音から学ぶ本質論<2>
オーディオ好きが高じて自分のステレオを触るだけでは物足りなくなり、
人様のお家のステレオを調整し、音をよくすることを仕事としていたことがあります。

どんな古い機械でも、きちんと調整し、最善の状態にしてあげれば、
人の心を動かす素晴らしい音楽を奏でるようになります。

機械的な数値から見た「いい音」は、高価な機械を揃えれば再生することが可能です。

しかしながら、心動かす「いい音楽」を再生するには、
その機械が与えられた条件の中で最高の働きをするように工夫、調整をし、
心を込めて活かしてあげなければならないのです。

ただ高価な機械を置き、接続し、スイッチを入れただけでは
スピーカーから「いい音楽」は流れてきません。

これは物理的データから証明することは不可能ですが、
経験的に間違いのない事実です。

「いい音」という物理的数値は、機械、ハードに依存するところが大きいですが、
「いい音楽」という心に訴えかける部分は、使いこなし、活かすという
ソフトに関わってくるものと思われます。

どのようなものでも、それを「活かす」よう工夫し、心を込めることを通して、
そのものの目に見えない本来の価値が高まり、
物理的条件を超えた働きをするのでしょう。


数多くのステレオと触れて気付いたことがもうひとつあります。
それは「ステレオの音は持ち主に似る」ということです。

ちょっと信じ難いことですし、これも物理的に証明することは絶対不可能です。

私も二十年間、自分のステレオだけを触っていた頃には
全く気が付かず、考えたこともありませんでした。
けれどもたくさんの人様のステレオの音を耳にするに従って、
この法則がほぼ間違いのないことを確信するようになりました。

心の清らかな人のステレオは、どんな安物の機械であっても
透明感のある美しい音が流れてきます。

なまけものの人のステレオからは重苦しい音が、
お金持ちの人のステレオからはリッチなサウンドが、
ステレオの音は、その人の心の状態を映す鏡のようであります。

そのことを感じたのは私だけではありません。
私にたくさんの方をご紹介してくださったあるご婦人は、
私がステレオの調整をするのに同行し、彼女自身でそのことに気付き、
驚くと同時におかしくて声をたてて笑っていました。

それ以来彼女は、精神的にイマイチの人のステレオは
いい結果が出ないということが分かり、そういう人は紹介してくださらなくなりました。

なぜこの様なことが起こるのでしょうか。
「犬は飼い主に似る」という仮説(?)以上に難解な現象です。

量子力学の世界では、観測者の意思により実験結果が変化する
という現象が確認されています。
ちょっとやばいサイトですが、ここを参考にしてください。(;^_^A

人間の意志、想念というものもひとつの「力」です。
これが機械に、音に、何らかの作用を与えているとしか考えられません。

工場の生産機械に名前を付け、毎日声をかけて可愛がっていると、
故障する割合が減少したという話を聞いたことがあります。
それと同じ現象なのでしょう。

人間の「思い」の力を、音はとてもストレートに表現してくれます。



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