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心と身体の関係・・・こだわり
心と身体、このふたつがいかに大きく影響し合っているのか、
そのことを身をもって知る素晴らしい体験をしました。
’97年頃だったと思います。鈴木秀子先生という方の講演会を聴きに行きました。
鈴木先生は聖心女子大学の教授を勤めておられる敬虔なクリスチャン、シスターで、
これまで数多くの悩みを持った人たち、死の床に臨した人たちと心の交流を持ち、
そういったご経験やご自身の体験から臨死体験、生と死のあり方、
命の尊さ等について書かれた本を何冊も出しておられます。
そしてその静かな愛に溢れた文章は多くの人たちに心の癒しを与え、
私も大いに胸を打たれ、何度も涙してきました。
また「エニアグラム」という性格分析、活用法の本(「9つの性格」等)も書かかれていて、
その方面でも著名な方です。
講演の内容は心洗われるとても素晴らしいものでした。
淡々と語られる言葉の中に鈴木先生の深い慈愛が感じられます。
その輝くような言葉の中でも特に心に残ったメッセージが三つあります。
・ 苦しみには意味があり、人はそれを乗り越える力を持っています。
・ この宇宙はあなたの味方です。
・ 生きる意味とは、他人にどれだけ愛を与えられるか、許すことができるかです。
特に三番目のメッセージは、当時わだかまりを持っていた人が何人かいた自分にとって、
深く胸に応えました。
「よし、あの人たちを許そう。もう一度いちから関係をやり直そう ・・・ 」
そんな気持ちが自然と心に芽生え、とても豊かな気持ちになってきます。
このメッセージを聴けただけでも講演に来た価値は十分にありました。
そして講演の最後に5分間ぐらいの小さな瞑想の時間を持ちました。
「愛と癒しの瞑想」というような名前だったでしょうか、
壇上からの鈴木先生のお言葉に導かれながら目を閉じ心を静かにしていきます。
すると自然と頭に思い浮かぶのは、これまでわだかまりを持っていた人たちです。
その人たちと微笑み合いながら楽しい時を過ごしていることを思い描いていると、
胸の大きなつかえが取れ、心が軽くなってくるのを感じます。
瞑想が終わり、ゆっくりと目を開けてみて驚きました。突然に視力が上がっているのです。
その当時、視力はメガネをかけていても両目で0.7がギリギリ見えるぐらいでしたが、
それが1.2ぐらいに向上しているのです。講師の鈴木先生のお顔がハッキリと見えます。
心の状態がこんなにも素早く身体に反応したのは初めての経験でした。
ただただ胸の中は感謝の気持ちで一杯です。
心のわだかまり、こだわりがいかに肉体を拘束しているのか、
生まれて初めて身をもって感じることができた貴重な体験でした。
その後一週間はこのままの視力が続きましたが、
残念ながら八日目ぐらいからは自然とまた元の状態に戻ってしまいました。
やはり時折心の掃除が必要だということなのでしょう。
今でも鈴木秀子先生からいただいた三つのお言葉は胸に大切にしまい、
あの時の新鮮な感動を思い起こし、心の原点を見つめ直す努力を続けています。
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