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麻薬

昨日原子力発電所の建設問題で揺れている
山口県熊毛郡上関町の町長選挙が行われ、
原発推進派である現職町長が3選を果たしました。

上関は中国電力管内で広島からそう遠くないところにあり、
二ヶ月前に原発予定地の対岸にある上関町祝島に行ってきたので、
このたびの選挙は関心を持って見ていました。

今現在原発のあるところ、あるいは原発建設予定地、
及びその周辺の自治体にとって、
原発問題とは、交付金や雇用といったお金を取るか、
あるいは生命、安全を取るのか、この二者択一の問題です。

たまたま目にした作家柳美里のツイートとその返信か、
まさに我意を得たりといったところだったので、ここにそのまま引用します。



      ※ 上関町は山口市ではありません。

三年前から南インドの孤児院を二回訪ね、先月カンボジアに行き、
私たちが人類の歴史とともに築き上げてきた文明の宿業とでもいうべき
負の側面を強く感じました。

そこで得た結論は、『文明は麻薬である』ということです。

麻薬と称されるものがすべて悪いものだとは思いません。
「大麻で地球再生」でも書いたように、
私たちにとって有益な麻薬もあると思います。
このページで言う麻薬とは、習慣性と強い禁断症状を持ち、
人の命と健康を蝕む麻薬のことです。


いったん麻薬の味を覚えたら、その魔力から逃れることは容易ではありません。
麻薬の魅力に浸っている一瞬は快楽ですが、
それを得られないことによって引き起こされる苦痛はそれ以上です。

麻薬の魅力に冒されるようになってくると正常な判断力を失い、
それが最終的に破滅の道に向かうと分かっていても、
心を制御することができなくなります。

この文章の麻薬という単語をそのまま文明に置き換えても、
普通に意味の通じる文章になることをご理解ください。


物事の根底にあり、最も大切なものは実にシンプルです。

私たちは高度なもの、複雑なものについ目が行きがちです。
そして高度で複雑なことができるということは、
当然その根底にあるシンプルなものは、
十分に理解し、活かしているはずだと思うものですが、
実はそれは幻想に過ぎません。

「植物さん」の三上晃先生は、私にいろんなことを教えてくださいました。
三上先生のお宅には、たくさんの方が先生に会いに来られます。
その中に心臓外科の専門の先生がおられて、
三上先生がその方に、
「心臓はどうして動いているのか」
という根本的な疑問を呈したところ、
「その最も根本的なところが実はよく分かっていないのです」
という答が返ってきたそうです。

三上先生は、ご自身の生き様と植物さんたちとの交流の中で、
きわめてシンプルな中にこそ深い真理があるというこを感じておられました。
そしてその思いは、今の私の中にも息づいています。


ケイタイ電話は、ただの移動電話から
様々な機能を有するスマートフォンへと進化を遂げました。
多くの技術者がその機能進化を目指して心血を注ぎ、
私たちユーザーもまたそれを望んでいます。

けれどもその根本にある、
ケイタイ電話というメディアは、
私たちを本当に幸せに導くのかという疑問に対しては、
誰も真剣に考えようとはしません。

ケイタイ電話はたしかに便利です。
もうケイタイのない時代のコミュニケーションのあり方を、
思い出すことすら困難になってきています。

けれどもケイタイのない時代と今とを比較して、
人と人との交流がより深くなった、
人間関係がスムーズに行くようになったと感じることはほとんどありません。

ただ事実としてあるのは、
もうケイタイのない生活に逆戻りすることはできないであろうということだけです。


利便性、快適性が増すことが悪ではありません。
その裏で、本当に大切なものを見失ってしまうことが危険なのです。

上のツイートに書かれているように、
「人並みの生活」という、
地球環境のキャパシティーをはるかに超えた幻想を抱き続けたままでは、
もう地球上で私たちは生命を存続させることはできなくなっています。

では私たちはどのようにすべきなのか、
そのことこそが根本の問題であり、最も大切なテーマです。


今、物質中心の時代が終わりを告げようとしています。
それはもう終わらなければならないタイムリミットを迎えたということです。

その次に来るものは新たなる精神文明です。
その予兆として、日増しに想念の力が増大してきています。

けれどもその想念の力を、
物欲を満たすための願望実現やパワーにのみ使っていては、
まったく本末転倒だと言わざる得ません。

これも、そのこと自体が悪だとは言いません。
これも想念の活用法のひとつであり、
これをキッカケとして、心の奥に潜む神聖なる霊性に気づくこともあるはずです。

ただそれだけに偏り、
今の時代、私たちの最も大切な生命が何を求めているのかということに
目を背け続けていたならば、
もう間もなく、取り返しの付かない事態へと発展することは明らかです。


これは喜びや幸せを捨て、苦行の道に進めと言っているのではありません。
ただ一時、今を見つめ直し、一瞬の快楽への囚われを捨て、
本当の持続可能な幸せの本質に向かって歩を進めて欲しいと提案しているのです。

そのための鍵となるものは、
まずひとつは「手放す」ということです。
スペースクリアリングでモノへの執着を手放し、
セドナメソッドホ・オポノポノ引き受け気功、・・・
そういったもので心の中の囚われから脱してください。

そして心を確実に間違いのない方向に向けていくためにも、
その思いを実践として示してください。

私は公衆トイレを磨く行を、生涯続けていくつもりです。
これは本質的にボランティアではありません。
自らの心を磨いていく実践行です。

もし私がそれをめんどくさいと感じるようになった時、
それは何も発言する資格がなくなった時だと考えています。


文明という麻薬の呪縛から逃れるのは大変です。
けれども今は時代の後押しがあり、
素晴らしい様々な方法が提示されています。

明るい未来は、私たち一人一人の思いと行動によって創造されます。
そのためにも、最もシンプルな根本に目を向けていくことです。

2011.9.26 Monday  
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