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言葉の限界<6>
ハワイの秘宝ホ・オポノポノはここ数年日本で大きな話題となり、
関連書籍も多数出版されましたので、
日々実践されている方も多いのではないかと思います。
ありがとう、愛しています、ごめんなさい、許してください。
四つの言葉はとても素晴らしい響きを持っていて、
心の中で唱えているだけで心癒されるのを感じます。
引き受け気功の藤谷康充先生は、
『ホ・オポノポノの生まれたキリスト教文化圏の人たちは、
生まれ持って原罪を背負っているという感覚があるので、
「許してください」と唱えるのはいいけれど、
そういった意識のない私たち日本人が「許してください」と唱えると、
逆に「自分の心の中には許してもらわなければならないものがあるのだ」
というマイナス意識を植え付けることになるので、
「許してください」という言葉は唱えない方がいいですよ』
と語っておられました。
私もこの考え方にはとても同意できます。
このお話を聴いたその日から、私のホ・オポノポノは、
「ありがとう、愛しています、ごめんなさい」
この三つの言葉になりました。
何も意識しないでただ三つの言葉を唱えたり、
毎日決まった何人かの人、
あるいはその日ご縁のあった方たちを思い浮かべながら、
頭の中で三つの言葉を唱えます。
これがどういった効果があるのかは分かりませんが、
自分の心をとても落ちつかせてくれるのは事実です。
これまで生きてきた中で、いろんな人といろんな関わりを持ってきました。
その中で、やむにやまれぬ理由があったにせよ、
人を傷付けてしまった経験があります。
私は毎日、その傷付けてしまった人に対してホ・オポノポノの言葉を唱えています。
その人に対しては、「許してください」を含めた四つの言葉です。
「ありがとう、愛しています、ごめんなさい、許してください」
もう何千回その人をイメージして唱えたことでしょうか。
これで気持ちが楽になったかといえば、まったく楽にはなりません。
こんなことで許されるとも思いません。
本当に「許してください」という謝罪の気持ちがあるのなら、
それがすぐに行動として出るはずです。
もしその人に対して行動することができないのであれば、
その謝罪の気持ちは、誰か他の人にでも返すことができるはずです。
私にとってのホ・オポノポノの四つの言葉が持つ効果は、
実際に謝罪できたり、
常に頭を下げて謝罪できるための気持ちを保ってくれること、
自分が他の人から傷付けられたとしても、
我が身を振り返り、それを許すことができる自分になること、
このふたつです。
言葉の持つ強い力によって「思い」は高まってきます。
思いが高まれば、行動に移すことができるはずです。
『行動を導くための思い』、『行動を回避するための思い』、
本当の思いとはどちらでしょうか。
言葉は大きな力を持っています。
『表大なれば裏大なり』、
その言葉の持つ大きな力の裏の作用として、
言葉によって行動を回避しようとするならば、それは本末転倒です。
謝罪すべき相手に実際に頭を下げるのがいやだから、
心の中で「許してください」と唱えることは、
「謝りたくない、謝りたくない ・・・ 」と繰り返し唱えているのと同じ事です。
また実際には謝罪していないのに、
言葉の力によってすでに謝罪した気持ちになるのは怖いことです。
表と裏、光と影、言葉というものの持つ二面性を理解し、
その上で付き合っていかなければ、
自己幻惑に陥ってしまい、現実が見えなくなります。
思いがすべてを創り出しています。
ならば本当にその思いが変わったならば、
どう行動することができるでしょうか。
実際に行動すること、または行動する決意を固めること、
それが本当の意味で思いが変わったということです。
言葉はそこに導くための手段なのです。
手段だから軽視していいと言っているわけではありません。
遠くの目的地まで車で出かける時は、
なるべくいい車に乗った方が、快適で早く行くことができます。
どんな車を選ぶのか、
その車に当たるのが言葉です。
いい車を選んだ上で、地図を見て目的地を確認し、
ハンドルを握り、アクセルを踏み、
車を目的地まで進めていくのは本人の意志と行動です。
快適な旅をするために、
日頃の車のメンテナンスは怠らないようにいたしましょう。
2010.12.28 Tuesday
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