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バランス

この宇宙の基本は、共生・循環・フラクタル、
いくつかのものがバランスを保って共生し、
それが時の流れとともに循環を繰り返す。
そしてそのスタイルがミクロからマクロまで、
あらゆる時空のスケールの上で展開されているというのが
宇宙(時空)の基本構造です。

共生の最もシンプルな形は陰と陽、ふたつのものの共生です。
男と女、天と地、動物と植物、・・・
自然界の中にはふたつの共生関係が数限りなく存在します。

ふたつのものの共生関係は、
そのふたつのエネルギーバランスの調和が取れているがゆえに成り立ちます。

人類は、男女の数的比率が取れているがゆえ、
これまで子孫を増やし、繁栄を続けてくることができました。
動物と植物も量的均衡が取れているために
酸素と二酸化炭素をバランスよく交換し、
地球の大気の成分組成は一定の比率を保っています。

ヤジロベエは左右のおもりの重さが等しいがため、
倒れることなく、いつまでも左右の揺らぎ(循環)を保ち続けます。
文明法則史学の東洋と西洋、南半球と北半球の四季の移ろい、
これらもまったく同じことです。


この共生のバランスは、私たちの心の問題もにも当てはまります。

自分の外を見つめること、内面を見つめること、
どちらも大切で、どちらもバランスを取ることが大切です。

これまでも繰り返し述べてきましたが、
私たちの社会の基本となっている資本主義は、
本来生きるための手段であるモノやお金というものが主体となり、
経済を発展させ、モノを消費する方向に人を持って行くため、
人に不全感を抱かせ、欲望を喚起し、
自らの内面の輝きに目を向けないように仕向けるという
構造的カルマを持っています。

新しいもの、高価なもの、大きな家、素敵な車、豪華な装飾品、・・・
そういった外のものにばかり目を向けさせられている私たちが、
自らの内面でひっそりと輝く宝物を見つめ、
自分を深く愛することができないのは、当然のことと思われます。

自分という内面を深く愛するには、
外にある様々なモノに対する誘惑を断ち切り、
執着を手放す必要があります。

そのモノへの誘惑、執着を手放す有効な手段として、
不要なモノ(ガラクタ)を捨てるスペースクリアリングがあり、
私たちの目が常に外に向きすぎているがために、
これが自己改革の強力な方法となるのです。


目に見えない心と目に見える体、
頭で思うことと体を動かす行動もまたバランスです。

目に見えない心が大切だからこそ、
それを変えるためにまず様々なことを体験し、
体を使って実践することをおすすめしています。
下座業のトイレ掃除など、まさにその最たるものです。

私たちの本質は霊的な存在だと思います。
その霊的存在の私たちの真我が肉体を持つことを望んだということは、
まずはこの肉体を使って何かを学び、感じ取ることをするべきなのでしょう。

頭で考えるよりもまず実践、行動を、
特に現代人は頭でっかちになりがちですので、
意識して体を使った行動を起こさないと、
心と体、思考と実践のバランスが崩れてしまします。

二十年以上前に聞いたサイババの言葉が今も頭の中に残っています。
  「神は祈る唇よりも、奉仕する手を好む」


情報というものも、入ってくるものと出すもののバランスが大切です。

情報化社会に暮らす私たちは、テレビ、ラジオ、新聞、本、インターネット、・・・
一日中情報の渦の中で過ごしていると言っても過言ではありません。

情報のインプットとアウトプットという面で考えて、
ほとんどの人がインプットする方が圧倒的に多いのが現状でしょう。
だからこそ、自らの意志で情報をアウトプットすることが大切なのです。

ものの豊かな生活が当たり前になっている私たちは、
何事もものやお金で問題を解決し、
分からないことは自分で考える前に人に聞いたり調べたりして、
自らの頭を使って考え、工夫する機会がきわめて少なくなっています。

知識はあっても知恵がない、答えは知っていても応用が利かない、
たくさんの情報の中で何が大切なのかを判断できない、・・・。

情報をアウトプットするということは、
いったん入ってきた情報を租借し、飲み込み、
自分の体の一部として消化・吸収した上で、
それを体の一部として内面から引き出し、外に出す作業です。

情報が入ってくるばかりで外に出す必要が無いのでれば、
ただ飲み込むだけで、租借する必要も消化・吸収する必要もありません。
ただのんべんだらりと食べ物を口に入れ、
便秘になり、吹き出物のできた運動不足のメタボな肉体のようなものです。

美味しいものを食べたなら、しっかりと運動し、体を鍛えることが必要です。
運動をするからこそ、食べたものが正しいエネルギーとして活用され、
肉体を形作る筋肉となるのです。

過食が万病の元であるように、
情報の入れ過ぎも、
かえってそれが知識を知恵としてアウトプットする機会を妨げる
原因にもなりかねません。

スペースクリアリングでガラクタを捨てることが大切なように、
情報のインプットを制限し、自分の中から知恵を引き出し、工夫をし、
内面を見つめることが、
情報過多の私たちにとってはとても大切です。

モノを手放せないのが執着であるように、
情報を制限できないのも、情報に対する執着であり恐怖心であり、
自分自身(の知恵)に自信が持てないがゆえの不安です。

スペースクリアリングでモノを捨てるのも、
トイレ掃除で便器の中に素手を突っ込むのも、
情報を制限するのも、
最初の恐怖心という壁をクリアーすれば何も怖いものはありません。
壁を越えた広がるのは、それまで感じたことのない平安な世界です。


バランスということで心の問題を考えると、
まずはスペースクリアリングでモノへの執着を手放すこと、
実践を通して心を鍛えること、
情報のインプットを制限し、知恵を使い工夫をし、
自分の中から新たなものを引き出すこと、
これらはすべてお金も道具も要らない簡単なことばかりです。

まずは行動すること、壁を乗り越えるのは自分自身の思いと行動です。

2010.4.3 Saturday  
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