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平安

悩み苦しみがない、葛藤もない、
そんな心の状態が「平安」なのでしょう。

これまで多くの人たちから
「私の目指しているのは心の平安です」
という言葉を聞いてきました。

心の平安、素晴らしいですね。
胸の内が大きな喜びで満たされることではなく、
ただ今、この瞬間、ここに生きていること、存在していることに、
静かなる喜びを感じ取ることができる、
これにまさる普遍的な幸せはないでしょう。


これはひとつのタイプなのでしょうか、
私は謙遜ではなく、平安とはほど遠い心持ちの人間で、
常に何かの使命感や葛藤と戦いながら、
今まで生きてきたような気がします。

けれども今ようやっと新たな時期に来たように思います。
これまでとは違った心の持ち方、考え方で、
心の平安という新たな境地を切り開きたい、
また切り開かなければならないと考えています。


悩み苦しみが人それぞれのように、
心の平安を感じるものも、人によって違いがあるでしょう。

私が心の平安という言葉から思い浮かべるものはふたつあります。

ひとつは山登りをした時に感じた、
自然との一体感、絶対的な安心感です。

もう十年ぐらい前だと思いますが、
江田島の古鷹山に登り、尾根伝いに遠くまで延びる山並みを眺めていた時、
心の奥深くから、じわーっと湧き出るように、
言葉に表現できないような安心感、喜びがこみ上げてきました。

その喜びは、その場で飛び上がるような大きなものではありません。
大きなものではないのですが、その喜びの湧き出てくる場所が、
普段まったく意識することのないような心の深い深い場所であることを、
その時ハッキリと感じ取ることができました。

大きくはないが深い喜び、
大好きな山並みに囲まれて、自分は自然の一造物なんだ、
自然と一体だから何も不安を感じることなんかないんだ、
そんな静かな安心感と喜びが全身を優しく包み込んでくれたのです。

その後も山登りをしている時に、何度か同じような体験をしました。
これは人間の持つ動物的感覚の一種なんでしょうか、
私は明らかに海よりも山の方が好きですので、
山でその自然との一体感を得たのですが、
海が好きな人は、海にいる時にそんな感覚を得るものなのかもしません。


もうひとつは先の「救い」にも書いたように、
一昨年インドのホームを訪ねた時に『生きる価値』を伝えてもらった
その時のことです。

平安とは、その瞬間に感じる揺るぎない生に対する安心感かもしれません。

平安の反対語は葛藤でしょう。
葛藤は、過去を悔やんだり、未来を案じたり、
また現在の自分を「○○しなければならない」、「△△でなければならない」
という思いから生じてきます。

そういった「思い」は、言葉を変えるならば「囚われ」でしょう。
なぜならば、そんな思いはすべて捨て去っても十分生きていけます。
さらに言うならば、
その思いは捨て去ってしまった方がかえって幸せに生きられるはずです。

私のおすすめする「人生を変える ・・・ 」の中で、
平安に関するこんなエピソードが紹介されていました。

私の編集者ステファニーは、友人の生後六週間の赤ん坊を抱いたときに、平安や一体感を感じたと語ってくれました。
赤ん坊が無邪気に彼女の胸に寄り添ってきたとき、ステファニーは赤ん坊の彼女に対する信頼を感じて心から安らかに感じ、自分が抱いていた期待や心配を完全に解放しました。
未来の計画をするのでもなく、過去を思い悩むのでもなく、ただこの小さな子と一緒に、「今」いたのでした。
愛することと愛されることとの間に何の障害もなかったのです。
必要なのは心でした。
平安のために、彼女はただそこにいればよかったのです。


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これを読んで、自分が感じた平安、
これを再び心に蘇らせるポイントを少し深く理解することができました。

囚われをなくし、今この瞬間に限りない喜びを感じること。
自分を愛し、信頼すること。
そしてその結果として、誰をも愛し、信頼することができるようになること。

言葉で表現すると本当に簡単ですね。
簡単ですがとても深く、人生における究極のテーマともなり得るものです。


まずは囚われをなくすこと、
その囚われの対象は、物質的なものと精神的なものの両面です。

ふたつのものはまったく別個ではなく、互いに深く関連し合っていますが、
物質的な囚われに対しては、
「スペースクリアリング」を行うことが最も効果的です。
もうこれしかないと言ってもいいかもしれません。

精神的な囚われに関しては、
私にとっては、トイレ掃除のような下座行を行うことと、
先の「人生を変える ・・・ 」の中で紹介されている
「手放す」ためのワークをすることが必要だと考えています。

本で紹介されている手放すためのワークは実にシンプルです。

  <解放のための基本的質問>

「今、何を感じていますか?」
       ↓
「その感情を認めることはできますか?」   →   「はい」 / 「いいえ」
       ↓
「それを手放せますか?」            →   「はい」 / 「いいえ」
       ↓
「手放しますか?」                 →   「はい」 / 「いいえ」
       ↓
     「いつ?」                  →   「今」


たったこれだけのことです。
これもやはり水の時代の知恵、シンプルであるがゆえ奥深いのでしょう。

心を解放することにより、囚われの感情を別の感情に移行させていきます。
無気力、悲しみ、恐れ、渇望、怒り、誇り(高慢)、
これらの感情を勇気、受容、平安といったものに変換させます。

そしてすごいことには、この勇気、受容、平安といった感情をも
最終的には手放すのです。

これはとてつもなくすごいことですね。
この解説が書かれた箇所を読んで、鳥肌が立つような戦慄を覚えました。


何度もくり返し書いているように、私は悩み多き凡人です。
ただこれまで様々なスピリチュアルな体験を積み、
また分析するのが得意であるがため、
偉そうな人生論をここに書かせてもらっている、ただそれだけです。

恥ずかしながら「人生を変える ・・・ 」は、
人様にいい本ですと勧めておきながら、
これまで私自身は中途半端にしか読んでいませんでした。
けれどもいよいよ新しい心の段階へ踏み出さなければならない状況に追い詰められ、
それこそ救いを求める気持ちでこの本を再び開くことになりました。

必要なものは必要な時に与えられるのですね。
ここに書かれていることは、今となってようやっと自分の心に染みるように入ってきます。

ポンコツなゼンマイ仕掛けのおもちゃ自動車にも、
風に乗って軽やかに舞い上がる羽をいただけるかもしれません。


葛藤を動力としない生き様、平安の境地から湧き出てくる行動、考え、
それがどういったものなのか、私は体験したことがないので正直分かりません。

ただ今の自分がそれを求めていることは理解できます。
そのための方法論も十分に伝えてもらっています。
最も苦手なことだからこそ、挑戦する意義はあるでしょう。

またいつか、その結果をいい形でここに書きたいですね。
これは私の決意表明です。

 ※ どなたかこのワークをされた方、またこれからしてみたい方、
   よかったらメールをください。一緒に情報交換いたしましょう♪

2010.8.3 Tuesday  
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