ヨガナンダ 心の時代のパイオニア
 ヨガナンダ > スピリチュアル夜話 > 0次元<2>



ヨガナンダ



0次元<2>

次元というのはあまりにも身近で根源的、かつ当たり前の存在です。
普通の人は次元などということを普段まったく考えることはないでしょう。

今感じている次元と違った状態の次元を想像するのは、
理論としては思い描くことができますが、
実感としてとらえることはできません。

私たちが日常感じている次元とは違う世界など
本当に存在するのでしょうか。
もし存在したとしても、それは五感で簡単に感じ取れるものではなく、
大胆な推測を抜きにしては想像することはできません。

科学の力で次元の真相に迫る研究も進んでいて、
今後異次元の存在が具体的に証明されるようになるかもしれませんが、
その頃には時代が進み、科学的ではない、
科学とは対極のマクロ的視点で物事を見ていく論理的思考が
今よりもはるかに重要度を増していることでしょう。

そのマクロ的、生命的思考の大切さを説明したいと思い、
前項「0次元」では、牛乳神話のことを例に挙げました。


ここまで書いていてふと思ったのですが、
次元という純粋な物理学的概念について、
なぜ「スピリチュアル夜話」というコーナーに書かなければならないのか ・・・、
これはとても象徴的なことです。

これからは融合の理を持つ水の時代になってきます。
また今は真理が明らかになってくる「岩戸開き」の時、
またアセンションが間近であるとも言われています。

宗教と科学はこれまでの時代、対立を繰り返し、
お互い歩み寄ろうとしてきたものの、
その間にある深い溝を埋めることはできませんでした。

しかしこれからは、
これまではまったく別のものととらえられていた宗教に代表される精神性、
科学に代表される物質性、
このふたつがひとつに融合し、
精神も物質も本来は不可分のものであり、
根本はひとつであるということが明らかになってくるものと思われます。

これは観念的な理想論ではなく、
実際にスピリチュアルな世界も、物理学の世界も、
現在確実に一歩ずつ互いに歩を近づけつつあることを感じます。

これまでひとつの頂を目指し、
まったく別のルートから登っていたものが、
お互い登頂を間近に控え、
今ひとつのところで出会おうとしているのです。


融合は水の代表的性質であり、
またこれからはじまる東洋の時代の重要な概念のひとつでもあります。

太極図

東洋思想の象徴でもある太極図は、
その融合の理合いを分かりやすく表しています。

黒い下降しようとする陰と、白い上昇しようとする陽が、
ひとつに融合し、全体を形作っています。

上の図ではハッキリと陰と陽が黒と白に分かれていますが、
本当は黒は少し白を含んだ墨の色であり、
白は少し灰色がかった半紙のような色をしています。

また大きな陰の中にも小さな陽(白丸)が含まれ、
大きな陽の中にも小さな陰(黒丸)が含まれていて、
陰と陽は完全に二分されるものではないのです。

またどちらも勾玉のような、精子のような形で動きを持ち、
時間の流れとともに循環し合っています。

その時間軸を図と垂直にとり、
時間とともに太極図が垂直に循環しながら上昇すると、
その描く図形は、生命の情報を司る遺伝子DNAの二重らせん構造となります。


ふたつのものは共生し、互いを補い合っています。
補い合い関係し合っているからこそ、
そのふたつをまったく別のものとして区分することはできません。

男と女、両性がいてはじめて新しい命を生み出すことができます。
最近は性同一性障害のことが当たり前のように語られるようになり、
男女の性は明確に区分できるものではなく、
連続的に変化するものだという認識が広がってきました。

時間と空間、この根本的なふたつの概念も完全に独立したものではありません。
アインシュタインの特殊相対性理論の下では、
『この宇宙で絶対的なものは光の速さだけである』と定義をし、
たとえば光速に近い速さで進む乗り物の中では、
時間の流れは地上にいる時よりもゆっくりと推移し、
空間の条件を抜きにして、時間を一律の尺度で見ることはできないのです。

スピリチュアルな世界で語られる「引き寄せの法則」は、
精神による物質への影響を説いたものであり、
これは精神と物質が不可分であり、
互いにどこかでつながっているということを示しています。


互いに深い関係性を持ち、融合している世界では、
その中における因果関係を、
これまでの科学のように簡単に立証することは困難です。

たとえばヤカンの中に水を入れ、それに火をかけ、
水の温度上昇と火の熱量の関係を1対1で見ていくという
小中学校で習うような「科学的考察」は実に単純で簡単ですが、
これは便宜的に他のすべての関係性を無視しているから成り立つのであり、
実際はそのヤカンの熱伝導率、部屋の温度、水に含まれる含有物等々
限りなく様々な条件を加味しなければ、
正確な因果関係を調べることはできません。

科学とは、あるものを細かい要素に分解し、
その分解した要素が周りの他のものからまったく影響を受けないと仮定し、
実証を進めていきますが、
本来厳密にはそういったことはあり得ません。

またより厳密に言うならば、
科学の世界に客観性は存在しません。
そのことは「不確定性原理」により証明されています。


これからの時代は、これまで科学で無視してきた関係性の中にこそ
深い真理が隠されているととらえるようになっていきます。

また客観性がないのですから、
もしどこかに真理というものが存在するとしたならば、
それは主観の中、つまり己の中にしか存在し得ないということです。


すべての要素が独立していると考えるのは、
科学的偏見とでも呼べるもので、
自分さえよければいい、お金さえ儲かれば、・・・
こういった考え方をする人間が増えてきたのは、
明らかに科学一辺倒に偏った社会が生み出した弊害です。

たびたび現在のスピリチュアルな世界の批判をして申し訳ないのですが、
今流行っているスピリチュアルなセミナーで話されていることの多くが、
ある特定の願望を満たすことに焦点を当てているような気がします。

スピリチュアリズムが、物質至上主義の対義語であるとするならば、
これまでの科学的断片思考から、
よりグローバルに、すべての関係性を踏まえた上での思考となるべきです。

私たちが生きるとは、他のものたちとどのように関わっていくべきなのか、
その周りのすべての中で、その関係性において、
自分が本当に望んでいるものが何なのか、
それをどのように求めていくことが幸せなのか、
そういった観点からすべてを見つめる生き方、
これがスピリチュアリズムだと思います。

そしてそれができることが、本当の意味での自己実現なのでしょう。

どうすればお金が儲かるか、病気が治るのか、
そういった断片から思考していくのは単なる願望実現です。

自己実現と願望実現の違いをよく感じ取ってください。


また話がそれてしまいましたが、・・・
これから複雑でかつ融合した関係性の中で真理を求めていこうとする中で、
私たちがこれまでほとんど疑うことなく持っていた
『この宇宙は空間三次元、時間一次元、これがすべて』
という閉鎖された考え方を捨てなければならない時が、
もう間もなく来るのだと思います。

物質と精神がひとつとなり、
その秘密のベールが明らかになる時、
次元の真相も明らかになるのだと思います。

  0次元<3>へ

2011.2.18 Friday  
ひとつ前へ  ホームへ メニューへ 次へ
Link Free
Copyright 2010 Sakai Nobuo All right reserved.