人の力です。

それが水の理であり、
明治維新は少数の下級武士が中心になって起したのに対し、
これからの平成維新は、
名もない市民の力の結集によって行われるものと思われます。


数日来、マンハッタンを発端として起こったアメリカの金融支配に対する
抗議運動は、多数の逮捕者が出たにも関わらず、
全米各地に大きく広がろうとしています。

貧困大陸アメリカも、ついに来るべき時が来たかといった感があります。
1%の富裕層が全米40%の富を独占しているといわれるアメリカは、
もうこの動きをこのまま押さえることはできないでしょう。
  <【特別現地レポート】 アメリカで今、失業するということ>

ここでもやはりネットが大きな役割を果たしていて、
#occupywallstreet というハッシュタグで検索すると、
多数のツイートを読むことがきます。



その中のひとつ、
『我々の経済を意図的に破綻させた銀行家は誰も逮捕されないのに、
 そのことについて声を上げた者は1,000名近くも逮捕されている』

社会に起こっている問題点とそこに潜む矛盾は、
日本もアメリカも変わりません。


ホリエモンこと堀江貴文は粉飾決済による証券取引法違反で実刑判決を受け、
それが確定し、現在刑務所に収監されています。
これはその収監される時に来ていたTシャツの図柄です。



ライブドア53億円、ヤオハン128億円、 ・・・ 日本長期信用銀行3,100億円、
これらはそれぞれの会社の粉飾決算の額(単位:億円)であり、
この中で最も粉飾額の少ないホリエモンだけが実刑判決を受けています。

先日やくざとのメール問題で島田紳助が芸能界を引退しましたが、
同じくやくざから、政治献金という現金を受け取っていた民主党の前原誠司議員は、
一切の処罰を受けていません。

暴力団排除条例が施行され、今後暴力団が活動しにくくなると言われていますが、
これを施行したひとつの理由は、
これまで店舗からみかじめ料を取っていたやくざを排除する代わりに、
警備会社がその領域に入り込み、
そこに警察OBが入り込むという就職事情があるとのことです。

警察が法の番人であるというのはひとつの側面に過ぎません。
裏社会に精通して知人によると、
県警の中でも特に管轄に港湾部を持つ
福岡、兵庫、神奈川といった県警が内部の腐敗が酷く、
港から入る覚醒剤の手引きをし、
そこで警視にまでなれば、二年で豪邸が建つと言われているそうです。

今は中学生にまで覚醒剤が蔓延していて、
ここ広島でも、繁華街に行けばそこかしこに売人の姿を見ることができます。
事実上の警察による野放し状態です。

福島第一原発の事故に関しても、
多くの東北の人たちが放射能被害によって職を失い、路頭に迷い、
中には自殺した人までいるにも関わらず、
東電の社員はボーナスを手にし、
最高責任者の社長は退職に際し5億円の退職金まで受け取っています。

原発近辺の土地を「死の街」と表現した大臣は辞職に追い込まれ、
そこを「死の街」にした張本人たちは責任を免れています。

生肉ユッケで食中毒を起した会社にはすぐに強制捜査の手が入りましたが、
東電はいまだに強制捜査も証拠品の押収もされていません。


こんな社会の矛盾したことを語ればキリがありません。

文明の大転換期とは、
例えるならば大きな引っ越しをするようなものです。

古いものをすべて整理し、片付け、
新しい家に持っていけるものは箱に詰めますが、
そうでないいらないものは大量に処分しなければなりません。

いろんなものを動かし、整理していくと、
「こんなにいらないものがあったのか」と驚くこともしばしばです。

長い間手つかずだったものは、整理する時にホコリが舞います。
また家の中も隅々にまではたきをかけ、掃除機でゴミやホコリを取り、
汚れた箇所は雑巾で拭き、
引っ越しは、荷物の整理、片付け、処分とともに、
大掃除の時でもあるのです。


今の社会は、これまで当たり前のように社会の真ん中にあったものが、
それを動かそうとする力が働くことにより、
ホコリまみれになりカビの生えたような側面が露わになり、
大きくホコリを舞い散らせているようなものです。

それをきれいにして新しい家にまで持っていけるかどうかは分かりません。
いったん外側をきれいにし、
中身だけを新しい容れ物に移し替えることになるかもしれません。

またもしかしたら、ホコリまみれのままで、
ゴミ袋に入れてしまうかもしれません。

いずれにしても、古い家を散らかし汚したままでは、
新しい家に引っ越すことはできないのです。


今は社会全体が、大きくホコリが舞うように、
矛盾や葛藤が隅々までをも覆い尽くそうとしています。

矛盾、葛藤、それ自体はマイナスのものかもしれませんが、
それらをこれからクリアーにし、
新たなる「浄なる世界」へと進む過程だと考えたならば、
喜びを持って対処することができるはずです。


社会とそこに暮らす人々の心はリンクしています。
社会が古い衣を脱ぎ捨て、新しい舞台に躍り出ようとしているのと同じように、
私たちも今は心の葛藤と戦う時期なのだと思います。

人類社会が大きくレベルアップしていくのですから、
私たちがそれに後れを取るわけにはいきません。

実際私の身の回りでも、
大きな悩みや問題を抱えている人が何人もおられます。
その人たちの真我は、きっとその悩みや問題、
矛盾や葛藤を乗り越え、大きく心が成長することを望んでいるのだと思います。

私たちは本来霊的存在です。
宝くじに当たったり美味しいものを食べられるのも幸せですが、
本当の幸せとは、その霊性を進化させるところにあるはずです。

そして今はその進化するための大きなチャンスです。
悩み、問題、矛盾や葛藤、
それらすべてを恵みととらえ、大きく飛躍していこうではありませんか。


身近な問題、社会における矛盾、
これからも大いなる勇気と行動力をもって、
それらに立ち向かっていきたいと思います。

そしてそれと同時に、
それらすべては自らが創造したものであるという真実を心に置き、
明るい気持ちを持ち続けたいと考えています。

2011.10.4 Tuesday  
ひとつ前へ  ホームへ メニューへ 次へ
Link Free
Copyright 2010 Sakai Nobuo All right reserved.