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心の時代

私は子どもの頃から片付けが大の苦手で、
部屋の中は、それこそ足の踏み場もない散らかし放題といった状態でした。
母がこまめに掃除をしてくれたのも、
片付け嫌いを助長させる一因だったような気がします。

もちろんきれいに片付けられた部屋は心地よくて大好きでした。
何度も自分で片付けにトライしようと思いましたが、
まともにできた試しがありません。

大事なものがどこにいったか分らなくなったり、
貴重品を足で踏んづけて壊してしまったことも数知れずです。

小学校の林間学校で箱根に行った時、
旅館に着いてすぐにリュックを整理し、その後大広間に全員集まった際、
そのリュックの中の荷物をそこらじゅうに散らかしたままだった私は、
学年全体200名以上の生徒の中で、
一人だけ名指しで怒られたことがあります。
それだけまったく片付けダメ男だったということです。

その後数十年の時を経て、
少しずつ、まるで氷河が日差しで溶けてわずかずつ後退していくように、
床に乱雑に散らかっていたモノたちが、
棚や押し入れ、机の引き出しの中へと収まっていくようになりました。


片付けというものは、その人の深い精神の状態の表れです。
ですから片付けのできない理由を、
一言で簡単に言い表すことはできません。

人によって心の状態は千差万別であるのと同じく、
片付けができない理由も人それぞれあるものです。

けれども様々な理由から散らかってしまった部屋でも、
片付ける方向性はひとつです。

まずはいらないモノ(ガラクタ)を処分し、
本当に必要なモノに対してだけ意識を向けられるようにすること。
その必要なモノがいつでも使えるような状態にし、
そのモノの価値が最も高まるようにすること。
その結果、身近なモノ、空間がイキイキと光輝くこと、
これが片付け、整理整頓の目的であり、
スペースクリアリングというものです。


目に見える世界が変われば、心の中の世界も必ず同時に変化します。

この宇宙は、陰と陽、男と女、・・・
ふたつの絶妙なバランスという共生関係の上で成り立っています。
目に見える世界と見えない世界もふたつでひとつ、
あい互いにバランスを保ちつつ成り立っている共生関係です。

最も身近な目に見える人やモノとの関わりは、
その対極である目に見えない心の最も深い部分と直結しているのです。


私たちの生命の本質は、モノや肉体ではなく、
たぶん永遠不滅に存在するであろう霊や魂といったものだと思います。

その霊や魂といった目に見えない存在である私たちの本質が、
何かを学びたい、何かを知りたい、感じたいと願い、
肉体というものを持って、この物質世界に生を受けたのでしょう。

ですから私たちにとっては物質(モノ)というものは、
深い学び、気付きを与えてくれる最高の材料であると言えます。


これからは心の時代と多くの人が語るようになった今だからこそ、
これまでの物質中心の価値観で、
モノやお金をもっとたくさん ・・・ というのではなく、
今現在身近にあるモノを整理整頓し、いかに関わるのか、
その中からどうやって幸せを見つけていくのかということが
問われているのだと思います。

2010.2.3 Wednesday

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